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上野 真弓 院長の独自取材記事

小栗原クリニック

(船橋市/下総中山駅)

最終更新日:2023/10/20

上野真弓院長 小栗原クリニック main

下総中山駅から徒歩4分の住宅街にある「小栗原クリニック」。この地域で生まれ育った上野真弓院長は、1995年の開院以来、約28年にわたって診療を続けてきた。同院の特徴は、地域に根差した親しみやすいクリニックでありながらも、消化器内科を中心とする専門性の高い検査・治療が受けられること。この診療科の女性医師は珍しいこともあり、「特に女性の患者さんですと、遠方から来てくださる方も少なくないんです」と上野院長は話す。忙しい毎日であることは想像に難くないが、「皆さんに頼っていただくことがとてもうれしい」とほほ笑む。近隣の保育園や小中学校の校医も務める地域思いの先生に、同院で受けられる診療について詳しく聞いた。

(取材日2023年7月3日)

高い診断力と迅速で密な病診連携が強み

先生はなぜ医師を志したのですか?

上野真弓院長 小栗原クリニック1

幼い頃から科学に関する本や実験が好きでした。また、自宅にあった「シュバイツァー」「野口英世」「北里柴三郎」など、医療に携わった人物の伝記を多く読んでいたことから、漠然と医師の道を志すようになりました。明確なきっかけとなったのは、柔道の選手ながら結核や椎間板ヘルニアを患って長い入院生活を送った父の姿を見ていたことですね。父をなんとか助けたい、力になりたいと思っていた幼い日の気持ちが、「病気で悩み、苦しむ人に寄り添い、役に立ちたい」という現在の医師としての信念につながっていると思います。慶応義塾大学を卒業後は、母校の大学病院で3年間、東京歯科大学市川総合病院で10年間勤めました。開業をしたのは1995年のことです。

開業を決めた理由を教えてください。

私は勤務医時代に2度の出産を経験しています。1990年代はちょうどC型肝炎のウイルスが発見され、治療が本格的に始まった頃。勤務医ですから当直もありますし忙しく、両親や夫に支えられながら診療と育児をこなしていました。子どもの寝顔しか見られない毎日だったのです。日々大きくなっていく息子を見ていて、あっという間に過ぎてしまうこの時期をこのまま終わらせていいのかな、という思いが頭をよぎりました。これが開業という道を選んだ大きな理由です。開業後も忙しいことには変わりはありませんでしたが、朝の支度を手伝ったり、幼稚園まで送っていったりと、接する時間は確実に増えました。仕事の合間に幼稚園のお迎えができる日もあり、成長を間近に感じられてうれしかったです。

クリニックの特色を教えてください。

上野真弓院長 小栗原クリニック2

当院の強みは、適切な診断力と強力で迅速な病診連携です。私と、虎の門病院消化器外科で特任部長を務める夫は日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医であり、内視鏡検査の際は2人でダブルチェックをして当日に診断をつけています。豊富な検査経験を生かし、なるべく患者さんの体に負担の少ない、短時間での検査をめざしているのが特徴です。異常を発見した場合には、症状に応じて速やかに適切な病院をご紹介します。がんなどの診断が出てから、その先の治療がなかなか決まらなかったら、患者さんはとても不安になります。だからこそ、基本的に1週間以内に手続きし、最短で2週間以内に手術が受けられるようにしています。当院では虎の門病院のほか、私の出身の慶應義塾大学病院、兼任講師を務めている東京歯科大学市川総合病院に加え、近隣の船橋市立医療センター、船橋中央病院、順天堂大学医学部附属浦安病院や、がん研有明病院などにご紹介できます。

女性医師ならではの需要と、年齢を重ねて得た信頼

先生は消化器内科がご専門ですが、よく診る症状や気をつけるべき病気について教えてください。

上野真弓院長 小栗原クリニック3

腹痛、下痢、便秘を訴える患者さんがやはり多いです。食の西洋化に伴い、逆流性食道炎や潰瘍性大腸炎の患者さんも増加傾向にあります。食事の面では和食回帰の必要性を感じています。また、最近胃がんの患者さんはかなり減りましたが、大腸がんは増えています。日頃から便通や、便の状態に異常はないかチェックする習慣を身につけてほしいです。昔は若い人に多かった潰瘍性大腸炎が、最近では年配の方にも見られるようになりました。腸の炎症が続くと重篤な病気にも発展しかねませんから、症状が気になったらすぐに受診してください。その他、女性の患者さんでは胃痛に悩む方も多く来られます。原因は大半がストレスです。女性医師に診てもらうことを希望して、インターネットで調べて遠方からお越しになられる方もいらっしゃいます。

女性医師だからこその需要があるのですね。

そうなんです。消化器内科では、肛門に器具を入れたり、下腹部に触れて診察することもあるので、私が女性だからこそ、患者さんには受け入れやすいのでしょう。特に検査を希望される方は、女性の比率が高いです。私は船橋市医師会に所属していますが、医師会でも出身大学でも消化器内科の女性医師はかなり少ないので、頼って来てくださる患者さんが多いのだと思います。以前は”女性医師”ということが不利になったり、敬遠する患者さんもいらっしゃいましたが、今では”女性医師”だからこそ求められることもあるのだと自負しており、皆さんからの信頼を実感しています。

その他、対応されている診療について教えてください。

上野真弓院長 小栗原クリニック4

高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の治療にも対応します。内科医師として専門性の高い治療を行うと同時に、”管理栄養士”による特定保健指導も行っているのが当院の特徴です。他には慢性腎臓病、筋肉量が減少していくサルコペニア、心不全などの慢性疾患にも対応しています。また当院は”睡眠時無呼吸症候群”の検査に力を入れており、自宅で行う機器もご用意していますから、ぜひご相談いただければと思います。さらに、介護保険制度が導入された2000年からは、”介護審査員”としてのアドバイスも行うようになり、最近は”認知症サポート医”として家族会への講演活動などにも取り組んでいます。近隣の医療機関と連携してMRIなどの画像検査も行っていますから、認知症の診断も可能です。現在、訪問診療は行っていませんが、将来的にはご自宅での看取りを希望する人に応えられるようにしていければと考えています。

下総中山の地域医療に貢献し続ける

感染症の流行で、これまで病院の受診を控えていた人も多いようです。

上野真弓院長 小栗原クリニック5

生活習慣病などの慢性疾患は特に、定期的な症状のチェックが欠かせませんから、患者さんにはいかなる時も安心して通院していただけるように、感染症対策には特に注力しています。当院では発熱のある方専用の外来を設けていて、一般の患者さんと一緒にならないように、別棟や車の中での検査・診察体制をつくっています。もちろん院内で使用する医療機器や器具、スリッパなどは滅菌・消毒を徹底しているのでご安心ください。感染症を怖がって慢性疾患が悪化することのないよう、月に一度は診察にいらしていただきたいです。

ところで、下総中山は先生の地元だそうですね。

私が生まれ育ったのはクリニックから歩いて数分の場所です。息子たちはクリニックの目の前の小学校を卒業していますし、私は校医をしています。昔も今も大好きな街で、下総中山駅に降りると「帰ってきた」という気分になりますね。下総中山は、船橋市と市川市の市境です。開業時は、東京歯科大学市川総合病院からの患者さんが多かったこともあり、患者さんは市川市の方が大半でした。そこから28年たって、今では船橋市の患者さんが増えています。船橋市にお住まいの患者さんの場合、行政が行う健康診断にも対応可能です。生まれ育ち、医師としてのキャリアを積んできたこの街。これからも地域の皆さんのお役に立てるよう、地域医療に貢献し続けたいと思っています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

上野真弓院長 小栗原クリニック6

不安や悩みがあれば頼ってください。どんなに些細なことでも、頼られるというのはやはりうれしいものです。開業から28年、クリニックも私も患者さんと一緒に年月を重ねてきました。最初は子どもの友達からスタートして、そのご家族が来てくださるようになり、そこからまたご紹介をいただいて……今では毎日、とても多くの方にご来院いただけるようになりました。私が思うに、病気を治すのは患者さんご本人で、医療従事者はそのサポート役です。当院を頼って来てくださる患者さんの健康寿命を延ばすために、これからも精一杯お手伝いしていきたいと考えています。

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