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大高 究 院長の独自取材記事

大高医院

(市川市/市川真間駅)

最終更新日:2023/06/08

大高究院長 大高医院 main

市川市の閑静な住宅街の中にある「大高医院」は、1945年開院で3代続く産婦人科医院だ。2世代、3世代とかかりつけにしている患者も多く、地域になくてはならない存在である。分娩は自然分娩をめざし、温かなコミュニケーションを大切にしながらゆったりとした気分で出産に臨めるよう配慮。院内は清潔感とアットホームな雰囲気が融合した心地良い空間になっており、気配り上手なスタッフが丁寧に対応する。妊婦健診、分娩をはじめ、幅広い婦人科疾患の診療やピル処方、がん検診など女性の健康に関する相談には何でも応じる大高究院長に、さまざまな話を聞いた。

(取材日2023年5月10日)

院長も患者も2代3代と続く地元の産婦人科医院

1945年のご開業で3代目の院長でいらっしゃいます。

大高究院長 大高医院1

祖父が開業し、父、私と受け継いできました。少子化でお産の件数自体は減少傾向ですが、現在の日本では大きな病院よりも当院のような小規模なクリニックでのお産が過半数を占めています。身近な自分の住んでいる町でのお産は、検診にも通いやすいですし何か相談したいことがあったらすぐに来院できますから、妊婦さんにとっても良いことだと思っています。私はやはりお産が好きです。産声を聞くことができたときは本当にうれしいものです。この地で長く診療していますから、院長が私で3代目ですが、患者さんも2代、3代とご家族で継続して通院してくださっています。それもありがたくうれしいことです。

診察の際に大切にされていることは何ですか?

患者さんとのコミュニケーションは何よりも大切にしています。大学病院に勤務していた時はなかなか余裕がなく、患者さんときちんと向き合うことが難しかったので。女性は妊娠・出産や更年期など、大きな体の変化を経験しますが、そんな時は精神的につらくなり悩みも多いもの。当院には助産師をはじめ多くのスタッフがいますが、スタッフのみんなもよく患者さんのことを見てくれていて、私も任せていて安心です。この規模のクリニックだからこそ、きめ細かな温かな対応ができると思っています。また、お産の後は基本的に母子同室。授乳をはじめとするお世話の仕方や、ちょっとした悩み相談など、患者さんに合わせて丁寧に対応しています。

産婦人科の医師として意識していることはありますか?

大高究院長 大高医院2

当院では自然分娩を基本に、コミュニケーションを大切にしながら対応していますが、やはりお産にはリスクがつきもの。そのリスクを見極めて、私たちで対応できるのか、もっと専門的な対応が取れる病院を紹介するべきかの判断をしています。慎重かつ適切な判断を心がけていますが、いくら慎重に検討し判断しても、急変することもあります。それが一番難しいところではありますが、いざというときに搬送できるよう近隣の大規模病院との連携体制も確保しています。

婦人科の多彩な相談・検診も

婦人科のご相談はどんなものが多いのですか?

大高究院長 大高医院3

本当にさまざまですが、比較的若い方の月経困難症に関するご相談は多いですね。低用量ピルを希望される方も多いですよ。かつて生理痛は「我慢するもの」とされることもありましたが、中には生理痛がひどくて学校に行けない方もおられますし、勉強も部活もままならないという方は多いんです。生理の期間やその前後を考えると、少々大げさに言うと月の半分は不調に悩まされる。となると人生の半分を苦しみとともに過ごすことになります。そんなのもったいないでしょう。中には若い頃から長期間にわたって薬を飲むことや生理のコントロールを図ることに対して懸念を抱かれる方もいらっしゃいますが、必要な時期になってピルの服用を中止すれば排卵が再開され、妊娠も望めます。ご安心いただきたいと思います。

更年期のご相談も多いでしょうか?

更年期障害は症状の幅が広く決定的といえる解決法がありませんから、患者さんに合った方法を丁寧に見つけていく必要があります。当院の場合、基本的には漢方薬の処方からスタートします。これがまた難しく、患者さんの症状や体質により合う薬が違いますので、私のこれまでの経験などをもとに組み合わせてまずは服用いただいて、症状が改善されるかどうか様子を見ます。漢方薬での改善が見込めなければ、ホルモン補充療法を行います。患者さん一人ひとりに適した治療法を見つけられるよう努めています。

子宮鏡検査も特色の一つですね。

大高究院長 大高医院4

子宮鏡は胃カメラや大腸カメラといった内視鏡の一種です。例えば不正出血があった場合、子宮内に筋腫やポリープといった異常がないかどうかを調べるときに、診断精度をより上げるため、経腟超音波と一緒に子宮鏡検査を行います。また当院では積極的な不妊治療は行っていませんが、大学病院時代の同期の先生方で不妊治療のクリニックを開院された方がいて、子宮内膜などの精査を頼まれることもあります。また逆に高度な生殖医療を希望されている患者さんに、同期の先生をご紹介することもあります。そういった交流は知識のブラッシュアップにもなりますし積極的に行っています。コロナ禍以前は大学病院でも定期的に診療を担当していたのですが、コロナ禍でストップ。でもまた大学病院に行くようになったら後輩の先生方から先進の医学情報を得たいと思っています。

子宮がん検診や産後ケア事業などにも取り組まれています。

日本は検診の受診率が低いので、何とか上げることはできないだろうかと思っています。特に子宮頸がんはワクチンと定期検診で予防が期待できる病気で、早期発見・治療で根治がめざせますから、特に若い方は子宮頸がんワクチンを接種していただきたいですね。また市川市産後ケア事業にも参加しています。宿泊型や日帰り型などがあって、乳房ケアや授乳指導、育児相談など希望に合わせた産後ケアを実施することで、育児不安や負担を軽減できるようサポートするもの。お産での入院は期間も短く、十分に産後の生活について知識を得ないまま退院し、自宅に戻っても子どもと2人きりで誰も頼れないという方は多いのではないかと思います。相談する人も話し相手もいないワンオペ育児は産後うつの原因ともなります。行政が窓口ですのでご活用ください。

婦人科のかかりつけ医を見つけて、より良い人生を

母親学級やマタニティーヨガの時間もありますね。

大高究院長 大高医院5

コロナ禍でここ数年、母親学級の赤ちゃん編以外は自粛していましたが、状況を見ながら再開したいと考えています。母親学級は特に妊婦さんにもパートナーの方にもメリットが多いので早く再開させたいですね。また、マタニティーヨガは私も一緒に参加させていただいたことがあるのですが、リラックスできてお勧めです。ただマタニティーヨガに特化したインストラクターのもとで行う必要があります。当院でお願いしているインストラクターの方は、専門の知識を持った経験豊かな方ですから安心して取り組んでいただけると思います。妊婦さんは、運動をある程度したほうが良いとわかっているものの、どんな運動をどのくらいすれば良いのかわからないことも多いでしょう。再開を楽しみにお待ちください。

どうして医師に、それも産婦人科の医師になられたのですか?

祖父が開院し父が後を継いだ環境の中で生まれ育ちましたので、自然とこの道へ進みました。産婦人科の医師になろうと思ったのは家庭環境もありますが、私が医師免許を取得した頃は不妊症治療や内視鏡手術の黎明期。母校でも早い時期から取り組んでいましたので、そんな先端の技術を習得したいと思ったのもきっかけの一つです。また産婦人科は思春期、成熟期、妊娠・出産、更年期、と女性の長い人生を伴走できる診療科です。ぜひ患者さんには、産婦人科のかかりつけ医を持っていただいて継続的に診てもらうことをお勧めします。継続して診ていると、患者さんの体質やお考えなどが理解できますし、よりその方に合った治療も提供できると思うのです。私自身もそんな継続的なお付き合いができればうれしいです。

読者へのメッセージをお願いします。

大高究院長 大高医院6

近年、特にインターネットの情報をうのみにして不安を募らせている患者さんをお見かけします。インターネットの情報は正しいものもあれば、そうではないものもたくさんあります。ぜひ私たち専門家の意見を、お考えの中心においていただきたいです。私たちは医学的な知識も経験も積んだ上でお話ししていますので、まずは耳を傾けていただけたらと思います。また当院では、私の後輩で信頼している女性医師の診療日もあります。ご希望の場合はぜひ診察日にお越しください。

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