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梶田 匡史 院長の独自取材記事

梶田医院

(千葉市若葉区/みつわ台駅)

最終更新日:2019/08/28

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福住曜子前院長の代から、地域に根付いて診療を行う「梶田医院」。診療室から聞こえる梶田匡史院長のはつらつとした元気な声が院内を明るく彩っている。梶田先生は以前、自衛官として派遣医療活動にも従事。また、近年は同院での診療に留まらず若手医師の育成にも力を入れるなど、医師として高い使命感を持つドクターだ。勤務開始から2年、梶田院長は町で声をかけられることも多いという。すっかり地域になじみ、新たに生まれ変わった同院は患者の拠り所としてますます頼りにされているようだ。そんな梶田院長に、同院に至るまでの経緯、また数少ない有床診療所として地域医療に従事する同院について話を聞いた。
(取材日2017年6月9日)

地域医療の実践と温かみのある診療に惹かれ転院

医師をめざしたきっかけは何でしたか?

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小学校2年生の時に父から本居宣長の偉人伝をプレゼントされました。医師だけではなく国学者としても名を馳せた彼の活躍を知り、私も病院の外でも社会に貢献できる医師になりたいと思うようになりました。そこで、災害派遣という場を通じ、自分の力を発揮する機会のある防衛医科大学校への進学を決めたんです。体を動かすことも好きだったので、大学入学後も小さい頃から続けていた剣道を続けていました。防衛医大は総合診療医の育成を方針として掲げており、それは現在の診療にも大きく生かされています。私は当初別の診療科に関心があったのですが、救急に携わる中で、外科的スキルの必要性を感じたのです。そこで懇意にしている先輩が形成外科にいらしたので、その方の背中を追い、経験を積みました。そこでは形成外科のみならず、整形外科も学んだほか、外傷外科といって怪我の治療を主体とした手術を多く手がけました。

実際に派遣医療活動も行ったのですか?

派遣では、インドネシアや南スーダンへ行く機会がありました。普通では体験できないような一生の宝物となる思い出がたくさんできましたね。国内だと、中でも東日本大震災の派遣で行った福島での活動を今も鮮明に覚えています。安否とご遺体の確認も任務の一つとしてあったのですが、ある時、瓦礫を撤去すると、赤ちゃんを守るように覆いかぶさったお母さんのご遺体が発見されました。改めて命の尊さや生きることの感動を覚えた、私の人生観に大きな影響を及ぼした経験でした。

その後、こちらへ転院されたいきさつを教えてください。

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以前は大学病院に勤務していました。最後に勤めた関連病院である三宿病院では、私が形成外科を立ち上げたのもあり、現在も週に一度診療を行っています。そして、開業を考えていたところ、前院長の福住先生と出会う機会がありました。福住先生は患者さまを大事にし、地域医療を実践されており、その温かみのある診療は私にあった医療だと思い、こちらでの勤務を決意させていただきました。地域の方々の拠り所として存在しているこのクリニックの温かさをそのまま維持してほしい、という思いを受け継ぎ、副院長として2年勤務した後、今年4月に院長に就任いたしました。私がこちらで診療するようになって変わった点といえば、元からある手術室を再稼働し、手術もこちらで行うようになったことです。その他の医療設備も一新し、また医院のホームページ開設やそちらでの梶田通信という医療コラムを使った情報発信等、より安全で確実な医療をめざし診療しています。

患者の状態を総合的に管理しアフターケアまでフォロー

こちらのクリニックの特徴は何ですか?

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病院にも一般のクリニックにもない良さが、有床診療所である当院にはあると思っています。それは懐の深さです。まず、機動性と柔軟性の高さが有床診療所のメリットとして挙げられます。当院のように入院設備、手術室、救急治療室、リハビリ室等を兼ね備えたクリニックであれば、患者さまに柔軟に対応でき、対応力の幅を広げることができます。一人の医師が総合診療医として患者さまの状態を総合して管理することで、診療科をまたいだ通院を省き、お薬の重複といった心配もありません。また、特に手術といった患者さまにとって負担の大きな治療も、自分のよく知るクリニックで、気心の知れたかかりつけ医より行われるのは安心です。今後、非常勤の医師を増やし、診療の幅を更に広げていく予定です。かかりつけ医の懐が大きければ、患者さまにも喜んでいただけると考えています。

幅広く診療が行われていますが、要望の多い診療はありますか?

腰などの慢性疼痛でお悩みの患者さまのご要望に応え、ペインクリニックの外来を始めました。ブロック注射や内服薬を用いて、メスを入れることなく痛みのコントロールを行っています。それから当院ならではの診療で、患者さまからのニーズの高いものとして、傷の専門治療があります。例えば頭部打撲といった脳神経外科の患者さまについては、専門の福住先生と連携を取りながら診療を行い、美しい傷痕をめざしてきれいにして差し上げ、患者さまをお返ししています。また救急患者の受け入れを行っており、市を越えて千葉県中から患者さまがいらっしゃいますね。入口は救急、お帰りは外来でも、同じ医師が治療からアフターケアまで一貫してこちらで行えるのも当院の特徴です。

また、入院治療も行っているのも特徴ですね。

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外来でかかられている患者さまの入院が多いので、なじみのある医師、スタッフによるケアにご安心いただいていますし、密になって入院治療を受けられるのを喜んでいただいています。また当院は入院食が自慢で、スタッフも患者さまと同じものをいただいています。2週間以上入院されている患者さまの退院が決まった際には、病態の許す限りですが、前日の夜に手作りのお赤飯をお出ししています。食事がおいしくて、退院したくないとおっしゃる患者さまもいらっしゃいますね(笑)。

めざすは信頼の獲得、医師の育成、有床診療所の普及

診療する上で心がけていることは何ですか?

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大きな声ではっきりとお話をし、診療にあたる私がまず元気でいることです。そして、時間を割いて丁寧にご説明することを心がけています。実際、患者さまにあれもこれも伝えたい、という思いから、患者さまには診療をお待ちいただいてしまうこともあります。それでも患者さまが末永く来院してくださっていることを思うと、一緒に前を向いて共に治療していこうという私の思いが伝わっているのを感じ、うれしく、たいへんありがたい気持ちになりますね。それから当院には、患者さまに病気を病気として思わせないような温かさを持ったスタッフがおります。私の自慢であるスタッフと一丸となってこのクリニックに明るさを生み出せているからこそ、患者さまに元気を与える治療を実現できているのだと思いますね。

この先力を入れていきたいことは何ですか?

当院は、実地研修を行うのに適した環境にあると思いますので、若手の医師を募り、外科処置も行える総合診療医を育てていきたいと考えています。実際、骨折での来院数はたいへん多く、総合診療において一般的な外科処置のスキルは必須であり、また設備を整えていれば当院のような町のクリニックでも手術を行うことが可能です。クリニックでできる範疇を広げれば、総合病院がパンクする状態も防げると考えています。私は今も大学病院で指導する立場として教育にも携わっています。うれしいことにそこから、私が先輩に憧れて形成外科をめざしたように、「梶田イズム」に引き込まれて外傷外科に入局した後輩も多くおります。彼らは私が教え込んだ以上の成果を見せて返してくれるので、そこに教育の面白さややりがいを感じていますね。今後も教育を通じて、微力ながら医療界に貢献していきたと思っております。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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例えば、リハビリ室を地域の方々と触れ合える場として通院のきっかけにし、ご利用いただくのもとてもいいことだと私は思っています。これからも患者さまにとって気軽に足をお運びいただける場でありたいですね。そして、地域の皆さまに広くお知りおきいただき、「何かあったら、梶田だ!」と頼っていただけるクリニックをめざしていきたいです。それから、有床診療所が減少傾向にある昨今ですが、当院をモデルケースとして、医療界全体に有床診療所の良さを積極的に発信していこうと考えています。私たちと同じ志をお持ちの方がいらしたら連携を取り、より地域に密着した医療を届けていきたいですね。患者さまからの信頼の獲得、若手医師の育成、有床診療所の普及、以上の3点の実現を図れるよう、今後も精進を続けたいと思います。

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