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長岡 千春 院長の独自取材記事

緑が浜こどもクリニック

(茅ヶ崎市/辻堂駅)

最終更新日:2024/11/26

長岡千春院長 緑が浜こどもクリニック main

辻堂駅から車で約5分の住宅街にある「緑が浜こどもクリニック」。おしゃれな一軒家という風情は周辺の雰囲気になじみ、看板がなければクリニックとはわからないたたずまいだ。一歩中に入ると、外観の印象そのままのくつろげる空間が広がっている。「ここはもともと私が3歳の時から大学生になるまで暮らしていた実家をリフォームしたのですよ」と、にこやかに迎えてくれたのは院長の長岡千春先生。大学では感染症を学び、大学病院や総合病院、診療所での勤務経験を持つ。開業したのは治療だけでなく、子どもたちのその後の成長も見守っていきたという思いからだという。子どもはもちろん、家族にも寄り添える医師でありたいと話す長岡院長に小児医療への思いを聞いた。

(取材日2024年10月10日)

成長発達や家族背景を把握するかかりつけ医の大切さ

温かみのある院内でくつろげます。ご実家を改装されたそうですね。

長岡千春院長 緑が浜こどもクリニック1

はい。リフォームにあたって業者の方には、あまり診療所らしく見えないよう、親しみやすい雰囲気にしたいとお願いしました。待合室の暖炉は実際に使っていたものですが、開口部を塞いでアクセントとして残しました。第1診療室はもともとキッチンとダイニング、第2診療室は妹と弟の部屋だったところです。それぞれの診療室から外がよく見えるようになっているところが気に入っています。母が長年手入れをしてきた庭には、鳥や虫がやってきたり、季節によっては夏ミカンの木に果実がたくさんぶら下がったりするのです。私も大好きなのですが、お子さんたちにも好評です。

どのような患者さんが多いのですか?

開業当初から、風邪や発熱など一般診療の患者さんが多いのですが、アレルギー疾患に特化した外来もあるのでアレルギーの診療で通院する患者さんの割合は高いですね。特に多いのは、アトピー性皮膚炎を含めた湿疹です。アレルギーが絡むお肌のトラブルは、お薬を出せばすぐ治るというものではなく、症状が落ち着いたり悪くなったりを繰り返します。最近は、食物アレルギーの患者さんが増えていると感じますね。また、以前と比べて「学校へ行けない」「朝起きられない」といった発達障害や心の問題の相談も増えています。児童精神科の数が少なく、予約が取りにくいということもあるので「どこに相談してよいのかわからない」と悩まれている方が、気軽に相談できる窓口になれればと思っています。

最近、気になる傾向などはありますか?

長岡千春院長 緑が浜こどもクリニック2

実は、新型コロナウイルスの流行以降、患者さんのかかりつけ医に対する意識が薄れているように感じています。ほとんどの方が、かかりつけを持っていると思うのですが、感染拡大時に診療しているクリニックが少なかったり、発熱症状を診る外来が混んでいたりと制限があったため、開いている医療機関で検査や治療をしてもらうということがあったのだと思います。それ以降、「取りあえず診療しているクリニックで診てもらう」というかたちが増えた印象があります。日曜や夜間も診療しているクリニックができたことから、皆さんが行きやすい時間に受診することもあると思いますが、やはりかかりつけ医を持ち、いつもの医師に診てもらうことは大事だと思いますね。

かかりつけ医を持つメリットについて教えてください。

かかりつけ医は、例えば風邪をひくと喘息までいかないけれどゼーゼーしがち、いつも喉から始まって高い熱を出すなど、その子の体質や傾向がわかっていますよね。初めての診療ではそこまでがわからないので、取りあえず咳止めの薬を出しておきましょうというかたちになりがちです。また、診療を受けているけれど、体調が改善しないからと、次々に別の医療機関にかかることをすると、経過がよくわからず、ちゃんとその子を理解することが難しくなります。その子の全体像や家族構成など、子どもを取り囲む環境を全部理解することで、より良い診療につながるのではなでしょうか。

子どもたちの成長を見られることが小児科の醍醐味

先生は、なぜ小児科の医師になったのですか?

長岡千春院長 緑が浜こどもクリニック3

医師という職業を意識し始めたのは、中学生の頃でした。恵まれない人々のために尽くす修道女の映画に感銘を受けて、自分にも何かお手伝いできることがないだろうかと考え、人を救うには医師になればいいと思ったのです。医学部に進み、内科と小児科の選択で迷いましたが、当時の内科は消化器内科、循環器内科など臓器別が主流でした。私は患者さんの全体を総合的にケアしたかったので、小児科を選んだのです。ただ、それ以前に幼い頃の記憶がベースになっていると思います。私には年の離れた妹と弟がいるのですが、当時はもう一人の小さい母親という感じで、おむつ替えなどを喜んでやっていました。下の子のお世話が楽しくて、小さな子が好きになったというのも大きかったと思います。

小児科のやりがいはどんなところにありますか?

小児科医師の一番の醍醐味は、子どもたちが元気に育っていく姿を見られることだと私は思います。けれども大学病院では、専門性が細分化されていて、自分の領域でない場合は、診られないこともありました。クリニックでは、それこそ転んでケガをしたとか、風邪をひいたとか、そういった日々に関わることができます。小さい頃大騒ぎしていた子が、落ち着いて良いお兄さんになっちゃってみたいな(笑)、そういう成長が見られることもうれしいですね。

こちらでは、アレルギー疾患の診療にも注力されているそうですね。

長岡千春院長 緑が浜こどもクリニック4

大学を卒業してからアレルギーの勉強をして、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を取得しました。大学病院を出て5年ほど勤めた診療所の院長で、小児アレルギーを専門としている矢野靖子先生との出会いがきっかけです。矢野先生は患者さんのご家庭のことなど、生活スタイルや背景まで聞いた上で診療にあたります。例えばアトピー性皮膚炎の塗り薬を処方するのにきちんと指示どおりに使っているご家庭もあれば、それがなかなか難しいご家庭もあります。そういった患者さん一人ひとりの生活背景まで把握して方針を考えていくことが大事だということを学びました。現在も喘息、アトピー性皮膚炎の治療をはじめ、食物アレルギーの食物経口負荷試験、ダニやスギの舌下免疫療法など枠を広げて診療にあたっています。

なんでも相談できるかかりつけ医を見つけてほしい

ところで、休日はどのように過ごしていますか?

長岡千春院長 緑が浜こどもクリニック5

休日はのんびりしています。好きなのは、おいしいカフェを見つけて本を読むことですね。茅ヶ崎辺りは雰囲気が良いので、一人で散策しながら行けるカフェを探しています。子育てはひと段落して、娘は大学生になりました。ラグビー部のマネジャーをしているので、一緒にラグビーの試合を見に行ったりもしています。今は、娘が私の楽しみをつくってくれる感じですね。

最近、予約制を敷かれたそうですね。

当院は、開業当初から「いつでも来てください」というスタイルでしたが、新型コロナウイルスの流行時に発熱患者さんの人数や場所を制限していた頃から、やむを得ず予約制にしました。必ずしもご希望に添えるわけではりませんが、かかりつけの人でひどく具合が悪いとか、どうしても時間の都合がつかないときは連絡をしていただければ対応しています。予約制というと何か冷たい感じがするかもしれませんが、風邪をうつしたり、お熱の子が長時間待ったりすることがないようにこのかたちにしているので、ご理解いただけるとうれしいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

長岡千春院長 緑が浜こどもクリニック6

なんでも相談できる通いやすいかかりつけ医を見つけましょう。親御さんと気が合い、説明に納得できる医師を探してください。聞きたいことが聞けて、教えてもらいたいことを教えてもらえれば、かかりつけ医としてうまくお付き合いしていけるはずです。私自身もそういう医師でありたいと考えながら患者さんと向き合っています。子どもには成長発達がありますから、長く診ていると、「小さい頃は明るかったけれど、最近は表情が暗くなってきているのでは」と感じたり、「小さい頃は落ち着きがなかったけれど、その子なりに落ち着いてきているな」といったことがわかったりします。やはり小児科では、子どもたちを長く継続的に診たいですし、お子さんだけでなく親御さんや家族にも寄り添える小児科医でありたいと思います。

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