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水沼 信之 院長の独自取材記事

水沼医院

(茅ヶ崎市/茅ケ崎駅)

最終更新日:2020/12/17

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がんと診断された時、多くの人はショックを受けるだろう。中にはすぐには現実を受け入れられない人もいるかもしれない。「そんな時は迷わず相談してください」と気さくな笑顔で話すのは、「水沼医院」の3代目院長、水沼信之先生だ。がん研有明病院で化学療法科消化器担当部長を務めた水沼先生は、数多くの消化器がんの治療に携わってきたエキスパート。がん治療に関するセカンドオピニオンを求めて訪れる患者も多いという水沼先生に、かかりつけ医としての熱い思いや、地域で取り組むがん患者のサポートについてじっくり聞いた。
(取材日2020年11月16日)

専門性を生かした幅広い診療でプライマリケアに注力

まずはクリニックの歴史と特徴について教えてください。

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当院は内科の医師である父と小児科の医師である母が、1968年に開院しました。当時は医療機関が少なかったようで、赤ん坊からおじいちゃんおばあちゃんまで地域の皆さんとともに半世紀近く歩んできました。2013年に母が亡くなったため一度は看板を下ろしたのですが、生まれ育った地元に貢献したいという思いから、2015年に3代目院長として診療を再開しました。開院当時から通い続けてくださる患者さんも多く、風邪やインフルエンザから高血圧や高脂血症などの生活習慣病まで幅広く対応しています。また、1日に数人はがんの治療に関わる相談に来られる患者さんもいます。これまで多数の消化器がんの症例に携わった経験を生かし、地域の皆さんにとって一番身近なかかりつけ医として、がんをはじめとする病気の早期発見や、生涯にわたる健康のサポートをめざしています。

日々の診療でどのようなことを心がけていますか?

患者さんにすべてを正直に話すことと、患者さんと同じ目線で話すことですね。かかりつけ医として、これは非常に大切なことだと思います。今の病状はどうなのか、薬は何のために飲むのか、薬がどのくらい効いているのか。そういったことをしっかり知って自己管理につなげることが、治療の鍵なんです。最近は勉強熱心な患者さんも多く、何かと検索して調べる方もいますが、インターネットの情報は正確でない内容も多いので、わからないことや不安なことがあったら、どんどん質問をしていただきたいですね。一度の説明で専門的なことを理解するのは難しいかもしれませんが、何度でもわかりやすく説明しますので、気軽にご相談ください。

院長に就任する前は、主にがん治療に取り組まれていたそうですね。

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私は21年間、がん研有明病院において消化器がんの化学療法に携わってきました。がん研有明病院は、がん専門病院として開設されて以来さまざまな症例に取り組んでいます。ステージ4のがんで末期と診断されたがん患者さんで、抗がん剤の治療だけで済んだ方もいらっしゃいました。各分野の専門家が結集するチーム体制で、約2年半抗がん剤治療に取り組んだことを覚えています。それから10年以上たちますが、その患者さんは今も当院へ通ってくださっているんですよ。

がん専門病院との連携で、高度ながん治療を身近に

診療方針について教えてください。

3

がん研有明病院時代は、次の診療時に患者さんが意識をなくしていることも少なくなかったので、今でも一回一回の診療をきちんと完結させることを心がけています。例えば、高齢の方は通院といえば毎月決まったお薬をもらいにくるイメージがあるかもしれませんが、「お変わりないですね」とただ薬を出して済ませるのではなく、少しでも気になる兆候があれば、その都度きちんと検査して、必要があれば薬を調整するという具合です。また、がん患者さんの診療で忘れてはいけないのが生活支援です。ただでさえ多大な負担を強いられる患者さんが、医療費だけでなく生活費や仕事、家事育児などで立ちいかなくなることのないような全人的ケアを大切にしています。

がん専門病院と連携した医療が特徴的ですね。

当院は都内または湘南地域のがん専門病院と強化連携しており、がん専門病院に通う患者さんを地元のかかりつけ医としてサポートしています。急な発熱や体調不良に対応するほか、副作用のチェックと吐き気のコントロールや血液検査、輸血なども行っています。がん専門病院には全国各地から抗がん剤治療を受けに患者さんが来るのですが、遠路はるばる来たのに、「今日は白血球の数値が悪いので来週にしましょう」となったらショックですよね。そのため、当院の患者さんには事前に血液検査をして、もし白血球の数値が低ければ薬を処方するなどして、数値が落ち着いたらがん研有明病院に行っていただくようにしています。また、セカンドオピニオンや紹介も対応しています。個々の症状にきめ細かく対応し、状況に合わせて適切な医師を紹介するなど、これまでのがん治療の経験を最大限生かし、患者さんが最善のがん治療を受けられるよう、サポートいたします。

印象に残っている患者さんのエピソードを教えてください。

4

別の病院でがん治療のため半年の入院が必要だと言われたけれど、そんなに休むと仕事を辞めなければならなくなるのでどうにかならないかと相談に来られた患者さんがいました。職を失っては治療後の生活が成り立ちませんから、その方の要望に沿った治療のできる病院を紹介したことがあります。がんの患者さんは職を失いやすく、がんは治ったけれど職がなくて生活できないというケースが問題になっています。特に働き盛りの若い方の場合は、治療と生活の両面をサポートできるよう心がけています。

きめ細かな対応で、生涯にわたる健康をサポート

がん患者さんの在宅医療にも力を入れているそうですね。

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はい。基本的にがん研専門病院は治すための治療をする場所なので、根治を望めない患者さんの診療には対応していません。仕方ないとはいえ、希望を失い涙ながらに退院していく患者さんを見送るのはとてもつらかったですね。せめて開業医になったら、終末期のがん患者さんを最期まで診たいと思い、今年から茅ヶ崎エリアの先生方や看護師、介護士の方たちなど多職種で連携して終末期のがん患者さんをケアする「チーム医療」の取り組みを始めました。がん治療は0か100かではありません。患者さんの状態に合わせてきめ細かく薬の調整をしながら、患者さんやご家族のお気持ちに寄り添い、できるだけ穏やかに過ごしていただけるようサポートしていければと考えています。

今後の展望をお聞かせください。

スタートしたばかりのがん専門多職種連携チームの活動をさらに発展させ、当院にかかった患者さんだけでなく、他院の患者さんに対しても薬やケアの方法などアドバイスできるようにしていきたいですね。ゆくゆくは他のスタッフのためにも、チームの活動内容を論文にまとめたいと思っています。あとは、私はハーバード大学やNCI(米国国立がん研究所)など米国に留学していた経験から、英語を話す患者さんにも対応可能です。最近、茅ヶ崎方面には外国籍の方が増えてきているので、そうした方たちが医療で困ることのないよう、必要に応じてサポートしていきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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健診で異常があっても、2次検査を受ける人が少ないことに驚いています。どのような病気でも、治療を開始するのは少しでも早いほうがいいので、働き盛りの40~50代の方はまず健診を受け、何か異常があれば必ず2次検査を受けてほしいですね。特にがんは初期の治療が重要です。がんと診断されたら、担当の医師に遠慮せず、すぐにセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。1つの症例について地域の医師間で情報をシェアできれば、地域医療の底上げにもつながります。また、今は新型コロナウイルスに関しても早期の受診が可能な体制が整ってきていて、当院も対応可能です。徹底した感染対策と、迅速かつ適切な診断で、患者さんの健やかな未来を守るために地域貢献できれば幸いです。

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