金指 功 理事長の独自取材記事
かなさしクリニック
(平塚市/平塚駅)
最終更新日:2025/04/28

平塚駅から徒歩1分に位置する「かなさしクリニック」は、1996年開業。駅前という立地条件、土曜・祝日も診察が可能なことに加え、理事長の金指功先生の丁寧な対応が特徴的なクリニックだ。「患者さんやそのご家族に、わかりやすいよう画像を用いて現在の目の状態をしっかりご理解いただきます。その上で治療方針を説明し、どのように治療するのか選択していただきます」と語る金指理事長。設備にもこだわり、2024年には白内障の手術装置や検査機器を先進のものに刷新。30年近くの間、地域住民の目の健康を支えてきた金指理事長に話を聞いた。
(取材日2016年11月15日/情報更新日2025年4月10日)
コンタクトレンズ処方から日帰り手術まで、幅広く対応
こちらで開業した理由をお教えください。

私は生まれも育ちも横浜で、卒業したのも横浜市立大学医学部です。藤沢市民病院、茅ヶ崎市立病院など、大学の関連病院が県内に数多くあり、平塚共済病院もその一つです。そのため、平塚は身近な存在でした。そこで関連病院の患者さんも来院しやすく、平塚の駅にも近いこの場所で開業しました。1996年の開業ですので、すでに30年近く前のことです。開業当時は今より手狭でしたが、待合室を広くしたり、レーザー室や手術室を増設するなど、徐々に院内を拡張し、現在に至っています。
開業時と比べて、患者さんの傾向に変化などはございますか。
開業当時には、以前勤務していた横浜市立大学附属病院や藤沢市民病院の外来で診させていただいた患者さんが多かったのですが、その後は地元の平塚市をはじめ、近隣の茅ヶ崎市、大磯町、二宮町、伊勢原市、秦野市からも来院いただけるようになりました。インターネットで調べたという方もいますが、クチコミの患者さんも多いようでしてありがたいことだと思っています。はじめはコンタクトレンズの作製が目的の方、アレルギー性結膜炎や麦粒腫などの患者さんが多かったのですが、最近では緑内障、糖尿病網膜症、黄斑変性症、網膜静脈分枝閉塞症などを患っていらっしゃる方が増えています。白内障手術を希望される方も多いですね。
診療方針をお聞かせください。

開業当初から「最小限の経済的・時間的負担で、最良の医療を」を掲げ、土曜・祝日にも診療に応じてきました。時には待ち時間が長いというお叱りをいただくこともあったので、毎日2~3人のドクターで診察をしています。これにより待ち時間の短縮はもちろんですが、緊急のレーザー処置にも対応できるなど診療の幅が広がりました。検査スタッフも常に8~9人いますので、視野検査などもほとんどの場合予約がなくてもその日のうちに検査が可能です。こうした一般診療と並行して、ご要望の多い白内障や眼瞼下垂の日帰り手術にも対応できる体制をとっています。当院で対応できない患者さんがいらっしゃった場合も、大学病院など多くの病院と連携し、ご希望や必要に応じて、適切な専門家に紹介することができます。
2024年には設備を一部リニューアルされたとか。
一部の検査機器と白内障の手術装置を刷新しました。まず、検査機器は、眼内レンズの度数決定に重要な眼軸長を測定する先進機器を採用し、これにより従来は難しかった難症例患者への対応もできるようになりました。そして、手術装置は新鋭の高性能機器に刷新し、これまで以上の精度と安全性を追求。眼内圧をコントロールできる機能もあるので、手術時の痛みや違和感の軽減も期待できます。多焦点眼内レンズも取り扱っており、当院は選定療養実施医療機関ですので、かなり費用も抑えられると思います。なぜなら、手術のうち手技に関する費用は保険適用のまま、多焦点眼内レンズにかかる費用のみ自己負担で手術を受けていただけるからです。術後の見え方にご満足いただくためにも、事前の正確な検査と手術の精度向上にはこだわっています。
わかりやすい説明を心がけ、新しい治療も積極的に導入
日々の診療では、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

患者さんの現在の症状や、病気について、わかりやすくご説明することです。ご自分の現状をしっかり理解した上で、治療方針を説明し、治療法を選んでいただきます。例えば、診察室では眼球断面図をよく利用しますし、白内障やアレルギーによるまぶたの裏側の状態などをモニターに映し出すこともあります。異物や結膜結石に関しては、除去前後の状態を画像でお見せすることも。拡大した画像をお見せすれば、ご自身の目の状態が理解しやすいです。また、各疾患を説明するためのパンフレットや資料をそろえておくことで、診察や治療の際に理解を深めていただき、後日、ご自宅などでも再確認していただけるようにしています。
力を入れている治療はございますか。
白内障や黄斑前膜などの眼底疾患です。白内障の主な原因は加齢ですが、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として、若い方の発症もあります。不便を感じていなければ手術を急ぐことはありませんが、進行し過ぎると手術の難易度が上がってしまうため、極度に進行する前に手術をお勧めします。白内障手術に使用する眼内レンズは、単焦点眼内レンズの他に、多焦点眼内レンズがあります。多焦点眼内レンズは健康保険適応外になりますが、眼鏡の不要な時間が長くなるのがメリットです。近年レンズの開発が盛んで、品質も向上し、種類も増え、お勧めできる製品が増えました。当院では多くの種類を扱っており、生活スタイルなどを踏まえてご提案します。快適な見え方の提供に努め、楽しいシニアライフのサポートをめざしています。黄斑前膜なども、当院では日帰り手術で対応可能なため、患者さまの負担軽減になれるよう力を入れて対応しています。
お子さんの近視に悩む方も多いと思いますが、何かアドバイスはございますか。

近視の進行の一因は、近くを見る時間が長いことです。お子さんには、ゲームやスマートフォンを見る時間を制限することもある程度必要だと思います。また、30代40代になっても近視は進みます。若い時ほど進行は早くありませんが、コンピューターのディスプレイ画面やスマートフォンを見る時間が長い方は要注意です。予防のためには、目を休ませること、十分な睡眠をとることが重要です。最近では世界的に近視の進行抑制に関する研究が進み、ある程度効果の期待できる治療も行えるようになってきました。当院でも、近視抑制の点眼に対応しています。その他、視力補正を目的としたオルソケラトロジー、遠近のソフトコンタクトレンズ処方、眼鏡処方などすべて対応可能です。
自覚症状が少ない重症の眼疾患。40歳を目安に検査を
今後取り組みたい治療や、将来の展望があればお聞かせください。

治療の幅を広げたいですね。多焦点眼内レンズの性能が良くなりましたので、一層力を入れていきたいです。緑内障の方も大変多いので、緑内障専門の外来も設けたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

目の病気には、正常眼圧緑内障など自覚症状が出にくいものもあります。日本人の失明原因のトップである緑内障は、40歳以上の5%、70歳以上の10%に発症するといわれています。ですから早めに対処するためにも、40歳になったら眼底、眼圧、視力検査をしていただきたいです。できれば当院も導入している、光干渉断層撮影による検査もされることが望ましいですね。これは、近赤外線を当てるだけで網膜の厚みの測定や断面図を撮影できる装置で、眼底カメラではわかりにくい異常を発見しやすく、緑内障の診断にも役立ちます。一般の健康診断、人間ドックでは施行されていませんので異常を指摘されていなくても念のためお受けいただくことをお勧めします。それから睡眠時無呼吸症候群の方。十分な睡眠がとれないだけでなく、酸素の供給量が減少しますので目の神経にも悪影響があり、緑内障が悪化することもあるので要注意です。
自由診療費用の目安
自由診療とは・多焦点眼内レンズ 29万円〜38万円 ・近視抑制のアトロピン点眼 4000円 ・オルソケラトロジー 片眼7万円~
※白内障手術の費用については健康保険が適用されます。詳細はクリニックホームページをご確認ください