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蜂谷 春雄 副院長の独自取材記事

高岡駅南クリニック

(高岡市/高岡駅)

最終更新日:2023/05/12

蜂谷春雄副院長 高岡駅南クリニック main

高岡駅から徒歩5分に位置する「高岡駅南クリニック」は胃腸内科・肛門外科・循環器内科・呼吸器内科などを標榜しながらも、幅広い診療を提供するクリニックだ。副院長の蜂谷春雄先生は自治医科大学医学部を卒業後、地元の富山県に戻って氷見市民病院や高岡市民病院にて長らく勤務。へき地医療の取り組みにも力を入れてきた。定年を迎えてからは、高岡市民病院での診療に加え、高岡駅南クリニックでの診療にも従事。2023年より高岡駅南クリニックの診療に集中し、副院長も勤める。日本糖尿病学会糖尿病専門医で、同院では訪問診療も含めたさまざまな診療に従事。そのほか看護学校の講師など、後進育成にも力を入れる。今回は蜂谷副院長が同院へ勤務することになったきっかけや、診療で大切にしていることなどについて話を聞いた。

(取材日2023年4月21日)

市民病院での経験を生かして

定年退職後、このクリニックで診療を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

蜂谷春雄副院長 高岡駅南クリニック1

長らく勤めていた高岡市民病院を65歳のときに退職し、勤め先を探していたのがきっかけですね。非常勤として週に何回かは高岡市民病院で診療することが決まっていたのですが、他のクリニックでも診療したいと考えていました。そんな時に同院が医師の求人を行っていることを知り、面接してそのまま勤務させていただくことが決まりました。塚田院長とは直接の面識はなかったのですが、地域住民のために訪問診療を含めた幅広い診療を行っていること、学術的な研究などにも力を入れていることは以前から存じ上げており、その姿勢に感銘を受けていました。実際にお話をしていても「この先生と一緒に診療をしていきたい」と感じられたので、今はとてもうれしい気持ちでいっぱいですね。

昨年まではいくつかの病院で診療をされていたのですね。

はい。今年の3月までは高岡市民病院でも週3回、医療相談役として診療を行っていました。診療内容としては、例えば「手術をしたいけど糖尿病が重いので、その管理をしてほしい」など、診療科をまたいだ治療に携わることが多かったですね。退職後は最大3つのクリニックで診療を両立しており、週休1日になってしまう多忙な時期もあったのですが、今はそれも落ち着き、当クリニックのみの診療となりました。そのほか、長年続けている看護学校の講師は今後も続けていきたいですね。

現在の患者層やよくあるご相談についてお聞かせください。

蜂谷春雄副院長 高岡駅南クリニック2

当クリニックでは、私の専門である糖尿病診療に関係なく、幅広い内科疾患の患者さんを診察しています。クリニックですから、いわゆる内科疾患に限らず、泌尿器科や外科の分野に近いこともご相談に応じて診ています。特に多いと感じるのは、排尿困難、頻尿などの泌尿器系のお悩みでしょうか。高岡市民病院にいた頃は診療する機会の少なかった病気や症状の方を診ることも多いので、日々刺激になっていると感じます。

患者の声に耳を傾けることが何より大切

患者さんと接する際に先生が大切にしていることは何でしょうか。

蜂谷春雄副院長 高岡駅南クリニック3

一番は患者さんの話をよく聞くことですね。話を聞くだけでも安心される患者さんはいらっしゃいますし、私は診断の手がかりの大半は患者さんとの対話の中にあると思っています。診断ができなければ治療はできませんから、そういう意味でも患者さんの話を聞き、疑わしい原因を絞っていくことは大切です。例えば、患者さんが「胸が痛い」と訴えたとき、肺や心臓の病気を懸念されることが多いわけですが、実は消化器系の病気でも胸が痛くなることはありますし、神経や血管系、骨、筋肉による胸の痛みもあるわけです。どんな痛みなのか、いつから痛いのか、痛みに変化はあるのか、持続時間はどれくらいかなど、詳しく聞いていく中で徐々に病気を絞り、必要な検査を検討したり、時には専門の医療機関を紹介したりすることが大切だと思っています。

ご専門である糖尿病診療についてお聞かせください。

糖尿病といえば「薬物療法」のイメージがある方も多いと思います。しかし実際は薬物療法のみでコントロールを図ることは難しく、自身の病気のタイプに合った食事習慣や生活習慣を身につけ、実践する必要があるんです。そのため、糖尿病と診断された患者さんが自身の病気について理解し、それをコントロールしていくための知識を身につけることがとても重要です。実際に氷見市民病院にいた頃は患者さん向けに週1回、2時間の糖尿病教室を行っていましたが、私一人では糖尿病のすべてを伝えきれないですし、一人ひとり病状も異なります。ですから、患者さんやそのご家族に糖尿病のことを知ってもらうと同時に、糖尿病に詳しい医療従事者全員で協力して患者さんと向き合っていくことが大切だと思っています。今年の3月までは、薬剤師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、栄養士など多くのスタッフと一緒に、高岡市民病院の糖尿病教室にも携わっていました。

糖尿病の診療にはスタッフの協力が必要なのですね。

蜂谷春雄副院長 高岡駅南クリニック4

はい。病気をコントロールするための手段はもちろんですが、糖尿病特有の合併症や緊急の症状に対してもスタッフ全員で丁寧に指導していくことが大切ですね。例えば、患者さんが低血糖状態に至ると、すぐに対処しなければ命に関わる恐れがあります。患者さんのご家族とも協力しながら、スタッフ全員で見守り、サポートしていくことが大切です。私は当クリニックのウェブサイトで医療コラムを発信しているのですが、これは患者さんに対してだけでなく、同じ医療従事者にも読んで理解を深めてほしいという想いで書いているものなんです。患者さんと医療従事者の双方が糖尿病について詳しくなり、適切な対処ができるよう、私が伝えられることは全力で伝えていきたいですね。

地域に恩返しがしたい

先生はなぜ医師になろうと考えたのでしょうか。

蜂谷春雄副院長 高岡駅南クリニック5

きっかけは学生時代に親族が立て続けに病気で倒れたことですね。どちらも幸い無事だったのですが、医療の大切さを学びました。私はもともと理系の大学をめざしており、同じ理系の父から父のなりたかった数学者になれと言われていました。しかし親族が病気にかかった後は医師になれと言ってくるようになり、中学校2年生くらいの頃から医師になることを考えるようになりました。また、わが家の長男は地元で暮らすことが一般的だったので、医師になったあとは必ずこの富山県に戻って来たいと思っていました。自治医科大学は学費などがかからない分、「卒業後、最低9年間自身の地元で働く」というルールなんです。私もそのルールにあやかるつもりで自治医科大学へ入学し、仲間と自分の県の医療のいいところ、悪いところについて議論しながら、富山県で医療をやっていくイメージを膨らませていました。

今後の展望についてお聞かせください。

まだ副院長に就任したばかりで課題はたくさんあります。まずは一つ一つこのクリニックでできることを実現していきたいです。例えば、今訪問診療を希望される患者さんも増えていますので、体制を整え、地元の福祉の方と協力しながら訪問診療を拡充させていきたいです。あとは自身の専門でもある糖尿病を中心に、できる限り新しい技術を取り入れ、患者さんがさまざまな治療方法の中から自身のライフスタイルに合った治療を選択できるようにしたいですね。これは高岡市民病院にいた頃に感じていたことなのですが、総合病院でいくら新しい治療方法を取り入れていても、クリニックでそれができなければ患者さんが不便を被ってしまうことがあるんです。当クリニックではそのようなことがないよう、今さまざまな技術の導入を検討しているところです。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

蜂谷春雄副院長 高岡駅南クリニック6

私はこれまで、富山県にお住まいの方々のためにへき地医療や総合病院での診療などに従事し、勉強をさせていただいてきました。今は自分がお世話になったこの場所で患者さんの健康を支え、恩返ししたいと思っています。またその取り組みの一つとして、医療従事者への指導など後進育成にも力を入れていきたいです。患者さんには、気になる症状があれば、いつでもご相談いただきたいですね。私はいつも「主治医とは、患者さんがつくるもの」だと思っています。患者さんが自分の悩み、困り事をしっかり開示してくださることで、私たちは初めて主治医として積極的に治療に介入できる場合があります。話しやすい空気感、雰囲気づくりは医師の仕事ですが、患者さんにもぜひ心を開いてさまざまなことを相談いただけたらうれしいです。

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