伊藤 加寿子 院長の独自取材記事
いとうクリニック
(佐倉市/物井駅)
最終更新日:2026/07/22
物井駅より徒歩10分、閑静な住宅街にある「いとうクリニック」。院長の伊藤加寿子先生は、日本医科大学付属病院での勤務を経て、夫とともに渡米し、遺伝子研究に従事した経験を持つ。その後、1992年に同院を開院。子どもから高齢者まで幅広く対応し、小学校の学校医、老人ホームや障害者施設への訪問など、院内外で地域医療に広く貢献している。診療の際は、症状の原因が病気以外にあることも念頭に置き、患者の生活背景や同居家族からの情報収集を踏まえた診療を心がけているという。同院の診療の特徴や、地域医療への貢献について、伊藤院長に話を聞いた。
(取材日2026年6月29日)
子どもも大人も、誰もがスムーズに受診できるよう配慮
この地域の特性や患者層を教えてください。

東京都心に比べて静かで、子育てに適した環境であるためか、若いファミリー層が年々増えている印象を受けています。一方、どの地域もそうであるように、この周辺の団地なども高齢化が進み、ご夫婦もしくは単身でお住まいのご高齢の方も多いです。当院は小児科と内科を診療していますので、赤ちゃんから高齢者まで幅広い年代の方が来院します。英語での対応も可能ですし、日本語も英語も難しい外国の方に対しては、翻訳アプリを使ったり、近隣の高校生たちが通訳チームとしてサポートしてくれたりすることもあります。また、発熱のある方には一般の方とは違う動線をご用意していますので、入り口にある専用インターホンよりお声がけください。
幅広い年代、さまざまな背景を持つ方が通われているのですね。
そうですね。ワクチンに関しても、乳幼児の予防接種から、子宮頸がん、帯状疱疹、インフルエンザや新型コロナウイルス、RSウイルスなど、一通り対応しています。年齢などの条件によって補助金が設定されているものもありますので、そのあたりをぜひ活用して、ご自身に必要なワクチンをしっかりと受けてほしいと思います。
待ち時間軽減のために工夫していることはありますか?

2026年から、患者さんにもっと気軽にご来院いただけるようにウェブ予約システムを導入し、メッセージアプリからも簡単に予約できるようになりました。順番予約制で、患者さんにはご自身の順番が近づいた時にお知らせが届きます。アプリ上で登録していただければ、予約をする際に毎回ログインをする必要がありません。予約内容を確認したり、リマインド通知を受け取ったりすることも可能です。当院の患者さんは車でのご来院がほとんどですので、駐車場は計3ヵ所、10台以上のスペースを確保しています。また、医師が一人ひとりにかけられる時間には限りがありますから、事前に看護師に話を聞いてもらってから、診察室にご案内するようにしています。特に生活習慣病の患者さんの場合、看護師によるヒアリングは重要です。それでもお待たせしてしまうことはありますが、できるだけスムーズな診療ができるよう皆で工夫しています。
院内外で地域医療に広く貢献
先生は小児科を専門とされていたそうですね。来院するお子さんやご家族にはどのような印象をお持ちですか?

ご両親とも子育てに協力的なご家庭が多いですね。お父さんが保育園に迎えに行って、そのままこちらに連れて来られる様子も目にします。また、自分のことをきちんと話せるお子さんが多いのですが、赤ちゃんや小さなお子さんの場合、大人のように正しく症状を伝えることができません。ですからお子さんの様子をよく診ることと、付き添われている親御さんの要望を早めに探って、表情からも読み取れるよう心がけています。例えば薬の処方に関しても、親御さんによってご要望はさまざまです。その思いを理解した上で、必要な薬や治療についてはきちんとお伝えしています。
高齢者医療にも注力されていると伺いました。
開院当初から現在までの間に、この地域においても高齢化が進んでいることを実感しています。私は近隣の老人ホームや障害者施設の嘱託医をしているので、高齢者を診る機会は多いです。地域の認知症サポート医も務めており、当院でも認知症相談窓口を設置しています。近年、以前は元気にご自身で通院されていた患者さんでも、外出が困難になるケースが増えてきました。そうした方々のために、当院では訪問診療を行っています。私が定期的にご自宅へお伺いし、診察や健康状態の確認、必要な処置などを行い、ケアマネージャーや訪問看護チームの方と協力しながら通院が困難でもご自宅で安心して療養生活を送っていただけるよう努めています。つらい気持ちをお一人で、もしくはご家族だけで抱え込んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。訪問診療の現場では、ご本人だけでなくご家族に寄り添うことも大切だと考えています。我慢せず、お気軽にご相談ください。
外来診療以外でも地域医療に貢献されているのですね。

訪問診療もそうですし、特にご高齢の方が快適に暮らすための「地域包括ケア」においては、医療・介護・看護など専門職同士の連携が欠かせません。私も認知症サポート医として月に一度の会議に出席し、要介護認定をもらう手前の人たちも含めてどのようにケアしていくか、皆で意見を出し合っています。その他、小学校の学校医、近隣の企業で働く方々の健康管理と、広く地域医療に携われることにやりがいを感じています。
地域のクリニックだからできる「きめ細かな診療」を
診療時に心がけていることはありますか?

来院されたときの症状を診るだけではなく、普段からの様子の変化を知ることが大事だと思っています。例えば「おなかが痛い」といっても、本当に病気である場合と、別の原因がある場合が考えられるのです。普段の様子も考慮することは、地域のクリニックだからできることでしょう。きめ細かな診療を提供できるのが、当院の良さの一つだと思っています。
先生が医師になろうと思ったきっかけを教えてください。
小さい頃に野口英世の伝記を読んで、子ども心に印象として残っていたんですね。それから、受験の時に放送されていた、大規模病院の医師たちの人間模様を描いたドラマを観て、憧れて医師になりました。もともと内科系に進みたいという気持ちがあって、迅速な判断や治療が求められる小児科を選んだんです。大学病院時代は白血病の診療に携わることが多く、お子さんが病気になると結束するご家族もいれば、バラバラになってしまう家族もいる。それぞれのご事情や生きざまを見ている部分もありました。
休日はどのようにお過ごしですか?

週2回フラダンスをやっています。ここにいるスタッフの半分はフラダンス仲間で、毎年の発表会や地域の大会にも参加しているんですよ。もともと体を動かすことが大好きで、最近では毎週のようにゴルフやテニスを楽しんでいます。マラソンも好きで10km走ることもありますね。走っている時は何も考えなくていい時間ですから、気持ちをリセットできるんです。地域のマラソン大会に出たりしていますよ。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
新たな知識や情報にも積極的に目を向けて、それを診療の場でも生かしていきたいです。数年前に学んだ漢方はとても奥深く、日々の診療でも取り入れていますよ。今はAIについて勉強しながら、それを活用して新たな医療情報を身につけている途中です。現状に満足せずバージョンアップを重ね、地域医療のために力を尽くしたいと思います。患者さんにとって「気軽に相談できるクリニック」をめざしていますので、ご自身のことでもご家族のことでも、少しでも心配事があれば、私やスタッフに何でもお話しくださいね。

