医療法人社団方伎会 石川クリニック

石川友章 院長

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「根拠に基づいた医療」を漢方は先取りしている

―漢方薬の優れている点について教えてください。

よく「漢方薬は副作用の心配がない」と言われますが、これには少し説明が必要です。西洋医学の薬にはその根底に、もとは毒物である成分の作用を、解熱などさまざまな目的に利用するという考え方があります。ですから熱を下げる以外に何らかの副作用も伴うことになりますが、一方で、漢方薬に用いる生薬に副作用が一切ないかというと、そんなことはありません。ただ、漢方では患者さん一人ひとりの状態に合わせて、例えば今の患者さんの体力なら少し毒作用があっても大丈夫だといったような判断をした上で、病態になるべく影響が及ばないように生薬を選んでいます。同じ葛根湯でも、患者さんによって中身を微妙に変えているんです。このことが副作用によるダメージの少なさにつながっているわけですが、それには医師の正しい見立てが不可欠であることもご理解いただきたいと思います。

―漢方独自の診断法とはどのようなものですか?

最も特徴的なのは脈診と腹診で、そのほかの問診や視診などは西洋医学と基本的に変わりがありません。西洋医学で「脈を取る」というと脈拍の数や速度、不整の有無をみるわけですが、漢方の脈診はもっと微妙な、脈の性質まで調べます。脈が通常より沈んでいる、脈拍が微弱といったことから、患者さんがうつ状態にあることも見当がつきます。そうした脈の状態と患者さんの年齢を考え合わせることで、仕事のストレスで参っているのかなとか、夫婦や親子の関係に悩んでいるのかなとか、今の生活の状況までも垣間見えますね。もちろん具体的にプライベートを詮索することはありませんが、こうしたおおよそのところが分かるだけで、診療時間の短縮に大いに役立ちます。患者さんご自身が話したがらなくても、脈とお腹はウソをつかないというのが実感ですね。

―腹診の特徴についても教えてください。

肝臓を例に説明すると、ベッドに横になっていただき、手でお腹を触ってみて、腫れがないかなどを診ます。この時、肝臓そのものに触れているのではありませんが、肋骨の下あたりの感触に抵抗が感じられれば、これは「胸脇苦満」という状態であると分かるのです。こうした腹診で確かめられる個々の状態などを「証」といい、これは今の医療界でよく耳にする“エビデンス”(医療を行う際の根拠となるもの)に近い概念だと思います。1700年代に日本で書かれた「腹証奇覧」という漢方医学の書物には、この証の分類によって、どの場合にどのような薬を処方すればいいのかが詳しく書かれています。つまり、西洋医学で最近重視されるようになったエビデンス・ベースト・メディシン(根拠に基づいた医療)の考え方を、漢方は300年近くも先取りしていた、と言ってもいいでしょう。



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