全国のドクター13,044人の想いを取材
クリニック・病院 158,052件の情報を掲載(2024年11月21日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 茅ヶ崎市
  4. 茅ケ崎駅
  5. 水沼医院
  6. 水沼 信之 院長

水沼 信之 院長の独自取材記事

水沼医院

(茅ヶ崎市/茅ケ崎駅)

最終更新日:2024/04/30

水沼信之院長 水沼医院 main

検診や人間ドックからの精密検査を経てがんと診断されたら、ショックを受ける人が多いだろう。現実を受け入れきれない中で治療の選択を求められ、混乱に陥ることも考えられる。「そんな時には迷わず相談してください」と気さくな笑顔で話すのは、茅ヶ崎市高田の「水沼医院」3代目院長・水沼信之先生だ。がん研有明病院で化学療法科消化器担当部長まで務めた経験を生かし、一般内科診療と並行して、地域に根差したがん相談も受けている。「地域の医療・介護リソースと連携しながら、患者さんをトータルにバックアップするのが、私たちかかりつけ医の役割」と語る水沼院長に、同院のめざす医療や患者への思い、がん患者を支える取り組みなどについてじっくり聞いた。

(取材日2023年12月21日)

先端知識をアップデートしながらプライマリケアに尽力

クリニックの歴史と特徴を教えてください。

水沼信之院長 水沼医院1

当院は内科医師である父と小児科医師である母が、1968年に開業しました。当時は付近に医療機関が少なかったようで、赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまで地域の皆さんとともに半世紀近く歩んできました。2013年に母が他界したため一度は看板を下ろしたのですが、生まれ育った地元に貢献したいという思いから、2015年に3代目院長として診療を再開しました。開業当時から通い続けてくださる患者さんも多く、風邪やインフルエンザから高血圧症や高脂血症などの生活習慣病まで幅広く対応しています。また、1日に数人はがんの治療に関わる相談に来られる患者さんもいます。これまで多数の消化器がんの症例に携わった経験を生かし、地域の皆さんにとって一番身近なかかりつけ医として、がんをはじめとする病気の早期発見や、生涯にわたる健康のサポートをめざしています。

幅広く診療されているのですね。

咳・鼻水や発熱、下痢など、身近な急性症状のご相談から応じています。ありふれた症状の裏に大きな病気が隠れているケースもあることから、その都度きちんと検査をして、必要があれば薬を調整するという方針です。もちろん、当院だけで対応しても患者さんのためにはなりません。原因の特定が難しい場合、「数ヵ月様子を見ましょう」となってしまうこともあるようですが、当院ではできる限り迅速に適切な病院やクリニックにご紹介して治療につなげる方針です。私自身の専門は消化器がんですが、膠原病や循環器疾患など、それぞれに高い専門性を持った先生やクリニックは多くあります。そうした先生方の知識やスキルと患者さんをつなぐのも、かかりつけ医の大切な役割です。そのためには、プライマリケアに従事するかかりつけ医も、各分野の先端医療の概要を知っておく必要があると感じています。

専門分科が進む医療で、各分野の先端を知るには努力が必要となりそうです。

水沼信之院長 水沼医院2

もちろん、医師として継続的な努力は欠かせません。地域でプライマリケアを担う医師は、専門性を深めるのとは別の方向性での学びが必要と考えています。現在、茅ヶ崎医師会の内科会では、新たな取り組みとして定期的な勉強会の開催をスタートしました。各分野に詳しいドクターを招き、先端医療の知識をアップデートする機会としています。また、医師会では在宅医療の取り組みにも尽力しています。

多職種連携チームとも連携し、地域でのがん闘病を支援

在宅医療にも取り組んでいらっしゃるのですね。

水沼信之院長 水沼医院3

がんと診断された患者さんが病院で必要な治療を受け、退院後も地域で暮らしていくまで、トータルにサポートしています。治療選択に悩む際のセカンドオピニオンから、放射線療法や化学療法の副作用への対応、終末期を含めた疼痛治療まで、地域のドクターや看護師、薬剤師、介護従事者などと連携し、がん専門多職種連携チームとして提供しています。がん治療を詳しく知るからこそ、副作用が出そうなタイミングで、先手を打って血液検査を行うなどの対応が可能となります。がん疼痛治療に長けた医師の訪問診療も実施しており、住み慣れた地域で最期までQOLをできる限り維持しながら、有意義な時間を過ごせるようにと努めています。また、がん患者さんの診療で忘れてはいけないのが生活支援です。ただでさえ多大な負担を強いられる患者さんが、医療費だけでなく生活や仕事、家事、育児などで立ちいかなくなることのないような全人的ケアを大切にしています。

がん専門病院とも強固に連携していらっしゃるとか。

21年間消化器がんの化学療法に携わってきたがん研有明病院をはじめ、都内や湘南エリアのがん専門病院と強固に連携しています。がん専門病院には全国から患者さんが来院されますが、遠路はるばるいらしても「白血球の数値が悪いので治療は延期に」となってしまうケースも。当院では治療予定を控えた段階で血液検査を行い、必要に応じて薬を処方するなど、数値が落ち着いた状態でスムーズに専門病院を受診できるようサポートしています。

セカンドオピニオンも対応していただけるのですね。

水沼信之院長 水沼医院4

がんと診断された場合、セカンドオピニオンは重要です。たとえ9割同じことを言われたとしても、見落としや別の選択肢が見つかることもあります。また、複数の医師から話を聞くことで、患者さん自身も覚悟が決まるといったこともあるようです。例えば、がん治療のため半年の治療が必要と言われていたとしても、お仕事と並行して受けられる治療を選択できる病院をご紹介できることもあるかと思います。できれば治療を開始する前、方針決定の段階でご相談いただければと思います。

診療効率化で生まれた余裕を、さらに患者のために

診療の際に心がけていらっしゃることは何ですか?

水沼信之院長 水沼医院5

患者さんにすべてを正直に話すことと、患者さんと同じ目線で話すことですね。かかりつけ医として、これは非常に大切なことだと思います。今の病状はどうなのか、薬は何のために飲むのか、薬の効果はどうか。そういったことをしっかり知って自己管理につなげることが、治療の鍵なんです。最近は勉強熱心な患者さんも多く、何かと検索して調べる方もいますが、インターネットの情報は正確でない内容も多いので、わからないことや不安なことがあったら、どんどん医師に質問していただきたいですね。一度の説明で専門的なことを理解するのは難しいかもしれませんが、何度でもわかりやすく説明しますので、気軽にご相談ください。

今後の展望として考えていらっしゃることはありますか?

ありがたいことに多くの患者さんにご受診いただき、混雑時には1時間を超えてお待たせしてしまうこともあるのが現状です。これまで来院順に診療するかたちでしたが、2024年1月からは予約制を導入しました。これにより、待ち時間は15~30分と大幅に短縮しています。インフルエンザや新型コロナウイルスの感染も多く、急な体調不良にも対応していく必要がありますので、緊急時の診療は継続しています。また、院内の滞在時間の短縮と感染症対策のため、自動精算機も導入しました。こうしたシステムの活用により生まれた時間で、患者さんのために何ができるのかを今後は考えていきたいです。

読者に向けてひと言メッセージをお願いします。

水沼信之院長 水沼医院6

健診で異常があっても、2次検査を受ける人が少ないことに驚いています。どのような病気でも、治療を開始するのは少しでも早いほうがいいので、働き盛りの40~50代の方はまず健診を受け、何か異常があれば必ず2次検査を受けてほしいですね。特にがんは初期の治療が重要です。がんと診断されたら、担当の医師に遠慮せず、すぐにセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。1つの症例について地域の医師間で情報をシェアできれば、地域医療のレベルアップにもつながります。また、発熱者専門の外来や新型コロナウイルスのワクチン接種も当院で承っています。発熱があると受診をためらう方もいらっしゃいますが、当院には安心して相談に来ていただきたいですね。徹底した感染症対策と、迅速かつ適切な診断で、患者さんの健やかな未来を守るために地域貢献できれば幸いです。

Access