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中村 正彦 院長の独自取材記事

中村医院

(秦野市/鶴巻温泉駅)

最終更新日:2022/04/12

中村正彦院長 中村医院 main

長閑な住宅街に立つ白とレンガの壁、赤い屋根のかわいらしい外観の「中村医院」。木目を基調としたペンションのような院内に入ると、まるで実家に帰ってきたような温かな雰囲気に包まれる。週末の金・土・日曜のみの診療を行っているという同院は、消化器疾患を中心に、内科全般、小児科に対応。内視鏡検査やピロリ菌の除菌にも注力しており、休みを利用して診療を希望する患者が多く訪れる。「地元に貢献し役に立ちたい」と話す中村正彦院長は、日本消化器病学会消化器病専門医。その道ひとすじに、大学病院や総合病院で数多くの症例経験を積んだ専門家だ。先鋭の機器で行う経鼻内視鏡検査では、患者の負担が少なく、かつ見落としのない正確な検査を心がけている。そんな中村院長に、診療への思いを語ってもらった。

(取材日2022年4月1日)

消化器疾患を専門に、金土日曜のみの診療で地域に貢献

中村院長が開業されて35年目だとお聞きしました。歴史あるクリニックですね。

中村正彦院長 中村医院1

もともとは、私の父と叔父が1952年に伊勢原市で「中村兄弟医院」として開業したのが始まりです。その4年後に叔父が墨田区に移ったため、父が1人で1988年まで37年間院長を務めていました。私が院長としてこのクリニックを引き継いだのは、父が体調を悪くし動けなくなったからなんです。ただ、平日は大学病院や総合病院に勤めていましたので、土日曜だけの診療スタイルを続けて、今年で35年目になります。当クリニックは、専門の消化器疾患を中心に内科全般と小児科に力を入れており、現在は、土日の診療に加えて金曜日の午後からはオンライン診療を行っています。今も平日は、総合病院などに出向し、内視鏡検査や外来診療などを請け負っていますが、いろいろな新種の機械があり、内視鏡検査をかなり多く任されていますので、そういった経験を当院でも生かすことができているのは強みだと思います。

どういった患者さんが多くいらっしゃいますか?

父の代から来てくださっている患者さんやそのご家族の方々、ご近所だと農家の方が多いですね。一方で最近では、この辺りから通勤している働き盛り世代の患者さんも増えてきています。例えば、会社や市の健康診断に引っかかった方が、胃の内視鏡検査を受けに来られたり、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の人が通院されています。お勤めの方は、平日は忙しいから土日のほうが都合がいいですよね。そんな中、胃がんの疑いがあって精密検査が必要な方には、東海大学医学部付属病院や伊勢原協同病院、秦野赤十字病院などに信頼できる知人の先生が多くいますので、安心して紹介できます。

やりがいを感じるのはどんな時ですか?

中村正彦院長 中村医院2

この地は、生まれ育ってきた私の地元です。高校も平塚市でしたし、大学もここから通っていました。知っている人も多いですし、中学や高校の同級生が相談に来てくれたりして、地域に貢献して役に立ちたいという思いが一層にあります。この辺りは少し北へ上がると秦野市や伊勢原市、南に200メートルくらい進むと平塚市で、ここは地域の境界線なんですね。近隣に住む外国人の患者さんも、ワクチン接種や外来に来てくださっています。いろいろな方が気軽に足を運び、頼りにしてくださっているのは非常にうれしいです。当クリニックは、2006年にリフォームをしましたが、明るく温かみのあるペンションのようなつくりを意識しました。実家に「ただいま」と帰ってくるようなアットホームな雰囲気を大切にしています。

胃の内視鏡検査やピロリ菌の除菌、小児健診に注力

注力されている内視鏡検査について教えてください。

中村正彦院長 中村医院3

私は、消化器疾患の治療が専門で、特に上部消化管内視鏡検査、いわゆる胃カメラに関しては、他施設も含めて毎年非常に多くの検査を行っています。検診および、ピロリ菌陽性慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃ポリープ、胃がん、胃マルトリンパ腫などの疾患が対象となります。機器も先鋭の経鼻内視鏡を導入しており、口からではなく鼻からスコープを挿入しますので、嘔吐反射を起こす舌の根本部分に触れることが少なく、経口内視鏡よりも楽に受けやすいです。初めての方や高齢者にとっては、かなり負担が少ないので、「思っていたより楽だった」と感じていただけると思います。内視鏡検査は朝7時~7時半の予約で実施しています。検査前は朝食を抜いていただくので、早い時間に済んでしまえば1時間後には食事を取っていただけますからね。できるだけ早く終わるように、また見落としがないようにと心がけています。

ピロリ菌の除菌も専門にされているとか。

ピロリ菌の除菌に関してはずっと研究を続けており、私の専門分野です。ピロリ菌は、胃の中に生息し粘膜の障害を引き起こし、胃がんに進行する可能性もありますから、早期の対処が重要です。薬を飲んで除菌をしますが、保険適用で行う際は実際に胃が荒れているか診るために、まずは内視鏡検査を行う必要があります。また、ピロリ菌の抗体の有無を調べる血液検査がありますが、抗体があって除菌をする場合は、内視鏡検査をしてから除菌といった流れになります。いずれにしろ、日本は胃がんが多い国民なので、しっかり検査をしておくのがお勧めです。ただ実際には、40歳を過ぎて胃の内視鏡検査を受けたことがある人は3割程度で、特に自営や主婦の方など「一度も経験がない」という人が少なくありません。自覚症状がなくても病気が進んでいるケースがありますから、ピロリ菌の除菌も行いながら、食道・胃・十二指腸の病気の早期発見・早期治療をめざしています。

小児科も標榜されていますね。

中村正彦院長 中村医院4

私の妻が助産師でして、現在では東京都内の保健所に勤め、訪問看護もしています。その経験を生かしながら、看護師としてサポートに入ってもらっています。当院には、予防注射や小児健診を希望されるお子さんも多いですね。新生児や1歳児健診、予防接種は管理が大変ですから、その点は妻が専門なので助かっています。院内にはキッズスペースを広めにとってあり、絵本や玩具などを多く用意しています。小さな椅子や机も置いてありますので、塗り絵で遊びながら、ご家族で楽しそうに過ごされていますね。スタッフは看護師である妻と事務員が3人いて、和気あいあいと家庭的な雰囲気です。

40歳を過ぎたら1年に1回の内視鏡検査で早期発見を

お忙しい中、どんなふうにリフレッシュをされていますか?

中村正彦院長 中村医院5

木曜日だけはお休みをとっているんです。妻や娘と近くの美術館に行ったり、犬の散歩をしたり。写真が趣味なので、猫や鳥、昆虫などを撮ったりもします。普段は東京都にいて、週末だけここで過ごしていますが、この地域は昔から知っている人が多いので、都会では聞けないような農家の苦労や、いろいろなことを話してくださる方が多くて面白く、世間話をしながら診療していくのは好きな時間です。地元の小学校、中学校を卒業しているというのは、こういったつながりがあっていいですね。今来ていただいている高齢者の方で、「若い時に父に診てもらっていた」と言われる方もいて驚きます。このように普段の会話から何げない患者さんの生活背景を知れて診断のきっかけになることもあるんですよ。

胃の疾患はストレスが関係していると聞きますが、どうでしょうか?

そうですね。胃の病気はストレスが関係してきますから、働き盛りの方もよく受診されます。私は自律神経も専門にしていますので、ストレスで胃が痛い、心療内科に通っているという方も多く相談に来られます。精神科で開業している同級生の医師がいますので、どうしても強い薬を使わないといけない方などは紹介もできます。悩みやストレスを感じていて胃が不調だという方もお気軽にご相談ください。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

中村正彦院長 中村医院6

胃の疾患は、症状が出ないことが多いです。若くても胃がんになってしまう人もいるので、検診は定期的に受けてください。また、飲酒や喫煙をよくされる方は、食道がんを発症する確率が大幅に上がります。特にもともとお酒に弱かった方が、少しずつ慣れていって強くなったという方は気をつける必要があります。あとはご家族で胃がんや胃潰瘍の人がいらっしゃる方は、注意が必要です。当院は、土日に検査が受けられるので、平日忙しい方には利用がしやすいと思います。1年に1回は、内視鏡検査を受ける習慣をつくってほしいですね。

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