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萩野 茂太 院長の独自取材記事

萩野医院

(富山市/越中八尾駅)

最終更新日:2022/03/08

萩野茂太院長 萩野医院 main

越中八尾駅より徒歩3分。企業団地もあるエリアで、高齢者と働く世代が入り混じるエリアに「萩野医院」はある。同院は1948年に開業し、萩野茂太(はぎの・しげた)院長で3代目だ。祖父の代から続く医院ということもあり、親子3代にわたって通院している患者もいるという。地域のかかりつけ医として、小さなすり傷からがん検診、内視鏡検査にも対応してきたが、萩野院長の代になってポリープ切除などの日帰り手術も行うようになった。また、同法人はグループホームなどの介護施設も複数運営している。医療と介護の垣根をなくして関わることが萩野院長の目標だという。医院の歴史や萩野院長が専門とする消化器の内視鏡検査や治療、現在取り組んでいる訪問診療や介護との連携をはじめ、地域医療の中で果たす役割について話を聞いた。

(取材日2022年1月19日)

歴史ある医院だからこそ感じる責任

先生が医師を志したきっかけは何だったのでしょう。

萩野茂太院長 萩野医院1

当院は祖父が開業して、私で3代目です。幼少期から医師である祖父と父の背中を見て育ってきましたので、医師になることはごく自然な流れだったと思います。学生時代は富山に戻ることは考えておらず、当初は循環器に興味がありました。しかし、心臓の手術は機器がそろっている病院でしか行えない現実や、一部の病院にしか症例が集まらない問題を実感し、父と同じ消化器外科に進むことにしました。県内外の病院で、消化器がんの手術や内視鏡検査の研鑽を重ねてきましたが、父も高齢となったため、2019年10月に当院に戻り、2021年の4月に院長職を引き継ぎました。

3代続く歴史ある医院なのですね。

もとをたどると、江戸末期から漢方の医師として診療していたそうです。そこから1948年に祖父が分家し、八尾町の西町に萩野医院を開業、現在の場所に移転したのは、父が院長になって6年後の1997年です。患者さんの中には祖父の代から通ってくださっている方もいます。祖父と父が築いてきた地域の人たちとの信頼関係を私が壊すわけにはいきませんから、責任は感じますね。責任といってもプレッシャーのようなネガティブなものではなく、当院と患者さんの関係を私の代でより強いものにしていきたいというポジティブな感覚です。昔ながらのいい部分は残しつつ、現代に合わせた便利なものも取り入れていきたいと思っています。

これまで働いてきた大きな病院と現在では、何か違いがありますか?

萩野茂太院長 萩野医院2

そもそもの規模が違うという点はもちろんですが、患者さんの求めるものも違いますね。大きな病院ですとそれぞれの診療科ごとに専門の医師がいて、検査や診察も細分化されていますが、当院は私一人で診察しているために、さまざまな患者さんが来院されています。それこそ祖父の代は産科も取り扱っていたようです。病院は患者さんの病気を診察する場所というのが常識ですよね。でも当院は患者さんの年齢層も関係して、患者さん同士が話をする場にもなっています。地域のかかりつけ医として、ちょっとした悩み事や相談で来院される患者さんも少なくないです。大きな病院では検査の一環として血圧を測りますが、当院では血圧測定を目的に来院される患者さんがいらっしゃる、と言うとわかりやすいでしょうね。

大きな病院でなくても、質の高い技術を地域に

先生が院長になられてから新しく始めたことはありますか?

萩野茂太院長 萩野医院3

父の代から胃の内視鏡検査は実施していましたが、私は消化器外科を学んできましたので、より専門性を高めるため、大腸も含めた内視鏡検査ができるよう環境を整え、ポリープ切除の日帰り手術も開始しました。内視鏡も先進のものをそろえて、患者さんの負担を可能な限り軽減するよう意識して検査しています。とにかく質の高い内視鏡検査や治療を提供していきたいんです。今まで内視鏡検査を受けにわざわざ富山市中心部の病院まで足を運ばなければならなかった地域の人たちに活用してほしいですし、八尾町の皆さんのメリットになる医院をめざしています。また、インターネットを利用した外来予約システムを導入し、オンライン診療も開始しました。ただ、患者さんによってはウェブ予約やオンライン診療の利用が難しい方もいらっしゃるので、そこはこれまでどおりの診療と並行しながら柔軟に対応していきたいと思います。

内視鏡検査は、つらいイメージをお持ちの人が多いのでは?

そうですね。当院は患者さんの負担を可能な限り減らすだけでなく、安心感も持って検査に臨んでもらいたいと思っています。そのために内視鏡検査を受けた患者さんにはアンケートを実施し、次の検査への参考にしています。また、検査中も患者さんとの会話を大切にして、丁寧な説明を心がけています。ご希望の患者さんには鎮静剤の使用もできますからご相談ください。内視鏡検査は苦手なイメージを持つ方も多いかと思いますが、がんの早期発見にはとても有用な検査です。2020年9月から2021年8月の検査・治療実績は、胃内視鏡検査は501件、大腸内視鏡検査は175件、内視鏡的大腸ポリープ切除術80件となっており、多くの検査・治療を手がけています。

開放病床制度も利用されていると伺いました。

萩野茂太院長 萩野医院4

はい。内視鏡検査や検診などで手術が必要だと判断された患者さんは、連携の別の病院に紹介しています。紹介先の病院で手術をしてもらうのですが、その手術に私も立ち会うことができるんです。これが開放病床制度ですね。術後は当院に戻って私が診察できます。つまり、検査から治療、手術、術後まで、患者さんを一貫して診ることが可能なんです。これは私だけでなく患者さんにも大きなメリットで、手術が必要な病気以外のこともトータルで考えることができるため、効率的かつ安心感もあります。診察の度に医師が変わると、患者さんにとっては同じ説明を繰り返す必要が出てくるでしょうし、医師側も情報が散り散りになる可能性が高くなります。同じ医師がずっと携わっているというのは、とても大きなメリットだと思うんです。

医療と介護の垣根をなくし、連携して関わっていきたい

訪問診療もされているのですね。

萩野茂太院長 萩野医院5

訪問診療は祖父の代から続けています。八尾と山田地区を中心に、月2回ぐらいのペースですね。もちろん緊急時は時間を問いません。外来診療もそうですが、父が診療していた患者さんを私が引き継いだかたちですから、父と代わった私に不安を感じた患者さんもいらっしゃると思います。診療は父と同じやり方ではありませんし、私はタブレット型端末を使用した診察も行います。今は外来や訪問診療など、すべてを私一人で行っている状態なので、効率が上がるものは積極的に使いたいと思っています。ただ、医師の効率アップと患者さんの満足感はイコールではありませんから、そこは患者さんに寄り添う診療をしていくよう意識しています。

こちらでは医療と介護の連携に力を注いでおられますが、介護については以前から意識されていたのですか?

いえ、介護を意識し始めたのは当院で勤務するようになってからです。当院の近くには、父の代から法人が運営している介護施設がいくつもあるのですが、近くで医療と介護がつながっていることは、患者さんにとって安心なのだと知り、医療と介護はもっと密接に連携すべきだと考えるようになったんです。そういう意味では、昔から介護施設があるという当院の環境は恵まれていると思います。私は医療の知識はあっても介護の知識はまだまだ足りていません。特に介護・福祉制度は短期間で変更があったり新しい制度が立ち上がったりすることが多いので、情報をキャッチする能力も大事ですね。吸収すべきところが多い分野であり、これからも学んでいきたいと思います。

今後の展望をお聞かせください。

萩野茂太院長 萩野医院6

当院がこの場所に移転して25年がたちます。建物も25年が経過しているのですが、昔からしっかりメンテナンスされていたのであまり古い印象はないのではないでしょうか。診察も同じで、良いものは残し、新しいものはどんどん取り入れていきたいと考えています。ホームページもリニューアルして、専門用語をあまり使わないように意識しました。病気の説明よりも、当院でどのようなことができるかを中心に、わかりやすくまとめたつもりです。若い患者さんから高齢の患者さんまで、幅広い年齢層のニーズを敏感にキャッチしながら、「町の医院でこんなことまでできるんですね」と驚かれるような質の高い医療を提供し続けていきたいです。地域のかかりつけ医であるとともに、質の高い内視鏡検査や日帰り手術を提供できる医院、そして地域の医療と介護を支える存在でありたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

胃内視鏡検査/1万1540円
胃内視鏡検査+組織生検/2万4740円
大腸内視鏡検査/1万9630円
大腸内視鏡検査+組織生検/3万2830円
大腸内視鏡検査+ポリープ切除/8万9630円
※上記金額は検査やポリープ切除に関する料金の目安であり、診察料等は含まれていません。実際の診療内容によって変動することがあります。

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