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吉野 雅武 院長、吉野 雅則 副院長の独自取材記事

吉野医院

(さいたま市浦和区/浦和駅)

最終更新日:2022/12/21

吉野雅武院長、吉野雅則副院長 吉野医院 main

浦和駅から徒歩6分。「吉野医院」は1940年に開院して以来、浦和駅周辺における地域住民の良き「かかりつけ医」であり続けてきた。80歳を越えてからも現役で昔ながらの温かいコミュニケーションによるいわば「無形の治療」を施す2代目の吉野雅武院長。院長の息子で、最近まで大学病院に所属しており、特に、がんや消化器分野の豊富な医療知識が頼れる吉野雅則副院長。新旧の良さを生かした体制を持ち、地域に根づいているからこそ、自分たちを良く見せたり、必要とされる以上に患者を呼び込んだりしようとはしない。2017年の5月にリニューアルした院内はシックで清潔だ。長く歴史がある良心的な診療方針をゆっくりと聞かせてもらった。

(取材日2017年6月3日)

どんな人も受け入れ、地域全体から愛されてきた医院

開院は1940年。歴史の積み重ねがある医院ですね。

吉野雅武院長、吉野雅則副院長 吉野医院1

【院長】創始者である父、吉野佐次は、貧しい人のために医療を施す人物でした。古くから通っていた近隣の患者さんたちはそんな父のことを「先生は、裕福ではない俺たちからお金を受けとらずに診てくれていた」と言っていましたね。これは父だけが慈善事業をしていたのではなく、医師というのは本来は地域にとってそういう存在であり、もうけは出ずとも、暮らしていければ良いものだった。「医は仁術」の時代だったのかもしれません。私のように大学で研究する道に進めば、40歳ぐらいまで無給で当たり前という時代でしたからね。ゆとりがない人はならない職でもあったんです。だからこそ、できることもあります。私や息子という2代目、3代目はそうして、当院を気に入ってもらえた患者さんを診て差し上げれば良い。そう思います。

院長、副院長とも、継承されたこの医院を大事に思われている印象です。

【院長】私は東京医科歯科大学で、恩師とともに小児外科というジャンルを国内で立ち上げることに携わっていました。そんな中で父が急逝し、思ってもみないようなタイミングで継がねばならなくなったというのが正直なところです。町の診療については右も左もわからない私に、当時の医師会の会長の方が「親父が大事にしてきた病院なのだから、継いだらどうだ。サポートをしよう」と愛情を込めて声をかけてくださったのです。
【副院長】当時、私は10歳。昨日まで元気だった祖父が突然に亡くなり、父は本当に大変そうでしたね。祖父は幼い私を碁会所などいろんなところに一緒に連れて行ってくれました。帰りは、商店街のあちこちにあいさつや立ち話をするものだから、10分ぐらいで歩ける距離を、1時間以上もかける。「おじいちゃんと歩くと長いんだよなあ(笑)」なんて思いながらも、町の人たちに広く愛されていた祖父のことを誇りに思っていました。

創始者が市井の人たちに尽くし、町の人から愛されてきた医院。その歴史から、診療方針が見えてもきます。

吉野雅武院長、吉野雅則副院長 吉野医院2

【院長】恩師の方針でアルバイトもせずに小児外科に打ち込んだので、初めは風邪の診療にも慣れませんでした。医療に慣れはないため、いまだに慣れることはありませんが、気を抜かずにいられるので、それで良いと考えています。留学もさせてもらい、勉強は積み重ねてきていますから、診療や他院との連携そのものはシンプルな方針でやってきました。専門的に他院で治療したほうが良い患者さんには、私と同等以上に勉強を重ねたと信頼する先生のいる病院に送って差し上げます。あとは、何げなく見える会話も診療の一端というつもりでいるんですよ。例えば、転ばないように気をつけなさいよ、そういった一言で、高齢者の場合には大変なことにもなりかねない転倒を防ぐことができればと思っています。病気は、悪くならないうちに防ぐのが一番ですから。

胃、大腸の内視鏡検査に関してのたゆまぬ努力

予防や早期発見と言えば、胃や大腸の内視鏡検査に注力されているそうですね。

吉野雅武院長、吉野雅則副院長 吉野医院3

【副院長】現在では常識とされておりますが、胃がんや大腸がんは、早期発見することができればかなり予後の良い病気です。だからこそ、定期的な検査をお勧めするのですが、さいたま市はそうした検査に対してのサポートも手厚いという長所があります。ですから、それらを十分に利用し経済的な負担も少ない形で検査を受けていただきたいです。それでも、内視鏡検査に対しては苦手意識をお持ちの患者さんも多いかと思います。そのような方たちに対しては、胃の検査で言うなら鼻から比較的細めの内視鏡を入れていくため、つらさが少ない方法であるとか、大腸の検査で言うなら、鎮静剤を用いて眠っている間に検査を行うという方法もご用意しています。内視鏡検査は医師個人の技術によってつらさがかなり異なりますが、私は鼻からの内視鏡検査が始まってすぐから日々情報を取り入れ、苦痛のない検査を目標としています。

内視鏡検査をした後のリカバリールームでも、リラックスして過ごせそうですね。

【副院長】内視鏡を受けた後、その後も通い続けてくださる患者さんたちには、快適に過ごしていただきたいのです。リニューアルした院内は椅子選びも自分で行いましたから愛着があり、きれいなデザインも気に入っています。そして同時に、地域の医院のあり方により合わせた面もあるのです。かつては、特に父のように外科出身の「かかりつけ医」などは、何でもできるスーパーマンとしての役割を求められ、それで機能していたものでした。ただ、現在では医療の扱うボリュームに厚みが出てきて、前に比べたら、専門的な医療機関との連携を取って、任せるべきものは任せるという時代になってきています。そのような、機動力のある診療所としての役割をさらに取りやすいように「一般内科、内視鏡検査を含む消化器内科、外科、整形外科の一部分」の診療により特化できるような構えに、構築し直したのです。

院長先生はもちろん、副院長先生も、慕われそうな良心的な姿勢をお持ちです。

吉野雅武院長、吉野雅則副院長 吉野医院4

【副院長】今年、長らく所属してきた大学病院を退職し、こちらに専念することにいたしました。あちらにはかなり重篤で慎重に治療を続ける必要のある患者さんもいらしたのですが、先日、前の職場があった川崎から当院までいらしてくださったのにはたいへん驚きました。「私も関わらせていただいた治療を理解してくださっているのだな」と感謝の念をさらに強くしたものです。

節制した患者が、一番元気に長生きするという実感

「地域のかかりつけ医院」として、長く健康でいるためのアドバイスはありますか。

吉野雅武院長、吉野雅則副院長 吉野医院5

【院長】健康のためには、「言われたことを守る」という、やる気のある患者さんであり続けていただくのが一番です(笑)。お若い時に高血圧などがわかっても、よく助言を守って、タバコ、アルコールの制限や、食事習慣などで節制に努めた患者さんが、結果的に元気で長生きされることがあります。これは、長く診療を続けていて痛感することですね。

お忙しいと思いますが、お仕事の息抜きでされているご趣味についてもお聞かせください。

【院長】学生時代には山岳部に所属していました。劔岳や穂高岳など険しい山に挑戦したものです。今の息抜きといえば、妻とともに旅行や歌舞伎鑑賞に行く程度でしょうか。診療と勉強ばかりで生きてきましたので、趣味を持ったほうが良い、と家内や子どもからは注意されております(笑)。
【副院長】高校時代はラグビーをしていました。母校はついこの間も全国大会に出場したほどラグビーに熱心な高校なので、かなり本格的に打ち込みましたね。その後は、ヨット、サーフィンなどマリンスポーツを好んでやっています。最近は忙しいので、なかなか行けていないのですが。

最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

吉野雅武院長、吉野雅則副院長 吉野医院6

【院長】患者さんの姿勢に対して、きちんとお応えする診療を行います。当院の診療全体を直(じか)に感じていただいて、そこに何かしっくり来るものがあったら、来院し続けていただけたら、こちらも誠意を持って診させていただきます、というシンプルな言葉に尽きます。
【副院長】胃カメラや大腸カメラは敬遠されがちな検査ではありますが、病気の早期発見につながります。患者さんと検査との垣根をなくしたいと思っており、患者さんの負担が少なくなるよう、また見落とさず確実な検査ができるよう、日々学んでおります。患者さんの不安をくみ取り、わかりやすく十分な説明をした上できちんと検査するよう心がけております。

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