検査を充実させて正しい診断を重視
薬の処方も適切に
玄耳鼻咽喉科院
(千葉市美浜区/稲毛海岸駅)
最終更新日:2023/04/13
- 保険診療
耳鼻咽喉科と頭頸部外科の症状に幅広く対応する「玄耳鼻咽喉科院」では、原因の追究と正しい診断につなげるため、検査の充実に力を入れている。杉田玄院長によると、同じ症状でも原因によって選ぶ薬や治療法が変わるという。抗生物質の使用にも気を配り、原因菌を特定して適切な薬剤を選びながら、不必要な処方は行わない。院内にはCTやエコー、めまい検査機器などを備えており、CTは放射線技師のいる火曜と土曜に、曜日の決まっていない検査は当日に受けることも可能だ。さらに詳しい検査が必要な場合は、順天堂大学医学部附属浦安病院など他院と連携して進めている。今回は杉田院長に、同院の検査内容やその理由について話を聞いた。
(取材日2023年3月13日)
目次
検査に力を入れ、症状の原因を見極めて正しい診断と治療につなげる。菌の種類を確認し薬の処方も適切に
- Qこちらでは検査に注力し、機器が充実していると伺いました。
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A
当院では原因の追究と正しい診断に重きを置き、そのための設備の充実に力を入れています。血液など基本的な検査の他、院内には鼻と耳が見られる低侵襲のCT、頸部甲状腺・リンパ節・頸部血管が手軽に計測できるエコー、視覚での平衡感覚や三半規管の働きを確認するめまい検査機器などを完備。CTは放射線技師のいる火曜と土曜に、曜日の決まっていない検査は空きさえあれば当日に検査可能です。電気刺激を使った嗅覚検査も当日に受けられ、すべての検査結果は迅速にお伝えできるよう体制を整えています。
- Q検査をしっかり行って正しい診断につなげているのですね。
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A
そのとおりです。同じ症状でも原因によって選ぶ薬や治療法が変わりますので、診断を誤ってはいけません。例えば上咽頭炎の原因は、感染症の影響、口呼吸から起こる乾燥、逆流性食道炎による胃酸の刺激など多岐にわたります。さらに口呼吸の大元を調べると、鼻詰まりによるもの、ほこりやダニのアレルギー、喉の筋肉の衰えなど、原因はいくつも考えられるのです。問診や表面的な症状からの予測ではなく、精密な検査をもとに適切な薬や治療内容を考える必要があります。
- Q抗生物質の適切な選択にも注意を払っているのだとか。
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A
炎症は細菌により引き起こされることが多いです。鼻をうまくかめないお子さんですと、鼻に入った細菌から副鼻腔炎や中耳炎を発症しまうこともあります。その場合には抗生物質の投与を行いますが、一方で菌への耐性がついてしまうという懸念があるんです。当院では鼻水を直接採ってどの菌が原因なのかを顕微鏡で見分け、適切な薬を処方するようにしています。肺炎球菌やインフルエンザ菌など耳鼻科で注意すべき菌は何種類もありますが、その場で採ってすぐ診られる検査機器を使いますから、空気が苦手な菌も見落としません。
- Qめまいの検査についても教えてください。
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A
めまいの原因を大きく分けると、メニエール病や前庭神経炎などの耳が原因のめまいと、脳血管障害など脳が原因のめまいがあります。まずは目の動きから、その問題が脳内・中枢神経・三半規管のどこから生じているかを診ます。次に検査機器を使い、視覚での平衡感覚や三半規管の働きを診ます。めまいはご本人にとってとてもつらいもの。吐き気を伴うこともあり、脳血管の重篤な病気を疑って不安になる患者さんも多いです。不安感が内耳の血流に影響すると、症状はさらに悪化してしまいます。検査をして命に関わる病気でないことがわかれば、安心ですよね。