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村上 美也子 先生、村上 巧啓 先生の独自取材記事

むらかみ小児科アレルギークリニック

(富山市/東新庄駅)

最終更新日:2022/01/27

村上美也子先生、村上巧啓先生 むらかみ小児科アレルギークリニック main

富山市中心部から車で約15分の住宅地にある「むらかみ小児科アレルギークリニック」。1995年に村上美也子先生が「むらかみ小児科」として開業。2010年、富山赤十字病院小児科部長を長く務めた夫の村上巧啓(ぎょうけい)先生が加わり、現在の名称となった。広い駐車場があり、診察までの時間を車内で過ごすことも可能。待合室は大きな窓があり明るく、キャラクターグッズが子どもたちを迎えてくれる。「互いに尊敬していますし、診療についての相談も考えが一致することが多いです」と美也子先生。そんな2人に、診療方針やそれぞれの得意分野などについて詳しく聞いた。

(取材日2021年12月15日)

医師2人、それぞれの強みを生かした診療を

現在のクリニックになるまでの経緯と診療内容について教えてください。

村上美也子先生、村上巧啓先生 むらかみ小児科アレルギークリニック1

【美也子先生】母校である富山大学附属病院の小児科に勤務の後、1995年にこの地で「むらかみ小児科」を開業しました。2010年 に「むらかみ小児科アレルギークリニック」に名称を変え、富山赤十字病院を退職した夫と2人体制で診療を始めるようになり現在に至っています。当院は車で来院される方が多く、診察まで車内で待機したいという方も。具合の悪いお子さんを連れて車を止める場所がないと困るので開業後、駐車場を拡張しました。
【巧啓先生】私は山形大学卒業後、富山大学附属病院の小児科に勤務し、喘息・アレルギーグループに所属して診療・研究を行ってきました。その後、富山赤十字病院に移り、一般小児診療とアレルギー外来を担当。小児救急医療にも携わりました。当院では細かい管理が必要なアレルギー疾患は私が、育児相談やワクチン相談は妻が担当しています。

日々の診察で大切にしていることは何ですか?

【巧啓先生】親御さんが一番困っているのは何かを知ることですね。対面だけでは難しいこともあるので昨年からウェブ問診票を導入し、事前に入力してもらいスムーズな受診につなげています。多くの親御さんが細かな設問にも詳しく回答してくださいます。急性疾患が多く、当日・翌日の診察希望に素早く対応するため、再診の場合はウェブと自動電話でも予約を受けつけています。
【美也子先生】感染症は園やクラスごとにはやることが多いので、状況の把握に注意を払っています。診察ではわかりやすい説明を心がけています。保護者の方は質問したいことも多いので、今の症状がいつまで続くか、こういう状態だったらこうして良いよ、というようにできるだけ具体的かつ端的に。あと、質問しやすい雰囲気も大切なので「ほかに何かありますか?」と尋ねるようにしています。時間的にゆっくり対応できない時はベテラン看護師がサポートしてくれています。

頼れるスタッフは患者さんも心強いですね。

村上美也子先生、村上巧啓先生 むらかみ小児科アレルギークリニック2

【巧啓先生】当院には小児アレルギー疾患の専門的知識を持ったスタッフも在籍しており、患者さんやご家族への指導・アドバイスも行っています。具体的には、食物アレルギー治療での除去食や緊急時の対応方法、気管支喘息の吸入器の使い方や環境整備、アトピー性皮膚炎のスキンケアなどをアドバイスし、相談にも対応しています。以前は医師が行っていたことを任せられるので、診療の効率化はもちろん、患者さんによりきめ細かなサポートができる点でもたいへん助かっています。

開業医は新しい情報を取りに行く姿勢が大切

アレルギー疾患ではどのようなものが多いですか?

村上美也子先生、村上巧啓先生 むらかみ小児科アレルギークリニック3

【巧啓先生】とても多いのは食物アレルギーで、当院では食物経口負荷試験という、アレルギーの原因と見られる食物の摂取可能な量を見極める検査も行っています。このほか、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の患者さんもたくさんいらっしゃっており、スギ花粉症やダニアレルギーに対しては舌下免疫療法による根本的にアプローチする治療を行っています。食物アレルギーは10年で倍増しているといわれています。以前は、アレルゲン性の強い食品、例えば鶏卵などは離乳期早期に与えないほうが良いとされていましたが、今は、アトピー性皮膚炎がある場合はそれを改善させ、生後6ヵ月頃から少しずつ鶏卵を摂取することが提言されています。このように治療方針が大きく変わることがあるので、常に最新の状況を知っておくことは大切です。

治療法も大きく変化するのですね。

【美也子先生】基幹病院と違い、開業医は常に新しいものを取り入れることを意識しないと、ずっと同じ診療のままで進歩しないという危険性があります。勉強会の機会があればできる限り参加し、知識や技術を患者さんに還元していかなければなりません。新型コロナウイルス感染症の流行の影響から、今は勉強会などもオンラインで開催されるようになりました。自分から新しい情報を取りに行く姿勢を大切にしていきたいです。

勤務医時代との違いや、他の医療機関との連携についてお聞かせください。

村上美也子先生、村上巧啓先生 むらかみ小児科アレルギークリニック4

【巧啓先生】17年勤務していた富山赤十字病院では、紹介患者さんや入院患者さんを中心に診ていました。クリニックは小さなことも聞ける・診られる身近な存在です。もちろん症状が重くなれば入院が必要になることもありますし、ここでは行えない検査もあるので大規模病院との連携は必要不可欠。喘息の患者さんが大人になれば、適切なタイミングや症状を見極めて呼吸器内科を紹介するなどクリニック同士の連携も大切です。
【美也子先生】勤務医時代は子どもが小さく大変な時期もありましたが、周囲の先生方に助けられ、仕事を中断することなく続けることができました。初めての育児は、ちょっとした咳や、一度嘔吐しただけで心配になります。親御さんがどんなことで、どんなふうに困っているのか、自分が経験して理解できたことも多いです。

子どもを取り巻く環境の変化に注意を払うことも大切に

2人で診療されるメリットはどんなところでしょうか?

村上美也子先生、村上巧啓先生 むらかみ小児科アレルギークリニック5

【美也子先生】会議や出張で不在のときや、心の問題など、診療が長くなっても、もう一人の医師が診察を行っているので、患者さんを長くお待たせしなくて済むことですね。信頼関係があるし、気軽に診療方針の相談もできます。

先生方が小児科を選ばれたきっかけは?

【美也子先生】私はもともと子ども好きで、保育士や幼稚園の先生に憧れていた時期もありました。医学部で学ぶうち、子どもの成長の発達の不思議や素晴らしさを感じたことですね。小児科は細分化されておらず全身を診られるのも良いと思いました。小さかったお子さんがママになって赤ちゃんを連れていらしたり、しばらく見かけなかったお子さんが高校生になって新型コロナウイルスのワクチンを接種しに来たり。患者さんの成長を見られることは小児科の医師ならではの喜びですね。
【巧啓先生】全身を診られるというのは私も同じですね。大人になってもアレルギー疾患に悩まされている方もいます。長く診ている患者さんもおり、成長はうれしく感慨深いものがあります。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

村上美也子先生、村上巧啓先生 むらかみ小児科アレルギークリニック6

【巧啓先生】これからもアレルギー疾患について最新の情報を得て診療に生かしていきたいですね。子どもたちを取り巻く環境の変化にも注視していきたいです。困り事があった時に、すぐ来てもらえるのが私たちのような町のクリニックです。アレルギーのことはもちろん、どんなことでも気軽にご相談ください。
【美也子先生】少子化もあり、現在は感染症全般も減っていますが、心の問題や、はじめての育児にとまどう親御さんも増えています。めざしているのは親御さんも元気になって帰れるクリニック。お子さんの成長を一緒に見守っていきたいと思っています。

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