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吉田 正平 院長の独自取材記事

銀座吉田医院

(中央区/銀座駅)

最終更新日:2021/10/12

吉田正平院長 銀座吉田医院 main

時代をけん引する街、銀座。そんな銀座で、100年以上の間、さまざまな生命の誕生に関わり、人々の健康を守り続けてきたのが「銀座吉田医院」だ。曽祖母から祖母、祖母から父へと受け継がれた地域密着の医療と患者への思いを受け継いだ4代目の吉田正平院長。「おなかの赤ちゃんの成長具合を診る時間も、大切な母子のふれあいの時間であり、赤ちゃんの成長を実感してほしい」と話す姿に、産婦人科の医師らしい頼りがいと優しさが垣間見える。そんな吉田先生に、医院の歴史や産婦人科の医師になるまでの経緯、医院のモットーなど多岐にわたる話を聞いた。

(取材日2019年10月31日)

時代とともに移り変わる銀座で明治時代から続く医院

長い歴史のある医院だとお聞きしています。

吉田正平院長 銀座吉田医院1

「銀座吉田医院」は、1900年頃、私の曽祖母が東京の医学校を卒業し神田で開業しました。その後、銀座に移り、祖母の代になり、戦後、現在の場所に移転して以来、4代にわたって診療を続けています。父が2002年に他界した時は、医院をどうすべきかと考えました。当時、僕はまだ30代の後半で、東京大学医学部附属病院の産婦人科の医局からあちこちの病院に出向していました。産婦人科の医師である以上は、お産や手術に関わっていたいという気持ちはありましたが、父に「吉田医院を頼む」と言われていたこともあって、患者さんのため、日本の地域医療に貢献していきたいという思いが強くなりました。できる範囲は狭くなりますが、医院では自分の考えだけで診療を進め、設備や検査導入の決定も迅速にできます。何と言ってもじっくり患者さんと向き合うことができるという点において、引き継いで良かったと感じています。

産婦人科を専門にされたのはなぜですか?

僕の父も産婦人科の医師だったので、父の姿を見て医師という職業に憧れは持っていましたが、反面、産婦人科は時間が不規則で、大変そうだという印象もあり、自分は産婦人科には絶対ならないと思っていました。医学部に入学した当初は手術に興味があったことから外科を志望していましたが、臨床実習などを経て、手術とその前後を診るだけではなくもっと病気を全般的に診たいと思うようになりました。内科的治療も外科手術も両方できて、かつ、治って元気になっていただける科のほうがやりがいがあるのではないかなど、いろいろと悩みましたが、どうせなら父と同じ領域に飛び込み、自分なりにやっていこうと思ったことが産婦人科医師をめざすようになったきっかけですね。

先生の得意とされている分野を教えてください。

吉田正平院長 銀座吉田医院2

東京大学の医局にいる時からずっと臨床診療に携わってきました。大学病院では、手術や化学療法を駆使した治療、出向先の市中病院では、患者さんの生活背景やニーズを考慮した治療の選択など行ってきました。たくさんの病院で学んだ経験を生かして、患者さんそれぞれの考え方や体力、生活環境などを考え、幅広い治療の選択肢から適した治療を提示できることが私の強みだと思っています。医局時代は超音波検査での胎児発育評価が研究テーマで、東大病院では超音波検査専門の外来で、超音波胎児スクリーニング検査といって、妊娠20週の半ばから後半に赤ちゃんの形態的な異常がないかを調べる全身のスクリーニング検査をしていました。当院でも妊娠20週前後にはこのスクリーニング検査を行っています。

父母と子をつなぐ4D超音波の検診動画

こちらでは、4Dの超音波検査も行っているそうですね。

吉田正平院長 銀座吉田医院3

4D超音波検査では、3Dの状態がリアルタイムで動いて見えます。14週以降の妊婦検診で毎回実施していて、患者さんに「これからは、動画で撮ってUSBメモリでお渡ししますから次回も持ってきてくださいね」と言うと、喜んでくださることが多いですね。僕が新しい物好きということもあって(笑)、最近、機器をバージョンアップしたのですが、画像処理スピードが上がり、液晶のパネルも良くなったのではないかと思います。患者さんにそういうお土産があったほうがうれしいと思いますし、お家でご主人と一緒に見て、赤ちゃんが生きて動いていることを一緒に感じてもらうほうがいいですよね。母子間のボンディングも大事ですが、妊娠期間中にパパに感じてもらうのも良いなと昔から思っていたこともUSBメモリをお渡ししている理由の一つです。

患者さんの中心はどのような方ですか?

産婦人科がメインなので、やはり女性が多く、7割から8割は近隣に勤務されている方です。内科の診療も行っているので、数は少ないですが男性の患者さんもいらっしゃいます。当院では婦人科全部の領域を診ているので、例えばおりものが気になる、出血でおなかが痛いという方は極力男性の目がないほうが良いだろうと思い、男女の混合診療、女性専用の診療、それぞれの時間帯を設けています。後は昔から通われている「私はあなたのおばあちゃんに取り上げてもらったのよ」なんておっしゃる地元の方たちですね。年齢的には20代から40代の方を中心に、90代の患者さんもいらしており、幅広い年齢層に対応しています。

こちらではお薬の治験を行っているそうですね。

吉田正平院長 銀座吉田医院4

治験というのは、発売予定のお薬を実際に患者さんに使ってみていただいて、目論見どおりの効果が出るかどうか、あるいは想定していないような副作用が出ないかなどを調べるものです。これまでに内膜症治療のためのホルモン剤、骨粗しょう症や更年期障害のお薬、貧血に対する鉄剤の治験を行いました。常に2~3種類が同時進行している状態で、現在は膣カンジダ症のお薬の治験が進行中です。治験のお薬はあくまでも試験段階のものなので、患者さんにメリットとデメリットをきちんと説明し納得していただいた上で参加していただいてます。医師は薬や医療機器がなければ、実際に患者さんを治療していくことができないという面があります。新たなお薬や機器の開発には、できる範囲で協力していくべきだと思いますね。

医師の仕事は患者とのコミュニケーションがあってこそ

最近の患者さんの傾向を教えてください。

吉田正平院長 銀座吉田医院5

不妊治療の患者さんが以前よりもさらに増えています。現在、当院ではタイミング指導と人工授精までを行っていて、体外受精などの高度不妊治療が必要な場合は不妊治療専門の病院をご紹介しています。それでも、少しずつクチコミで増えているといった感じですね。個人個人でバリエーションがありますが、妊活してみたけれども妊娠に至らない、2人目がなかなかできないなど、プライマリーなご相談が中心です。まず、妊娠に結びつかない原因がどこにあるのかをチェックし、排卵障害がある場合やホルモンの分泌異常などの原因に応じてお薬を使い、排卵が起きる形をつくってからタイミング指導をしていきます。年齢的に自然妊娠が望めそうであれば、比較的長くタイミング指導を続け、年齢的に急いだほうが良い場合は早めにステップアップするなど診療の進行はさまざまですね。

先生が診療で大切にしていることは何ですか?

医師の仕事内容は、患者さんとのコミュニケーションを取れない状態ではできません。どう病気の情報をうまく引き出すかが、治療に跳ね返ってきますので、患者さんが遠慮なく思ったことを言える状態をつくっていかないと効果も上げられないですよね。特にこういう医院診療で、外来だけで診療していると、患者さんといかにコミュニケーションを取って、患者さんが困っていることをどう引き出すかが一番大事なところだと思います。産婦人科の男性医師というのは、男性ということで話しにくく感じられる方もいらっしゃると思いますので、少しでも話しやすい環境をつくるという想いで日々の診療にあたっています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

吉田正平院長 銀座吉田医院6

おかげさまで患者さんの数が増えており、予約が非常に取りづらく、お待たせする時間も増えています。患者さんのご負担を考えると悩ましい思いがあり、待合室も手狭なことからフロアの拡張を考えています。また、不妊治療のニーズがかなり多いので、将来的には不妊専門の先生に来ていただき、高度不妊治療までお付き合いできる形にしていきたいですね。嫌な思いをしない雰囲気や診療を行うことが私の理想ですが、一方でいくら雰囲気が良くて人当たりが良くても治療内容がいい加減では意味がありません。しっかりとした医療をリラックスできる場で提供できる医師でありたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

超音波胎児スクリーニング検査/1万2000円、人工授精/1万2000円
※人工授精は、検査で必要な費用は別にかかります。
医院へご確認ください。

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