塚田 邦夫 院長、蜂谷 春雄 副院長、三廼 利美 さんの独自取材記事
高岡駅南クリニック
(高岡市/高岡駅)
最終更新日:2026/07/22
あいの風とやま鉄道線・高岡駅南口エリアにある「高岡駅南(えきなん)クリニック」。1997年の開院以来、幅広い分野の診療を提供してきた。現在は、塚田邦夫院長の専門である大腸・肛門疾患の診療、そして、糖尿病治療の専門家である蜂谷春雄副院長による内科診療がメイン。長年の経験をベースに、先進の治療薬や技術を積極的に取り入れている2人のベテランドクターと、糖尿病や栄養学などの専門知識が豊富なスタッフによるチーム医療が特徴だ。「来た時よりも少しでも幸せに」をモットーに、患者への心配りを大切にしている塚田院長と蜂谷副院長、さらに三廼利美(みつや・としみ)看護師長に、それぞれが診療で大切にしていることやクリニックへの思いについて話してもらった。
(取材日2026年6月9日)
専門性を前面に打ち出しさらに信頼されるクリニックへ
まずは塚田院長に伺います。診療方針を転換されたとのことですが、詳しく教えていただけますか?

【塚田院長】これまで、胃腸内科や内科、肛門外科、外科、耳鼻咽喉科など多岐にわたる診療科の疾患を診てきました。ただ、開業から30年近くがたち、地域の医療環境もかなり整ってきました。そこで、私の専門である大腸・肛門疾患と、蜂谷副院長の専門である糖尿病治療を柱に据え、専門性を高めることにしました。内視鏡検査やポリープ切除などの患者さんが以前から多かったことも理由の一つです。ストーマ、いわゆる人工肛門・人工膀胱の手術とケアを通して褥瘡や創傷の治療技術を磨いてきたので、複雑な痔の日帰り手術にも対応しています。方針は変わりましたが、「体の不調で困ったら、とりあえずここに相談しよう」と頼ってもらえるクリニックでありたいという想いは、ぶれることなく持ち続けています。
患者さんの層も変わっていきそうですね。さらに信頼を得るために取り組んでいることはありますか?
【塚田院長】当院では、患者さんの目的をきちんと把握するために、まず看護師による予診を行っています。その分待ち時間が長くなりがちなので、AI問診も導入しています。最初に患者さんに病歴や症状をスマホやタブレットで入力してもらい、その情報をもとにポイントを絞って看護師がお話を伺う、という流れにシフトしています。待ち時間の短縮に加えて、「話したいことが伝わる」と患者さんも安心してくれているようですね。また、クリニック全体の専門性の高さは患者さんの信頼度にも直結します。院内で2ヵ月に1回開催している公開勉強会では、他の施設などで対応に迷った事例についても皆で意見を交わしています。
院内全体で高め合っておられるのですね。今後はどんなクリニックに育てていきたいですか?

【塚田院長】患者さんの悩みや痛みが少しでも解消され、来た時よりも幸せになって帰ってもらう。それが当院の理念です。悩みを抱える人が迷うことなく来てくれる拠点であり続けたいですね。そのためには、将来当院を支えてくれる人を育てる必要があり、肛門手術を専門とする医師の増員を予定しています。互いの良いところを吸収し合いながらスキルアップしていきたいですね。それに伴い、手術や大腸内視鏡検査をこれまで以上に充実させていけると思います。これからも、健診で異常を疑われた方、痔の症状のある方など、地域の皆さんのために尽力していきます。
患者と医療従事者の信頼関係が糖尿病治療の礎に
蜂谷副院長にお聞きします。ご専門の糖尿病治療で大事にしていることは何ですか?

【蜂谷副院長】一番大事なのは問診です。問診では、患者さんに現在の病状と治療の因果関係を理解してもらえるよう努めています。糖尿病治療は薬物療法などと並行して、現状に合う食事習慣や運動習慣を取り入れてもらう必要があります。患者さんはその必要性がわかれば実践してくれるので、問診で丁寧に説明することが大切なんです。お話に耳を傾けることが患者さんの安心にもつながると思いますし、私も患者さんとの対話から診断の手がかりを見つけています。近年は糖尿病治療薬が急激に進歩しており、腎臓病や心不全の治療薬も兼ねているものなどが出てきました。ただ、薬の作用が強いと血糖値が下がりすぎてしまい、糖尿病治療で最も注意すべき低血糖を引き起こす可能性が高くなるんですね。ですから、患者さんに副作用のリスクを認識してもらった上で、新しい薬や技術を治療に取り入れていければと考えています。
治療には患者さんの理解が欠かせないのですね。生活指導などはスタッフの皆さんと行っているのですか?
【蜂谷副院長】はい。当院の看護師や管理栄養士は糖尿病の専門知識が豊富なので、新しい薬や技術も導入しやすく、とても頼りにしています。先ほどの低血糖のような症状は、複数のスタッフが協力して迅速に対応しなければなりません。医師として診療を始めてから多くのスタッフに支えてもらってきたので、スタッフの育成がいかに大切か身をもって実感しています。当院でも、私が作成した患者さん向けの説明リーフレットを使っての勉強会などを通して、互いに情報共有しながら患者さんを支援する体制を築いていきたいですね。
糖尿病などの根気強い治療に励む患者さんに伝えたいことはありますか?

【蜂谷副院長】糖尿病のほか、心不全や狭心症などの心臓疾患や喘息、肺線維症などの肺疾患、膠原病などの免疫疾患の患者さんも診ています。さまざまな病気を抱える患者さんから、「この先生を頼りに頑張ろう」と思ってもらえる主治医であり続けたいですね。患者さんと医師の信頼関係が良好な治療結果を生む、そう私は考えています。患者さんから「この薬を飲んだら強い眠気が続いた」などと話してもらえれば、データが蓄積されて、より適した診療を提供できる主治医になれるはずです。患者さんが話しやすい雰囲気をつくっていくので、治療歴や合わなかった処方薬、注射後に現れた副作用など、小さな変化も正直に話してもらいたいですね。
患者の困り事を受け止め、治療後のQOL向上につなぐ
三廼看護師長に伺います。院長のお話にありました院内連携で心がけていることはありますか?

【三廼看護師長】院長と同じく、私たちもスタッフ同士の連携をとても重視しています。特に大石さつき管理栄養士と情報共有を行い、常勤・非常勤に関わらず誰も困ることのないよう、全員に情報が行き渡るように心がけています。患者さんから尋ねられたときに「知らなかった」となれば、患者さんからの信頼が一瞬で揺らいでしまいますからね。毎朝必ず全員が連絡帳をチェックして、重要事項は医療機関専用の情報共有アプリで伝えています。また、先生以外のスタッフもカルテに記入できるようにしているほか、診察中の先生のお話も共有して管理栄養士さんなどに活用してもらっています。院内連携はミス防止策としても重要です。人的ミスは誰にでもあるので、早めに対応して今後どうすべきかを皆で考えるのが当院のスタンス。私としては、わからないことや小さなミスはその場で相談してほしいので、スタッフ同士が話しやすい雰囲気づくりを大事にしています。
院内の風通しの良さは、患者さんにもプラスになっているのでは?
【三廼看護師長】そうですね。先生の前で話しにくいことを看護師や管理栄養士などに相談しやすい環境になっていると思いますし、どんなことでも聞いてほしいです。例えば、管理栄養士さんによる食生活などの相談・アドバイスも、当院では「栄養『指導』」ではなく「栄養『相談』」と呼んでいるんです。相談という名目のほうが、患者さんに肩の力を抜いて話してもらえそうですよね。予診をすることで患者さんが困っていそうなことに気づき、詳しく聞いてみたらそのとおりだった、というケースは少なくありません。患者さんと接する中で、患者さん自身が気づいていない問題点を引き出すことを常に意識していきたいです。
最後に、読者へのメッセージをいただけますか?

【三廼看護師長】私が日々めざしているのは、患者さんの困り事に親身に関わり、患者さんが幸せになる姿を見ることです。患者さんの中には、「もっと早く受診しておけば何年もつらい思いをせずに済んだのに」と悔やむ方がおられます。そのような方には、治療を経て今後のQOLが上がったことを、ポジティブに受け止めてほしいですね。生活習慣の改善など、治療後の過ごし方についてもきめ細かくサポートしています。栄養管理が必要な方や、大腸や肛門の疾患に悩む女性の患者さんなどにも配慮しながら診療を提供しているので、気になることがあれば、肩の力を抜いて話しに来てくださいね。

