さまざまな病気のリスクを高める
睡眠時無呼吸症候群は早期治療を
Dクリニック福岡
(福岡市中央区/天神駅)
最終更新日:2026/04/01
- 保険診療
「疲れやすくなった」「昼間に眠くなる」「熟睡感がない」。これらに心当たりがあれば睡眠時無呼吸症候群の疑いがある。肥満の中年男性が罹患するというイメージがあるものの、実際には年齢や性別を問わず発症するため誰もが注意しなければならない病気だ。また睡眠の質の低下に限らず、治療をせずに放置していると低酸素状態による血管へのダメージが蓄積され、さまざまな病気のリスクが高まってしまうという。まだまだ治療に至っていない人も多いため、「Dクリニック福岡」ではオンライン診療を導入し、負担の少ない睡眠時無呼吸症候群治療に取り組んでいる。「寝不足や体の疲れ、起床時の口の乾きや頭痛といった症状があれば、積極的に検査を検討してほしい」と話す上野剛史院長に、睡眠時無呼吸症候群について詳しく話を聞いた。
(取材日2026年2月25日/情報更新日2026年4月1日)
目次
睡眠時無呼吸症候群は血管へのダメージを蓄積してしまう前に治療を
- Q睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気ですか?
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A
▲患者の負担を減らしながら、継続的な治療をめざす
睡眠時無呼吸症候群は名前のとおり、眠っている間に呼吸が弱くなってしまったり、止まってしまったりして、睡眠が不十分になってしまう病気です。日中に眠くなる、集中力が続かないなどパフォーマンスが低下するほか、睡眠時にトイレに立つ回数が増えることも。睡眠に問題があると結びつきにくく、自覚しづらい病気です。そのため家族から無呼吸の状態やいびきを指摘されて受診されるケースが多くなっています。結果、治療に至らず放置されている方もいらっしゃいますが、呼吸が止まってしまうと十分に酸素を取り込めず、罹患歴が長いほど血管へのダメージは蓄積し、高血圧症や糖尿病、心筋梗塞などのリスクが高まってしまいます。
- Q肥満との関わりが深いとお聞きしました。
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A
▲オンライン診療と組み合わせた負担の少ない診療体制も整えている
確かに肥満の中年男性がかかる病気というイメージがありますよね。肥満によって喉の周りに肉がついて圧迫されていることが原因になる場合もありますが、鼻の骨の変形や鼻炎による鼻詰まりのほか、扁桃の腫れなども要因となります。日本人は凹凸の少ない顔をしており、顎が小さく舌を収納するスペースが狭くなりがちです。そうすると舌が喉の奥に落ち込んでしまい、無呼吸の状態になってしまいます。また、女性の場合は閉経後に女性ホルモンが減り無呼吸になってしまうなど、さまざまな要素が絡み合って睡眠時無呼吸症候群を発症します。肥満の中年男性だけではなく、若い方や女性を含め年齢性別を問わず罹患する病気だという理解が必要です。
- Q検査について教えてください。
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A
▲症状に隠れた要因を見落とさない診察が特徴
まずは既往歴を確認した後、鼻や喉に異常がないかをチェック。骨が曲がっていないか、粘膜の腫れがないか、喉が狭くなっていないかなどを詳しく診ます。併せて肺と心臓に問題がないか聴診を行います。その上で睡眠の状態を確認するのですが、診察室ではできないためご自宅で検査をしていただきます。検査キットが届いたら、指や鼻にセンサーを装着して就寝中の血中酸素濃度や呼吸状態を記録します。後日、そのデータをもとに診断をつけていきます。以前の検査は入院が必要だったためハードルが高かったのですが、今では普段どおりの在宅生活の中で検査を受けられるので、睡眠時無呼吸症候群が気になる人は気軽に受診してほしいと思います。
- Q治療はどのように行うのでしょうか。
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A
▲重症度の高い患者に使用するCPAP装置
症状が軽度であればマウスピースや寝る時の姿勢で改善を図ることもできますが、重症度が高い方にはCPAP療法が必要です。CPAP療法ではマスクを装着して就寝していただき、機械からマスクを通して空気を送り、気道の閉塞を防ぎます。低呼吸や無呼吸をなくすようめざすことで安定した睡眠が維持できます。最初は「眠れるのか」と不安に思われる患者さんも多いのですが、呼吸をサポートするような治療なので息苦しさはありません。慣れるまでに少し時間がかかるものの、睡眠が安定すれば生活の質は大きく向上します。経過観察で定期的な受診が必要ですが、再診からはオンライン診療でも対応しているので手間もかかりません。
- Q治療期間はどのくらいかかりますか? 完治はめざせますか?
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A
▲患者が無理なく治療を継続できる環境づくりをめざす
いくつかの原因が絡み合って発症していることが多いので、なかなか完治は難しい病気です。肥満を改善することで症状が軽くなる場合もありますが、長く付き合っていかなければならないものだとお考えください。一方、CPAP治療については途中で離脱する方も多いのですが、低酸素状態が続けば体へのダメージが蓄積しさまざまな病気のリスクが高まってしまいます。ですから最初にしっかりと治療の必要性を説明し、睡眠の状態を定期的に共有することを大切にしています。また、1年おきに再度検査を行うなど、症状が継続しているのかをチェックしてみるのも重要です。睡眠時無呼吸症候群は慢性疾患として、日々コントロールしていきましょう。

