全国のドクター9,103人の想いを取材
クリニック・病院 158,819件の情報を掲載(2024年3月29日現在)

  1. TOP
  2. 埼玉県
  3. さいたま市見沼区
  4. 七里駅
  5. 医療法人 森本医院
  6. 森本 隆介 院長

森本 隆介 院長の独自取材記事

森本医院

(さいたま市見沼区/七里駅)

最終更新日:2022/06/13

森本隆介院長 森本医院 main

宇都宮線の東大宮駅と東武野田線の七里駅の2駅が利用できる「森本医院」。院長の森本隆介先生は、クリニックの2代目にあたり、先代の院長同様、地域のかかりつけ医として住民の診療を行っている。建物は開業当時から変わっていないそうで、入り口付近の柱にかかっている大きな温度計が当時を思わせる。広い診察室内はとても明るく、検査用のベッドが2つ備えられている。「父の代で築いた診療の領域に、新たに循環器の診療を加えて充実させていきたいと思っています」と展望を話す森本院長。急にクリニックを継承することになり、準備が整わなかった部分もあったため、これから少しずつアップデートしていきたいと語る。治療への思いや、携わってきた循環器領域の診療など、さまざまな視点から話を聞いた。

(取材日2022年6月1日)

かかりつけ医としての役目を、しっかりと引き継ぎたい

お父さまから引き継いだクリニックだそうですね。

森本隆介院長 森本医院1

1992年に父が開業し、2022年の4月に僕が継承しました。1年前までは継承の話は出ていなくて、父が診療できないときは代診の先生を立てたりしていました。僕もここへ来る前は海老名総合病院の循環器内科に勤務していたのですが、具体的な継承の話は挙がっていませんでした。今回、急に継承することになり、少しバタバタしてしまいましたね。父はここで地域のかかりつけ医として診療を行ってきたので、まずはそれをしっかりと引き継ぎ、今まで同様、患者さんが継続して受診できるようにしていきたいと思っています。

継承後に新たに導入したものはありますか?

これまでの内科疾患全般に加えて新しく循環器内科を始めることにしたので、検査に使用するホルター心電図や脚と上腕の血圧を同時に測定するABPI検査を行う機器を導入しました。高齢者の数が増加しているので、必然的に循環器系の疾患は増加傾向ですが、クリニックレベルでは循環器内科はそれほど多くありません。大きな医療機関に時間をかけて足を運ぶよりも、日頃通っているクリニックで循環器の診療ができれば患者さんの負担も軽減できるかと思います。当院は地元の見沼区や近隣の区からの患者さんが多く、駐車場も8台分あるので、車で来られる方も多いですね。

循環器は具体的にどの部分の領域を診療するのでしょうか?

森本隆介院長 森本医院2

心臓を中心とし、冠動脈や大動脈などの血管の病気も診療します。また、心臓疾患自体が高血圧や高コレステロール、肥満などの生活習慣病と大きく関わっているので、これらの治療も行っています。原因となる疾患をきちんと治療しないと、再発を繰り返してしまいます。以前勤務していた海老名総合病院では、地域の中核病院ということもあり、どちらかというと重症患者さんが多かったのですが、ここでは、軽症から中等症程度の、ご自分で通院できる患者さんが多いので、重症化させないように、しっかりと治療するのが役目だと思っています。

こちらではどのような循環器の検査ができるのでしょうか。

心電図や心臓超音波検査はできるので、循環器疾患が疑われる患者さんは検査をして診断をつけていきます。詳しい検査が必要になったときは、近隣だと、さいたま北部医療センターや彩の国東大宮メディカルセンター、大学病院だと自治医科大学附属さいたま医療センターなどがあるので、疾患によって適切な医療機関を紹介しています。検査や急性期治療が終わったら、また戻ってきてもらうなどの流れになっています。

患者が何を望んでいるのかを、最優先に考える

循環器系の病気を改善するにはどうすればいいでしょうか。

森本隆介院長 森本医院3

服薬や食事改善で数値の改善をめざすことは可能ですが、放っておいて治ることはなく、症状がないまま進行することも少なくありません。生活習慣の改善が必要な場合が多いのですが、急にはできないので、例えば禁煙が必要な場合は徐々に本数を減らしたり、肥満を改善するときは、食事指導で少しずつ改善したり、とにかく粘り強く指導していくことが必要だと思っています。心臓疾患や脳卒中の発症を予防するためにも、年に一度は健康診断を受けておくことが大事だと思います。当院でも健康診断ができますので、お電話での予約をお待ちしております。

患者さんと接している中で大事にしていることは何ですか?

前の海老名総合病院でも取り組んでいたことなのですが、患者さんのご希望をくみ取り、解決するようにしています。症状の緩和、疾患の治療はもちろんですが、それ以外に病気に対する不安や疑問など、患者さんは多くのことを抱えて受診します。一人ひとりが抱えている悩みや疑問を、医療の立場から解決に導くと満足してくださるので、そこは患者さんの気持ちを第一に考えるようにしています。以前の勤務先では、検査は臨床検査技師が行い、看護師が処置を行うなど、治療や処置にそれぞれスタッフがいましたが、今は私が検査や処置を1人で行っています。その分、患者さんと接している時間は長く、話すことも多いので、その中から患者さんが望んでいることをくみ取るようにしています。

自分の症状をインターネットで検索して来る患者さんも多いのでは?

森本隆介院長 森本医院4

結構いらっしゃると思います。ただ、ネットの情報が全部正しいとは限りません。「この病気ではないか」と思い込んでいる患者さんでも、検査をするとまったく違うこともあります。何しろ本人は思い込んでしまっているので、エビデンスに沿ってきちんと説明し、納得してもらう必要があります。こうした患者さんの思い込みを医療の視点から正しく修正することも、クリニックの役目だと思っています。

診療は予約制ですか?

現在は予約制ではありません。健康な患者さんが受けられる予防接種は、一般診療とは時間をずらして行っています。また、発熱している患者さんについては、新型コロナウイルス流行以降は積極的に診察を行っていなかったのですが、現在は、待合室で距離をとって待ってもらうようにしています。将来的には、時間もしくは空間で分けての診療も検討中なので、発熱での受診は、一度クリニックに電話で問い合わせていただければと思います。

循環器が持つダイナミックさに興味を持った

先生が医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

森本隆介院長 森本医院5

父の影響が大きいと思います。僕が物心ついたときにはすでに父は診療を行っていたので、それを見て育ちましたから。兄弟は弟と妹がいます。二人とも医療の世界に進んでいるので、将来、何らかの形で一緒に診療ができたらいいですね。

なぜ循環器に興味を持ったのですか?

初期研修のときに回った循環器で、そのダイナミズムに圧倒されました。例えば心筋梗塞では、今まで元気だった人が急に倒れたりします。しかしすぐに処置をし、血液を再灌流させるための心臓カテーテル手術を行うことができます。また循環器の診断は、不整脈は心電図でわかりますし、心不全も胸部エックス線検査や心臓で生成され分泌されるBNPというホルモンの値を測定すればわかります。心筋梗塞や狭心症も、カテーテル検査や冠動脈CT検査で診断がつきます。こうした明快な面に惹かれましたね。

ところで、休日はどのように過ごされていますか? ご自身の勉強についても教えてください。

森本隆介院長 森本医院6

あまり趣味らしい趣味はないのですが、たまに映画を見に行くくらいでしょうか。気分転換にはいいですよね。僕自身の勉強は、医師会主催の症例検討会やセミナーが定期的に行われているので、そこに参加しています。最初の頃はみんな戸惑っていましたが、最近はオンラインが当たり前になりましたね。行き帰りの移動時間もないですし、それぞれのインターネットの端末から参加できますから、手軽になりました。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

父の代からのかかりつけ医としての役割をしっかりと受け継ぎ、患者さんが安心して通えるクリニックにしていくのと、僕が培ってきた循環器内科の治療を、多くの患者さんに還元していきたいですね。見沼区だけでなく、さいたま市など、幅広い地域からも気軽に相談してくれたらと思っています。循環器疾患は胸痛から始まることが多いのですが、心臓の疾患以外でも胸痛を感じることがあります。検査をしたら、心臓の問題ではなかったということも多くあるので、気になる症状があれば受診してください。今後も患者さんの声を聞きながら、いろいろと改善し、今の時代に合ったクリニックづくりをしていきたいと思っています。

Access