田中 祥博 院長の独自取材記事
田中医院
(足立区/大師前駅)
最終更新日:2026/03/06
東武大師線・大師前駅から徒歩9分、住宅街が広がる落ち着いたエリアにある田中医院。1953年に内科医の父と眼科医の母が開業し、田中祥博(よしひろ)院長が2008年に継承した70年以上の歴史を持つ医院だ。現在は内科、眼科、小児科を診療し、幅広い年代の患者が訪れる。「来る者は拒まず、どなたでも歓迎しますよ」と穏やかに話す田中院長は、患者一人ひとりの生活に寄り添い、その人に合った治療を行うことを大切にしている。同院に隣接する、田中院長の弟が院長を務める歯科医院と密に連携できる点も魅力だ。昔ながらの医院として地域とともに歩み続ける田中院長に、診療への思いを聞いた。
(取材日2026年1月20日)
70年以上、地域の人々の健康を支え続ける医院
70年以上の歴史がおありだそうですね。

当院は1953年に、内科医の父と眼科医の母が開業した医院です。当時は眼科の開業医がかなり少なかったこともあり、母はとても忙しそうでしたね。父も往診をしながら地域に密着した形で診療を続けていました。私は1997年から、他の医療機関に勤務しながら週に数日当院の診療を手伝うようになり、両親と一緒に診療する時期を経て、2008年に院長職を引き継ぎました。開業から70年以上がたった今も、両親の時代から続けて通ってくださる患者さんがいらっしゃいます。長年この地域に暮らしている方も多く、長いお付き合いの中で患者さんの生活のことまで把握できているのは、昔ながらの医院ならではの強みだと感じています。
先生ご自身のこれまでの歩みについてお聞かせください。
1983年に東京慈恵会医科大学を卒業後、まずは眼科に入局しました。父が内科、母が眼科で開業していたので、最初は眼科で研鑽を積もうと考えたのです。葛飾医療センターの眼科で勤務した後、当院を継ぐことを見据えて内科へ再入局しました。循環器の医局で心臓の研究に携わりながら、臨床では消化器を担当するなど、総合内科の専門家として内科全般の診療に長く従事してきました。眼科と内科、両方の科で経験を積んだことで、内科的な疾患と眼科的な疾患を総合的に判断できるのは自分の強みになっていると思います。例えば、糖尿病の患者さんの場合、目の状態も含めて診ることができるため、合併症の進行を発見しやすくなります。両親から受け継いだ医院だからこそ、幅広い相談に対応できる体制を整えたいという思いがありました。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?

内科、眼科、小児科を診療しているので、お子さんからご高齢の方まで幅広い年代の患者さんがいらっしゃいます。比較的高齢の方が多いのですが、中にはお孫さんの代まで、ご家族3世代で通ってくださるケースもありますね。お子さんの予防接種や乳児健診で来院されたお母さんが、ご自身の体調についても相談されたり、ご高齢のご家族を連れてきたりと、ご家族皆さんでかかりつけにしていただけるのが当院の特徴です。そうした方々と長年にわたる信頼関係を築きながら、地域に根差した診療を続けてまいりました。
内科・眼科・小児科と歯科の連携で包括的なケアを提供
日々どのような診療を行っていますか。

内科では糖尿病をはじめとする生活習慣病など、一般内科全般の診療を行っています。眼科では白内障や緑内障の方が増えていますし、糖尿病性網膜症など内科に関連した疾患も診ています。小児科ではお子さんの風邪や予防接種、乳児健診などに対応しており、全体の約2割が小児科の患者さんですね。当院の強みは、1ヵ所で包括的な診療を提供できる点にあります。例えば、内科で糖尿病の治療を受けている場合、同時に眼科で網膜の状態も確認できる。また、一般的な小児科では対応の難しいお子さんの目の疾患について相談を受けることもあります。眼科検診で近視を指摘された場合の経過観察なども行っていますので、お子さんの目に関するお悩みがあれば気軽にご相談いただければと思います。
隣の歯科医院とも緊密に連携されているそうですね。
はい。隣の建物で弟が歯科医院を開業しているので、連携して診療を行うことがあります。例えば、内科にかかっている方から「ちょっと歯が悪いんだけど」と相談されるようなことがあれば、歯科に連絡して診てもらうことができます。高齢の方の場合、歯周病が悪化すると嚥下に問題が生じ、誤嚥性肺炎につながることもあるため、口腔内の状態を確認しながら内科的な治療を進められるのは大きなメリットです。逆に、もし抜歯を行う患者さんに全身疾患がある場合は糖尿病のコントロール状況を確認したり、脳梗塞の予防で抗凝固剤を服用している場合は出血リスクを考慮して休薬の相談を受けたりするようなこともできます。歯科で治療を受けた帰りに内科に寄ることもでき、1ヵ所で対応できることが患者さんの負担軽減につながっていると思います。
診療で大切にされていることを教えてください。

「来る者は拒まず」という姿勢で、どなたでも歓迎していますよ。診療ではなるべく患者さんの話をよく聞くようにしていて、気持ち良く帰っていただきたいという思いがあります。当院は平均年齢が75歳を超えるような患者さんが多いので、生活習慣病の治療でも、その方に合った目標値を考えて説明するようにしています。大学病院や基幹病院とは違い、地域の医院で診療を受けているわけですから、目標を高く設定しすぎず、現実的に進めることも大切だと考えているためです。できる範囲で少しでも良くすることをめざし、治療を継続していただくことが重要です。お薬の処方も、患者さんの希望に合わせています。例えば、1日3回の服薬が負担になる場合は、1日1回か2回で済むよう調整するなど、無理のない形を心がけています。
今後もこまやかな対応やアットホームな雰囲気を大切に
医院の雰囲気やスタッフさんについて伺えますか。

アットホームな雰囲気の医院だと思います。看護師が3人、受付スタッフが6人おり、皆さん勤務歴が長いベテランばかりです。私以外は全員女性で、子育て経験のある方も多いですね。私の家内も看護師の一人として働いてくれているので、スタッフへのこまやかな気配りや患者さんへの対応については、しっかりサポートしてもらっています。来院される患者さんはご高齢の方が多いので、最近はマイナンバーカードの利用など、慣れない手続きに戸惑われる方も少なくありません。そういった説明もスタッフがきちんと対応してくれていますよ。耳が遠かったり、お話が難しかったりする方にも、スタッフがそれぞれの状況をよくわかった上で丁寧に接してくれているので感謝しています。
これからの展望についてお聞かせください。
今の診療スタイルを変えずに継続していきたいと思っています。最近はオンライン診療や、深夜・土日にも診療する医院、在宅専門の医院が登場するなど、医療を取り巻く環境はずいぶん変わってきました。そうした中で、当院は昔ながらの医院という形態を続けています。発熱の患者さんも制限なく診ており、事前の連絡がなくても直接来ていただいて大丈夫です。これからも困ったときに来ていただける存在でありたいですね。私が最近感じるのは、90歳を超えても元気に通って来られる方が昔と比べて増えていること。90代の方でも自分の足で来院される方は少なくありません。そういった方々が継続して通えるよう、これからも変わらない姿勢で診療を続けていきたいと思います。
最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いします。

地域の皆さんと一緒に、健康に歳を重ねていきたいと思っています。私自身も健康管理を意識していて、休日は週に2回ほどゴルフに出かけるなど、リフレッシュも兼ねて積極的に体を動かすようにしています。この地域はご高齢の方に優しい、住みやすい場所だと思います。私も子どもの頃から住んでいたこの地域に愛着がありますので、これからも皆さんと一緒に歩んでいける医院でありたいと願っています。

