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塚田 邦夫 院長の独自取材記事

高岡駅南クリニック

(高岡市/高岡駅)

最終更新日:2022/08/30

塚田邦夫院長 高岡駅南クリニック main

あいの風とやま鉄道高岡駅から徒歩5分。院名のとおり、駅の南側にある「高岡駅南クリニック」は、胃腸内科・肛門外科・整形外科・循環器内科・皮膚科・泌尿器科・呼吸器内科・耳鼻咽喉科など、実に幅広い診療科に対応している街のかかりつけ医院だ。「患者さんの体は1つ。いろんな不調を抱えている可能性もあるので、何でもここで診られるようにしているんですよ」と塚田邦夫院長は話す。総合的な診療を得意とする一方、塚田院長は海外留学でストーマ(人工肛門)ケアや創傷ケアを学んだ「傷の専門家」としての顔も持つ。開業から25年。「まだまだ取り組みたいことや興味のあることがたくさんある」と意欲あふれる院長に同院の特徴などを詳しく聞いた。

(取材日2022年8月10日)

めざすのは患者に幸せになって帰ってもらうこと

診療科目が多いですが、開業当初から幅広く診ていらっしゃったのですか?

塚田邦夫院長 高岡駅南クリニック1

実は勤務医時代から開業することを前提に、さまざまな診療科の専門知識を習得してきたんですよ。最初は外科を専門として消化器外科・小児外科・心臓血管外科を学び、内視鏡や循環器に関しても広く知識を得ました。ですが、開業するなら風邪や腰痛の患者さんも多く来られるだろうから、耳鼻咽喉科や整形外科、また傷に関して皮膚科のことも学びたいと考え、約1年半かけて大学病院や市中病院などで勉強させてもらう機会をいただきました。するとどんな症状の方が来ても容体の見極めができるようになりますし、患者さんからすると「体の不調で困ったら、とりあえずこの人に相談しよう」と頼ってもらえると思ったのです。そのように何でも相談してもらえる街のかかりつけ医になることが、当初からの目標でした。今でこそ総合診療を行う医院は増えましたが、私は世間よりちょっと早く走り出していたかなと思います(笑)。

医院のモットーについて教えてください。

患者さんに、来た時よりも少しでも幸せになって帰ってもらうことです。医療のゴールは患者さんに心身ともに元気になってもらうことだと思っています。そのために、まず私を含めスタッフ全員が健康で楽しく働けるよう努めています。みんなこの理念を大事にしてくれていて、例えば患者さんを長くお待たせしてしまっている場合は、「あとこれくらいかかりますから、外出されるなら携帯に電話しましょうか」と声をかけたりしてくれます。待ち時間を少なくするための工夫もスタッフが率先して提案してくれるんです。それから事務スタッフを含めすべてのスタッフに、少なくとも1つ以上のエキスパートになることを求め、スキルアップを図ってもらっています。

どのような患者さんが多く来られますか?

塚田邦夫院長 高岡駅南クリニック2

お子さんから高齢の方まで幅広く来ていただいていますが、70〜80代の方は特に多いですね。診療内容としては、便秘や痔などの肛門疾患や潰瘍性大腸炎の治療、胃や腸の内視鏡検査、ポリープ切除などの手術が多いです。また腰の痛みなどを訴える整形外科の患者さんもよくいらしています。当院は複雑な痔ろうを含め、幅広い痔の手術を日帰りでできるのが特徴ですから、痔に関するご相談は全体の20%程度と、かなりの割合を占めています。その他、私の専門分野であるストーマに関するご相談、褥瘡(じょくそう)など傷の治療に関する専門知識を求めて来られる方もいらっしゃいます。「ここに来れば全部診てもらえる」と頼ってくださる人が増えたら、うれしい限りですね。

ストーマや褥瘡のケアを専門的に学ぶ

先生のご専門について詳しくお聞かせください。

塚田邦夫院長 高岡駅南クリニック3

私は大腸外科に所属していた時にストーマ、いわゆる人工肛門を作る手術をすることが多く、その頃からストーマをうまく使い続けるためのケアを研究テーマとしてきました。患者さんの病状によっては、あまり良い状態とは言えないストーマを作らざるを得ないこともあったのですが、患者さんが社会活動を送ることができるよう、ストーマをきちんと機能させることを目的に専門知識を持つ看護師がケアにあたっていました。それでケアの重要性を痛感し、専門的に学びたいと考えたのです。ストーマケアでは感染症が出やすい患部の皮膚の傷をうまくコントロールすることが大事ですから、これを習得すると褥瘡や創傷のケアも上達します。傷をよく観察し、体が傷を治そうとする力を最大限に引き出すにはどういう処置が必要か、見いだすすべを学びました。このおかげで複雑な痔の日帰り手術も手がけられるようになりました。

ストーマケアに関しては、アメリカでも学ばれたそうですね。

アメリカにおいて、ストーマケアで知られる地で勉強したいと思っていたところ、タイミング良くその関係者である先生方が日本に講演に来られまして。すぐに会いに行き、1ヵ月半ほど次々と追っかけをして「行きたい」と言い続けた結果、念願かなってOKをいただきました(笑)。約2年間の留学期間は、潰瘍性大腸炎などの腸疾患やストーマケア、創傷ケアについてたっぷりと学び、科学的な考察の仕方や観察力を身につけることができました。それを帰国後に臨床で実践し、論文もたくさん書きましたね。今も同じ志を持つ仲間と研究に励んでいます。それで患者さんにいい成果が出せることが何より楽しいですし、やりがいを感じています。また、今も日本褥瘡学会・在宅ケア推進協会の理事長を務めています。

日頃から心がけていることは何ですか?

塚田邦夫院長 高岡駅南クリニック4

専門内外問わず勉強会やセミナーにたくさん出向いて、視野を広げることです。というのも、勤務医時代にいろんな科の手術などを見学して、多くの発見があったからです。例えば皮膚を縫う方法にしても、産婦人科と外科ではやり方がずいぶん違い、それぞれに良いところがありました。固定観念を持たずに臨機応変に対応できるようになったのは、その頃の経験のおかげですね。また、講演や執筆活動もできる限り引き受けています。話をするときには、診療の際もそうですが、難しい専門用語はできるだけ使わないように気をつけています。私自身、小難しい話は苦手ですし、わかりやすくないと人に伝えることはできないと思うのです。質問されるとうれしいので患者さんにもいろいろ相談してほしいですね。

在宅医療や栄養指導にも注力

最近は在宅医療にも対応されているそうですね。

塚田邦夫院長 高岡駅南クリニック5

開業から25年がたち、患者さんたちも高齢になりました。褥瘡のケアなどをするためにご自宅へ出向くようになり、自然な流れでお看取りも行うようになったのです。在宅医療に携わって、亡くなるときに立ち会うことはすごく重く、重要なことだと感じました。ご家族との関わりの深さも違います。患者さんは在宅の途中で入院したり、施設に入所したりもされますから、ピンポイントで診るのではなく、それぞれのステージに関わって患者さんをもっとよく知りたいと考えています。それがより良い医療を提供することにつながるのではないでしょうか。また当院では在宅で介護用リフトをうまく使っていただくために、リハビリテーション室にリフトを導入しました。事前に練習してもらうことで、安心して在宅での生活を送ってもらえると考えています。

栄養指導も療養の一環として行っているのですか?

そうです。褥瘡の傷の治りが悪い患者さんがいて、栄養状態を調べたらものすごく悪かったことがあったんです。当院においても、特に在宅での療養には管理栄養士の指導が必要だと考え、院内や訪問で栄養相談を行うようになりました。それでも治りが悪い患者さんは、車いすが合っていなかったり、体位変換がうまくいっていない可能性があります。それは理学療法士さんで詳しい人に話を聞いて知りました。医療とケアに関しては、学べば学ぶほど興味が尽きません。

趣味はありますか?

塚田邦夫院長 高岡駅南クリニック6

学生時代に競技スキーをしていたので、今も妻と一緒によく滑りに行きます。また温泉旅行をするのも好きです。食べることが好きなので、観光よりもどこで食べるかばかりに気が向いて、よく妻に怒られます(笑)。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今後は常時医師が3人いる体制にして、もっときめ細かい医療を地域に提供していきたいですね。患者さんには「病気があって人があるのではなく、人があって病気があるんですよ」と伝えたいです。病気になった経緯には普段の食事やライフスタイルが関係していることもありますから、診察の際には生活状況についても伺うようにしています。無理には聞きませんが、できればご理解いただいて普段の生活に目を向けてください。何か気になる症状が出たら、体のアラームサインだと思って一度相談に来ていただけるとうれしいです。

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