小野寺 勉 院長の独自取材記事
小野寺産婦人科
(千葉市中央区/西千葉駅)
最終更新日:2025/05/08

西千葉駅から徒歩1分。「小野寺産婦人科」は、小野寺勉院長の祖母が開院した「小野寺助産院」から3代続く歴史ある産婦人科医院。2001年に同院を継承した小野寺院長は、長く大学病院や総合病院で産婦人科に従事してきた医師だ。2025年には従来の場所より、駅に近い場所に移転し新たなスタートを切った。既存の患者に安心感を持ってもらいたいと考え、移転の際は院内の雰囲気をできるだけ変えないことを心がけたという小野寺院長。初代の頃に使われていた小野寺助産院の門札や先代が同院を継承した時に購入した柱時計が飾られた待合室は、穏やかな時間が流れる落ち着いた雰囲気だ。優しい語り口が印象的な小野寺院長に、女性の悩みに寄り添い続ける同院について話を聞いた。
(取材日2025年4月10日)
移転後も安心して通える環境と雰囲気で患者をサポート
先生のご経歴について教えてください。

東京医科大学を卒業し、千葉大学医学部附属病院産婦人科医局に入局しました。その後、千葉市立海浜病院や小見川総合病院に勤務し、産婦人科全般に携わってきました。産婦人科を専門に選んだのは、やはり、父が医師であったという家庭環境が大きかったですね。小さい頃から医師になることは決めていましたし、ほかの人に比べれば、医療が身近にありました。先代の父が体調を崩し、1997年に当院で診療を始めたので、一緒に診療をしたことはありませんが、地域に長く愛されてきたクリニックですので、これからも引き続き地域の方たちに来ていただける場所でありたいと思っています。
クリニックの場所を移転されたばかりと伺っています。
2025年2月にこれまであった場所から移転し、より駅に近くなりました。患者さんの中には、移転を知らなくて以前の場所へ行ってしまったという方もいらっしゃるので、ホームページなどで告知しています。移転する際に心がけたことは、診療室をなるべく以前の院内と同じような環境、雰囲気にすることです。自分自身の診療のしやすさもありますし、患者さんにも安心して通い続けてもらえるのではないかと思います。移転の直前から始めていた日曜の午前中診療は引き続き行っていますから、お仕事されている方が来院しやすくなればいいですね。診療時間は午後6時までに延長していますから、駅から近いこともあり、仕事帰りにも通っていただきやすいのではないかと思います。
院内にはたくさんの絵画が飾られていますね。

自分自身が好きな絵画を飾っています。特に好きな画家や作風があるわけではないのですが、最初に見た時、その絵から受ける印象、好きかどうかで決めています。診察室に飾ってある子どもたちがサッカーや野球に興じる姿を描いた絵からは、サッカーをやっていた娘や、野球をしていた頃の息子の情景が思い浮かびますね。小学生の頃は、自分で絵を描くことも好きでした。絵を飾ることは、院内を自分自身が好きな雰囲気にしたいということもありますし、患者さんにリラックスして過ごしていただきたいという思いもあります。
更年期障害のホルモン治療では定期的な検査が大切
現在は、どのような主訴の患者さんがいらっしゃいますか?

現在の診療の中心は婦人科で、平日は更年期障害の患者さんが多いですね。20代の方は生理痛や生理不順を訴えて来られますし、もう少し年齢が上になると避妊のための低用量ピルを希望されて来られる方も多くいらっしゃいます。更年期障害の治療では、ホルモン治療だけでなく漢方薬も取り入れています。更年期障害には、加味逍遥散や当帰芍薬散などを用いることが多く、当院においては、ホルモン治療と漢方薬は半々の割合です。ホルモン治療に関しては、何も問題がなければ長期間使っている方もいらっしゃいますが、定期的に検査を受けながら使うことが大事です。
生理痛は市販薬で済ませる人もいると思いますが、将来的な弊害はあるのでしょうか?
もちろん、診察してみなければわからない部分はありますが、子宮内膜症などによる生理痛は、市販の鎮痛剤だけでは、なかなか症状緩和につながらないこともあるのではないでしょうか。市販薬が不十分だと感じたら、ぜひ婦人科を受診してください。子宮内膜症の人が絶対に妊娠しないわけではありませんが、悪化すれば妊娠しにくくなる可能性もありますから、放置せず早めの受診をお勧めします。
新たにブライダルチェックを始められたそうですね。何かきっかけがあって始められたのですか?

以前、患者さんから「ブライダルチェックはやっていないのですか」という問い合わせがあったことが記憶に残っていて、お産の中止と、移転もきっかけとなって始めることにしました。ブライダルチェックの主な検査は、血液検査とおりもの検査です。患者さんの希望によっては、B型肝炎、C型肝炎、子宮頸がんの検査を追加することもできます。患者さんの希望に寄り添った検査をするよう心がけています。
「患者のサポート」に徹することをモットーに診療
お産をやめられた背景や思いについてお聞かせください。

少子化によるお産の減少が背景にあります。お産を中止したことに対しては、ホッとしたという気持ちがある反面、やはり寂しい気持ちが大きいですね。3代にわたって産科を扱ってきた歴史があるので、長いお付き合いの方が多いんです。子宮頸がんワクチンの予防接種で来院された人が、実は当院で生まれた女の子だったとか、先代の時代に当院で生まれたお子さんが大きくなって、2代、3代にわたって通ってくださる人もいらっしゃいます。長くお産に関わってきた経験を生かし、これからも変わらず患者さんをサポートし続けていきたいと思います。
先生が診療で大事にしていることは何でしょう?
患者さんのサポートに徹するということを心がけています。限界はあると思いますが、患者さんの希望をしっかり聞き入れたいと思いますね。患者さんの症状や悩みを取り除くためには、いろいろな情報があったほうがいいじゃないですか。そのため初診の方にはなるべく時間をかけて問診します。また、特別な取り組みではないと思いますが、患者さんのプライベートには配慮しており、受診時に発券機で整理券を発行し、患者さんのお名前ではなく、整理券番号で診察室へお呼びしています。実はこのシステムを導入したのは、看護師からの情報提供がきっかけです。「私が受診した医療施設では番号で患者さんを呼んでいましたよ」と言われ、確かに良い方法だなと思い取り入れました。当院には長く勤めているスタッフが多く、僕が知らない情報をよく持ってきてくれます。女性視点からの意見や他院のことなど、自身の経験を教えてくれるのでありがたいですね。
お忙しい日々かと思いますが、ご自身のリフレッシュのためにされていることはありますか?

昔からスポーツは好きで、中学・高校時代は野球、大学生の時はゴルフをしていました。今はクリニックの移転などで忙しく、何もできていませんが、時間ができたら、ゴルフに行ったり、以前よく行っていたボウリングをやったり、映画も見たり、やりたいことはたくさんあります。好きなテレビ番組を録画して見ることも楽しみの一つですが、最近はいくつかの好きな番組が終了してしまい寂しいですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
診察の時はいろいろ考えながら頭を使っているせいか、なかなか面白い話ができなくて「先生の表情が怖い」と言われることもありますが、診療に集中しているだけなので、お気になさらずなんでも相談してください(笑)。生理痛や生理不順、更年期障害など「この程度は我慢しなくてはいけない」などと考えず、気軽に受診してもらいたいですね。先ほどもお話ししましたが、当院は「患者さまが主役、私たちはサポート」を診療のモットーにしていますので、女性の問題で何か困っていることがあったら、気軽にいらしてください。問題解決に向けて、皆でしっかりサポートさせていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは避妊用ピル/3000円、アフターピル/8500円、避妊用リング/1年交換:1万5000円・5年交換:3万円、ブライダルチェック/1万円~