全国のドクター9,582人の想いを取材
クリニック・病院 160,679件の情報を掲載(2022年12月01日現在)

  1. TOP
  2. 埼玉県
  3. 新座市
  4. 志木駅
  5. 永弘クリニック
  6. 楠山 弘之 院長

楠山 弘之 院長の独自取材記事

永弘クリニック

(新座市/志木駅)

最終更新日:2022/10/14

20221005 57392 top

志木駅南口より徒歩5分の住宅街にある「永弘クリニック」は、泌尿器科と禁煙のための外来、失語症デイケアなどに対応するクリニック。優しく気さくに話す姿が印象的な楠山弘之院長は、日本泌尿器科学会泌尿器科専門医で、癌研究会附属病院勤務や大学病院泌尿器科講師の経験を持つキャリア40年超のベテラン医師だ。泌尿器の治療だけに注目するのではなく、そのリスク因子となっている禁煙治療や前立腺がんをはじめとした泌尿器のがん検診など、泌尿器疾患の分野に広く専門的な治療を提供することで、患者のQOL(生活の質)向上を考えた治療を実践している。休日は俳句もたしなむという楠山院長に、医院や治療のこと、日常生活におけるアドバイスなどを聞いた。

(再取材日2022年9月26日)

泌尿器科を専門とするクリニック

こちらの医院を開院して何年になりますか?

1

31年になりますね。最初は志木駅前のビルに場所を借りていました。今の場所に移ったのは1998年ですね。新座市という場所には、もともとはあまり縁はなくて、埼玉医科大学に勤務をしていたときに週に1回、朝霞厚生病院に診察に来ていたぐらいですね。開業を考えていた時期に医師の知り合いから、この地区でやったらどうだと勧められて、この周辺に知り合いが多かったのと、この辺りには泌尿器科がなかったので患者さんのニーズがあると思いました。泌尿器科は、比較的専門的で間口が狭いものですから、最初はなかなか患者さんも集まらなくて苦労しました。

どのような患者が多いのですか?

当院に来ている患者さんは、ほとんどが泌尿器科の診察を受けに来る方です。最近の開業医はかかりつけ医ということで、さまざまな症状の患者さんを一人の医師が診ているケースがあります。しかし、この近くには医療機関もたくさんあって良い先生もたくさんおられるので、私が無理をして多くの科を診る必要はないかなと。ならば専門性を生かした診療をしていければ良いかな、と思っています。実際に来られている患者さんは、7割が男性で女性3割です。訴えは、高齢の男性だと尿の出が悪いとか夜間にトイレに行く回数が多いとかですね。疾患でいうと、前立腺肥大症や前立腺がん、膀胱に問題がある人もいます。他に若い女性だと膀胱炎、中年以上の女性だと尿漏れとかおしっこが近いとか、血尿が出たという方が多いと思います。

それは何が原因なのですか?

20221005 2

最近は、眠っている間にも熱中症になることがあるので、寝る前に水分を取りましょうといわれていますが、水分の取りすぎで夜中に何回もトイレに行く人が少なくありません。熱中症の発生は昼間が多いので、昼間にしっかりと水分をとるようにして、寝る前の3時間は水分を取るのをやめましょう、と私は伝えています。夜間頻尿になって、寝ている間に3回以上トイレに行くと、生命予後が悪くなることがわかっています。その原因は、転倒です。転倒して寝たきりになってしまうのです。夜間頻尿は、他にも糖尿病であるとか、心臓が悪いなどが原因の場合もあります。そのため、何が原因なのかはしっかりと分類をしなくてはいけませんが、基本的に夜間に3回以上トイレに行く人は注意が必要です。

がんの検診と禁煙治療に力を入れる

先生は、泌尿器のがんも専門ですね。

20221004 3

癌研究会附属病院に勤めていたことがありますから、がんのことは気になりますね。がんの検診には、力を入れています。男性は50歳になったら、一度、前立腺がんの検診を受けておいたほうが良いでしょう。前立腺がんの検診では、血液検査でPSA(前立腺から精液中に分泌されるタンパク質の一種)の値を見ますが、それが2以上だったら2年に1回くらいの検査を受けることをお勧めします。それが2以下なら5年に1回くらいの検査で良いでしょう。逆に3以上であれば、毎年検査を受けるか、もう少し詳しい検査をしたほうが良いですね。当院では入院を必要とせず、外来で局所麻酔をして、経直腸前立腺エコーと前立腺自動生検装置を使うことで痛みの少ない前立腺針生検を行うことができます。あとは、タバコを吸わないことです。タバコは、一般的には肺がんとの関連が知られていますが、実は膀胱がんのリスク因子でもあるんです。

それで禁煙のための外来も掲げているのですか?

膀胱がんのリスクを少しでも減らせたら、と禁煙のための外来にも力を入れています。禁煙治療には禁煙用の薬を処方するのですが、それだけではなくて、どうしてタバコを吸わなくてはいけない状態にあるのかを、しっかりと認識してもらうことが大切なんです。なんとなくやめようとしてもイライラしたり、タバコのことばかりを考えたりします。それはニコチンの血中濃度が下がって禁断症状が起きているからなのですが、それが禁断症状だと認識ができないからやめられないんですね。喫煙は、ニコチン依存症という病気であって、病気だからしっかりと治さなければいけないという認識を持つことが必要です。

失語症デイケアも行っていると聞きました。

4

私は以前、新座市の福祉の里という施設の嘱託医をしていました。その施設には失語症の方が多くおられるのですが、その方たちがリハビリをしたり、集まれる場所が足りなくて困っていると相談されまして。ここの2階は、最初は他のことに使おうと考えていたのですが、何かお役に立てればと思い、デイケアを始めたのです。失語症は、脳血管障害の後遺症の方が多くおられます。脳血管障害になっても命を助けられることが増えてきていますからね。そういう方々にお集まりいただき、コミュニケーションを取ったり、レクリエーションを行なったりしながら、言語のリハビリテーションを行っていきます。今は週に4日、専門の言語聴覚士と介護職員の3人体制でプログラムを実施しています。

女性も怖がらずに来てほしい

先生は、なぜ医師を志したのですか?

5

私はもともと農家に生まれました。父はみかん農家だったのですが、みかんの輸入が自由化になり、父がアメリカにどんな農業をしているのか見に行きまして。それで帰ってきたら「農業は絶対にやめろ」と。規模が全然違うんですね。それで、私は好きなことをして良いと言われまして。その前も、あまり継ぐ気はなかったのですが(笑)。人が好きで、人と話すのが好きだったので、なら医者になって人の役に立ちたいなと思い始めて、高校生の時に医師になろうと決心しました。泌尿器科は、当時腎臓移植に興味があったので、それで選びました。その後、大学病院から癌研究会附属病院に行って、がん治療の経験を積みました。ここでの経験は、一生のものですね。

趣味はありますか?

ランニングと俳句です。週に2回は早朝に走っています。3時間で20キロくらい走ることが多いですかね。私は代々木に住んでいるので、代々木から神宮外苑に行って、赤坂御所を通って皇居をぐるっと回って、四谷を通って赤坂御所から外苑、代々木公園まで戻ってきて、公園を1周して終わりです。見所がたくさんあって、ピクニックみたいで面白いですよ。朝早いので車も少なくて気持ち良いですしね。俳句歴は、もう20年くらい。医師会と歯科医師会、薬剤師会の三師会で俳句クラブがあるのですが、それに人が足りないからちょっとおいでよと誘われたのが最初です。始めてみたら面白くて、私は、花なんて桜とチューリップくらいしか知らなかったのですが、俳句をするようになってからいろいろな花のことがわかるようになりました。それに日常を日記のような形で残しておけるのが良いですね。下手は下手なりに面白いんです(笑)。

今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

6

開業してからわかったことなのですが、女性の尿失禁や排尿に関する悩みが、世の中にはすごく隠れています。なのでこれらのこと、QOL(生活の質)に関わるような病気にも、もっと目を向けていきたいと考えています。私は、本も何冊か出しています。女性は、泌尿器科にかかるのは恥ずかしい、と考える人が多いので、それなら自宅で、自分でなんとかできれば良いなと。それで駄目なら一度、診察を受けに来てください、病院はそんなに怖くないよ、という本なのですが、実際の泌尿器科の診察は、最初は内科の診察とほとんど同じですから、何かお悩みがあれば、ぜひ気軽に来てほしいと思います。

Access