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「治れば終わり」ではない
皮膚科との正しい付き合い方

田口皮膚科医院

(新座市/志木駅)

最終更新日:2021/10/12

田口皮膚科医院 「治れば終わり」ではない 皮膚科との正しい付き合い方 田口皮膚科医院 「治れば終わり」ではない 皮膚科との正しい付き合い方
  • 保険診療

夏や冬に患者が増える皮膚科。受診する時間がないからと安易に市販薬で治そうとすると、かえって症状を悪化させることもあるそうだ。また、治療中に患者が自己判断して、薬をやめてしまい、皮膚病を長引かせてしまうケースも。「医療法人緑会 田口皮膚科医院」の田口理史院長によれば、表面で治っているように見えても、実は皮膚の深層部ではまだ炎症が続いていることも多いそうだ。今回はそうした事例も含めて、正しい皮膚科のかかり方について田口院長に話を聞いた。

(取材日2016年6月21日)

皮膚病の完治に必要なのは、自己判断ではなくまず受診すること

Q皮膚科はどのようなタイミングで受診するべきでしょうか?
A
田口皮膚科医院 院内の掲示物。正しく受診しないと疾患の治癒が遅くなることも

▲院内の掲示物。正しく受診しないと疾患の治癒が遅くなることも

かゆみや発疹など自覚できる症状が出たら、できるだけ早く皮膚科にかかることですね。水虫は女性も罹患するのですが、恥ずかしがって皮膚科を受診せずに、市販薬で治そうとされる傾向にあります。それで完治すればいいのですが、もし悪化して受診された際には、検査で偽陰性と出るなど、正しい診断が下せないこともあります。医療関係者は患者の守秘義務を守っていますし、早期に受診されればその分早く治癒できますので、安心して受診していただければと思いますね。

Q市販薬と医院の処方薬ではどのような違いがあるのでしょうか?
A
田口皮膚科医院 リニューアル後、リラックスして落ち着ける雰囲気になった待合室

▲リニューアル後、リラックスして落ち着ける雰囲気になった待合室

医院の処方薬はピンポイントでその皮膚病に作用する、主成分しか入っていません。一方、市販薬はどんな人でもある程度の薬効が得られるよう、さまざまな成分を含有させています。例えば市販薬では早くかゆみを抑えるための局所麻酔薬の成分なども入っていますが、人によってかぶれを起こすこともあるのです。また本当は湿疹なのに水虫薬を使ってしまうなど、誤用による症状悪化のケースもあるので、やはりその患者さんの病気を特定し、その皮膚病に適した薬剤を処方する皮膚科にかかることがベストですよ。

Q炎症がおさまった場合、塗り薬はやめてもいいでしょうか?
A
田口皮膚科医院 皮膚疾患を診断する際に用いられる顕微鏡

▲皮膚疾患を診断する際に用いられる顕微鏡

ステロイドなどの処方された薬を数日使用すれば、見た目に変化が出てくるでしょう。しかし皮膚の深部はまだ治癒しておらず、見かけだけで自己判断して薬の塗布をやめてしまうと再び症状が出てくることも。治癒までだいたい1週間はかかるものですから、用法どおりに塗り続けてほしいですね。特に水虫は、しつこく残りますから、3ヵ月から半年は薬を塗り続けたほうが良いでしょう。当院でも、だいたい初診から1~2週間後に再び受診していただいています。それは、きちんと薬効が出ているか? 副作用はないか? などをみて、必要があれば薬の種類や強さを変えるなど微調整するためです。ですから再診はとても重要なんです。

Q日常生活では、どのようなことを心がければよいでしょうか。
A
田口皮膚科医院 院長の田口先生。「正しい知識を身につけてもらいたい」と語る

▲院長の田口先生。「正しい知識を身につけてもらいたい」と語る

基本は皮膚を清潔に保つこと。ですから入浴は必要なのですが、一方で入浴は皮脂を洗い流し、皮膚を乾燥させるので、入浴後すぐに保湿成分のある薬を塗ることが大切です。また、かゆいからと、患部をゴシゴシ洗ってしまうと症状が悪化してしまう場合がありますので、石鹸の泡だけで優しく洗う。さらに石鹸も合わないようならぬるま湯だけで洗ってください。またアルコールは血流を促してかゆみが増すのでお勧めはできませんが、お酒好きな方が飲めないことでストレスを抱えるのもかえって良くないですから、少しくらいなら問題はないかと思いますね。とにかく、かゆみのストレスで掻いてしまうという悪循環をまず断ち切ることが大切です。

Qところでステロイドは副作用が強いと聞きますが、実際は?
A
田口皮膚科医院 正しい用量・用法を踏まえて使うことで治癒に近づきやすくなる

▲正しい用量・用法を踏まえて使うことで治癒に近づきやすくなる

強い炎症を起こしている場合は、速やかに炎症を抑えなければかゆみが結構なストレスになってしまうことがあります。特にアトピー性皮膚炎では、患部の神経が過敏となり、ひっかき行動をしてしまうお子さんも多くいます。炎症・ひっかき行動を抑える薬として、現在のところステロイドにかなう薬はないと考えています。もちろんずっと塗り続けると赤ら顔になる、皮膚が薄くなるなどの副作用もありますが、まずはステロイドを処方し、様子を見て毎日塗っていたものを週1~2回に減らす。同時に免疫抑制剤の軟膏や保湿剤を併用するというのが当院の治療法です。

ドクターからのメッセージ

田口 理史院長

年間を通じて多い皮膚病はアトピー性皮膚炎やウイルス性のイボ、ニキビなどですが、季節性では夏ですと、近年はチャドクガが大量発生しているのでチャドクガ皮膚炎や、足の蒸れから水虫も多くなります。またお子さんでは、とびひ・水イボ。一方、冬は乾燥することで、アトピー性皮膚炎や、湯たんぽによる足の低温熱傷(やけど)にも気をつけてください。中でも特に注意したいのは水虫です。市販薬を一度でも使用すると、検査で正しい結果を出すために一度、肌の状態をリセットしなければならず、2~3週間ほど治療に入るのが遅れます。ですから「水虫かな?」と思ったら、自己判断で市販薬を塗らず、すぐに受診していただければと思います。

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