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安西 由紀子 院長の独自取材記事

安西クリニック

(船橋市/東船橋駅)

最終更新日:2026/07/06

安西由紀子院長 安西クリニック main

東船橋駅から徒歩2分の場所にある「安西クリニック」は、開業から40年にわたり地域医療を支えてきた内科クリニックだ。安西由紀子院長が大切にしているのは、身近な町医者として患者の変化に早く気づき、必要な医療へつなぐこと。一般内科や生活習慣病の診療に加え、腹部、心臓、頸動脈、乳腺、甲状腺、下肢血管などの超音波検査を活用し、病気の早期発見にも力を注ぐ。診療では足元の状態まで丁寧に確認し、患者が笑顔で帰れるような温かな対話も欠かさない。40年の歩みを「医師人生の集大成」と語る安西院長に、地域医療への思い、検査に込める考え、患者と向き合う姿勢について聞いた。

(取材日2026年5月18日)

40年の経験を生かした、早期発見へつなぐ診療

この地で長らく地域の健康を見守ってこられました。

安西由紀子院長 安西クリニック1

この地で開業して40年ほどになります。長く診療を続ける中で、がんが進行してから見つかり、治癒が難しい状態で治療を受ける患者さんにも向き合ってきました。卵巣がんや膵臓がんのように、見つかった時にはすでに進行している病気を診るたびに「もっと早く見つけるにはどうしたらいいのか」と考えます。大きな病院に比べ、地域のクリニックは気軽に受診できる場所。開業した頃から「地域の町医者でありたい」と思っています。だからこそ、第一線にいる私たちが早い段階で異変に気づき、必要があれば専門の医師へつなぐことが大切だと思っています。

どのような診療に対応されていますか?

当院では、一般内科を中心に、高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、胸や背中、腹部の痛み、足の冷えやむくみ、体調不良など、幅広い相談に対応しています。定期的に通院される方も多く、以前は会社近くの医療機関に通っていたものの、退職後に遠くまで通うことが負担になり、近くで受診したいと来られる方もいます。長く診ていると、その方の普段の状態を知ることができ、少しの変化にも気づきやすくなります。生活習慣病は脳梗塞や心筋梗塞などにつながりますし、糖尿病では血管の合併症にも注意が必要です。血圧や血液検査の数値だけでなく、症状や生活、年齢、足の状態まで含めて診ることを大切にしています。

特に超音波検査を大切にしていると伺いました。

安西由紀子院長 安西クリニック2

当院では心電図や胸部エックス線検査も行いますが、特に重視しているのは超音波検査です。腹部超音波検査では肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓などを確認し、必要に応じて乳腺、心臓、頸動脈、甲状腺、下肢の動脈や静脈なども見ています。心臓に雑音がある方には心臓超音波検査を、脂質異常症などで動脈硬化が心配な方には頸動脈超音波検査を、足の冷えやむくみがある方は下肢血管の超音波検査を行うこともあります。小さなクリニックにはCTもMRIもありません。その中で、超音波検査をはじめとする身近な検査によって、早い段階で異変に気づくことを大切にしています。異常が疑われる場合には専門の医療機関へ速やかに紹介し、地域のクリニックとして、早く見つけ、早く専門の先生につなぐ第一段階の役割を果たしたいと考えています。

超音波検査を活用し、女性の健康も支える

症状がない段階で検査を受ける意義を、どのように考えていますか。

安西由紀子院長 安西クリニック3

血液検査だけでは早期の病気を見つけにくいし、手で触っただけではわかりにくいです。症状が出てからではなく、症状がない時に体の状態を確認することが大切です。超音波検査は放射線被ばくがなく、体への負担が非常に少ない検査です。検査時のゼリーも今は温められるので、以前のようなヒヤッとする不快感も少なくなっています。患者さんにとって受けやすい検査で、気になる症状があるときだけでなく、日頃の健康管理の中で活用しやすいです。

女性の病気の早期発見について、どのように考えていますか。

女性の場合、特に卵巣がんのように自覚症状が出にくい病気には注意が必要です。見つかった時には進行していることが少なくなく、30代後半から40代の方にも起こり得ます。子育てや仕事で忙しい世代ほど自分の体を後回しにしがちですが、そういう時期にこそ定期的に体の状態を確認してほしいです。婦人科の受診に抵抗がある方でも、内科で腹部超音波検査を行うことで、卵巣の大きさや腹水の有無などを確認できます。子宮がん検診などと併せて、体の中を見る機会を持つことが早期発見につながります。もちろん、すべての病気を内科の超音波検査だけで見つけられるわけではありません。ただ、長く診ている患者さんであれば普段の状態がわかるため、体調や検査の変化を拾いやすくなります。症状がない時の検査が、専門医療につなぐ入り口になることもあるのです。

診療方針として大切にしていることを教えてください。

安西由紀子院長 安西クリニック4

病気だけでなく、その人全体を診ることです。私は診察の時、必要があれば靴下を脱いでもらい、足の指や爪、指と指の間まで確認するようにしています。高齢の方や生活習慣病のある方は、足のトラブルが多いです。水虫があったり、爪が厚くなっていたり、巻き爪になっていたり、自分では足の爪を切ることが難しくなっていたりする方も少なくありません。足元の状態は、生活の質にも関わりますし、糖尿病の方では特に見逃せない部分です。清潔な状態を保つ方法をお教えする時「人は足元を見ますからね」と冗談を言いながら指導しています。高血圧症なら脳梗塞や心筋梗塞の予防を考えますし、糖尿病なら血管や足の状態も気にします。

「ずっとこの地で」笑顔で帰れる診療を続けていく

スタッフさんや爪切りの外来について教えてください

安西由紀子院長 安西クリニック5

当院は頼りになるスタッフばかり。当院の看護師は、通常業務だけでなく、爪切りや足のケアについても専門的に学んでいます。先ほど申し上げたとおり、高齢になると足の爪にトラブルがある方も少なくありません。そうした方に対して、これ以上巻き爪などが悪化しないような切り方を考えながら、丁寧に対応してくれています。私も足元まで見ることを大切にしています。ご自分で手が届かない、爪が切れない、爪が厚くて切れない、うおのめ、たこが痛い、爪の変形などで悩まれている方の治療を看護師が担当してくれています。

患者さんと接する際に意識していることはありますか。

「来て良かった」と思ってもらうこと、そして笑顔で帰ってもらうことです。患者さんは、体調が悪かったり、不安を抱えていたりして来院されます。もちろん病状の説明はきちんと行いますが、診察の最後には少しでも明るい気持ちになって帰っていただきたいと思っています。そのために、会話の中に少し笑いを交えながら、緊張がほぐれる雰囲気をつくることも大切にしています。患者さんが笑ってくださると、私自身も元気をもらいます。長く診療を続けていると、患者さんから教えていただくことも多く、さまざまな人生にふれさせていただいていると感じます。病気だけを診るのではなく、その人の暮らしや人生にも少し寄り添う。そうした関わりを大切にしながら、お互いに温かい気持ちになれる診療を続けていきたいです。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

安西由紀子院長 安西クリニック6

医師人生の集大成として、これまで培ってきた経験を地域の患者さんに還元していきたいですし、体が続く限りこの地で診療を続けていきたいと思っています。高齢の方や人生の終盤を迎える方々を見ていると、最期まで幸せに過ごすことの難しさを感じます。若いうちから老後や退職後の生活、動けなくなった時の備えを考えておくことも大切です。健康についても、症状が出てからでは遅い病気があります。地域の身近なクリニックとして、これからも日々の相談を通じて、患者さんが少しでも安心して暮らせるよう寄り添っていきたいです。