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澁谷 純一 院長の独自取材記事

澁谷診療所

(さいたま市中央区/与野駅)

最終更新日:2020/04/02

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JR京浜東北線与野駅西口から徒歩約7分。駅前からまっすぐ伸びる大通り沿いにある「澁谷診療所」は、開業して半世紀以上の間、一般内科からケガなどの外科系疾患まで幅広く診療し、地域住民の健康を支えてきた。2代目院長の澁谷純一先生は、消化器外科の勤務医として多くの経験を積み、2006年に同院の院長に就任。前さいたま市民医療センター理事長、現在は埼玉県医師会理事、さいたま市与野医師理事も務める。要職にありながら、穏やかな笑顔と語り口が印象的な澁谷院長に、診療の特徴や患者への思いなどを聞いた。
(取材日2018年6月19日/更新日2020年3月31日)

一般内科から外科診療まで幅広く対応

開業して半世紀以上という、とても歴史ある診療所なのですね。

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1960年に父が開業し、私は2代目の院長です。父は浅草の出身なのですが、親戚がこの近くに住んでいた縁で、交通の便が良く、駅からも近いこの地に開業したと聞いています。父も私も同じ大学の消化器外科の出身です。昔は2階に入院設備があり盲腸の手術などを行っていましたが、今はケガの裂傷縫合など日帰り手術のみ対応しています。

待合室が広々としていて、大きな水槽と時計が目を引きます。

水槽はもともと当医院の事務長であるいとこの家にありましたが、大き過ぎるので置かせてと(笑)。しかし、今では私がアクアリウムの世界に魅了されてしまいました。泳ぎ回る熱帯魚やキラキラ輝く水景は心が和みます。大きな振り子の時計は父の代から長く使っているもので大切にしています。診療所の歴史をともに刻んでいてくれた相棒です。数年前に、外壁や院内をリフォームして、車いすの方に対応したトイレや入口スロープを造るなど手を入れました。駐車場は暗くなると自動で照明がつき、安全に配慮しています。

幅広い診療科を標榜されており、地域の方には心強い存在ですね。

高血圧、糖尿病など生活習慣病の一般内科から、外傷、やけど、打撲などの外科系疾患、じんましん、花粉症といった身近な症状まで幅広く対応しています。胃カメラ・エックス線などの検査、各種健康診断・予防接種にも対応し幅広い世代のご家族に来院いただいています。救急車を要請するほどでないが、出血が酷く心配な場合や事故によるケガにも対応できます。私は消化器を主体とした一般外科を専門として、手術でおなかの中を数多く見てきたので、紹介先で手術を受けられる患者さんに手術の内容を解説し、内科の先生とは違った角度から説明して、患者さんが安心して手術に臨めるようサポートできればと思います。

入院治療や大がかりな検査などが必要なときはどうされるのですか?

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この辺りは、埼玉県立小児医療センター、さいたま赤十字病院、埼玉メディカルセンター、自治医科大学附属病院など、近くに大規模病院が数多くあり、紹介先に恵まれています。私は以前、市内4つの医師会で運営するさいたま市民医療センターの理事長を担っていたこともあり、地域の医療情報はよく把握しています。そして医師会では、日頃から連携先となる先生方との意見交換の場を大切にしています。何度も顔を合わせている先生が多いと、話しやすく受け入れ依頼もスムーズですね。

勤務時代は消化器手術のほか、心臓外科手術も経験

地域医療発展のため、さまざまな活動を行ってこられたと伺いました。

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医師会活動など、地域に密着した活動を精力的に続けてまいりました。医師会任務は地域医療に貢献することです。活動は、医師に対する各種学術講演会の開催、健診・予防接種事業、学校医や産業医の派遣、休日急患診療所運営、市民向け無料公開講座や研修会の開催、防災時の医療体制の整備、など多岐にわたります。これまでを振り返ると、4市合併による健診事業や予防接種の市民サービスを統一化したこと、在宅医療の発展に向け、医療・介護従事者に対する研修会を定期化したことなどさまざまです。また、東日本大震災後には県や市の要請を受け、福島からの被災者支援救護活動の指揮をしたことなども思い出深い活動の一つとなっています。

診療所を継がれるまではどこに勤めておられたのですか?

日本医科大学卒業後、母校の大学院で病理を学び、その後消化器外科の医師として日本医大付属病院や複数の関連病院で勤務しました。大学病院時代は、心臓血管外科専門である主任教授の「良い外科医は良い内科医であれ」との教えのもと、消化器だけでなく循環器系の疾患にも数多く関わることができ、体全体を知る貴重な勉強の機会となりました。手術は食道から肛門まで広範囲に行い、地方の病院時代には、手術のみならず、問診、検査、診断、治療、術後管理など患者さんと最初から最後まで総合的に関わっていたので、その経験は今の診療にとても生きています。

診療で心がけているところはありますか?

患者さんに安心して受診してもらえることです。例えば、内視鏡検査では検査の精度を上げることはもちろん、体の中に器具が入りますから消毒にも気を遣い、感染症を完全に防ぐためすべての患者さんに対して消毒器を使い注意を払っています。また、患者さんが心配している病気とその診断に必要な検査をわかりやすく丁寧に説明することで、無駄な検査と不安を解消し安心して診療を受けてもらえるように心がけています。

往診や訪問診療も行っているのですね。

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主に昼休みを利用して訪問します。できる限り自宅で過ごしていきたいと考えるかかりつけの患者さんとご家族の力になりたいと考えています。近頃は、ご家族はお仕事に出かけ、患者さんが一人で家にいらっしゃる場合も増えています。往診や訪問診療をすることで、患者さんやご家族の心に寄り添い、それぞれの方々にとってより良い人生を送ることができるようお手伝いができればうれしく思います。

これからも地域の人々に信頼される診療所でありたい

開業医としてのやりがいはどんなところですか?

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外科医師として手術はもうできませんが、町の診療所ならではのやりがいは大きいです。勤務医時代、外科では悪性腫瘍の手術が多く、順調に回復される患者さんばかりではありませんでした。ここでは、多くの患者さんが治療を終えて、笑顔で帰っていく姿を見届けることができます。また、かかりつけ医として長期にわたり診察することで、病気の早期発見や生活習慣病の予防の対策をとり、患者さんのより良い人生のお手伝いができている実感があります。そのためにも、医療の進歩に対応できるように常に学んでいかねばと思い、数多くの講習会に参加をしています。同時にさいたま市民医療センターの副院長であり、日本医科大学で教授を務めるいとこや、狭山中央病院の院長を務める叔父から聞く新しい医療情報も勉強になります。

先生が医師を志したのは、やはり自然な流れだったのでしょうか?

父や看護師さん、大学病院勤務の叔父が身近にいることが日常でしたし、物心ついた頃から診療所を継ぐのが当然かなと思っていました。一方で、ものづくりが好きでしたのでエンジニアになりたいという思いもありました。小学校の時は造船、その後は建築に興味を持ちました。そんな様子を見てこれは大変(笑)、と考えたのか、父だけでなく祖父母、親族総出で「その夢も素晴らしいが、医師の仕事も素晴らしい。お前が後取りだ」と強く勧められました。私の2人の息子も医学生で、診療所を継ぐと言ってくれています。2人とも、今は勉強中で何を専門とするか決まってないので将来はわかりませんが、3世代にわたって地域医療に貢献できればうれしいことなので、少し期待しています(笑)。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

最近は、テレビの番組やインターネットなどで新しい医療を取り上げると、その診療がスタンダードだと思ってしまう方がいることが少し気になります。優れた医療とはいえすべての方に効果があるわけではなく、デメリットもあることを頭の隅に置いていただきたいですね。見聞きした情報のみで自己判断せず、日頃から相談できるかかりつけ医を持ちましょう。自治体などで行われている検診などを定期的に受けることにより、一回ごとの結果に一喜一憂せず自分の体を知ることができると思います。また、それが健康寿命をのばす早道だと考えています。今後もずっと地元の方から信頼される医療機関でありたいですね。どの診療科に行けばよいのか迷う場合も気軽に相談にいらしてください。

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