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澤田 寿一 院長の独自取材記事

澤田医院

(入間市/武蔵藤沢駅)

最終更新日:2025/12/03

澤田寿一院長 澤田医院 main

西武池袋線・武蔵藤沢駅から徒歩約15分の「澤田医院」。澤田寿一院長は、開業して51年になる歴史あるクリニックで、内科、循環器科、胃腸科、小児科に対応。長年地域の人々のかかりつけ医として多くの患者を診療している。「患者さんとよく話をして心を診る」をモットーに、患者の立場に立った診療と、長期的な関係づくりを重視。地域医療活動にも積極的に関わりながら、長年にわたり地域の人々の健康を見守ってきた。そんな澤田院長に、これまでの取り組みや地域の患者への思いについて語ってもらった。

(取材日2025年10月22日)

地域のかかりつけ医としての役割を全うしたい

開業されて51年目と伺いました。やはり、長く通われている患者さんが多いのでしょうか?

澤田寿一院長 澤田医院1

おかげさまで、この場所で半世紀以上にわたり、一筋に診療を続けてきました。生まれ育ったこの地は、私の原点です。実家も当院のすぐ近くにあります。私は昭和大学医学部を卒業後、博士号を取得しました。すぐに地元に戻ってきたのは、家族の事情に加え、何よりもこの地域に医療の担い手が不足していたからです。「私が地域のために尽くさねば」という思いが、開業の原動力となりました。開業当時は、この辺りは一面に畑が広がるような閑静な土地でしたが、今や区画整理が進みバスも通る活気ある住宅地へと変わりました。当院は、長年にわたり信頼して通い続けてくださる患者さんが圧倒的に多いのが特徴です。そのご信頼を、この上なくありがたいと感じています。

高血圧の患者さんが多いそうですが、どのように診療していますか?

高血圧の治療は、まず患者さんの年齢や血圧の程度をしっかり見極めて進めます。健診などで「血圧が高い」と指摘された60歳くらいの方などは、緊急性がなければ当院で薬を処方し、経過を丁寧に見ていきます。しかし、高血圧だけでなく「他の重い病気が隠れているかもしれない」と疑われる場合は、埼玉医科大学国際医療センターや埼玉石心会病院など、専門性の高い大きな病院へ直ちにご紹介します。心臓や脳の疾患が疑われる場合も同様です。私どもから直接病院に予約を入れ、患者さんには紹介状を持参して向かっていただくようにしています。大きな病院で治療を終えた方は改めて当院に戻って来ていただき、その後のフォローアップを私が責任を持って行っていきます。

親身に病院とつないでもらえれば、患者さんは安心ですね。

澤田寿一院長 澤田医院2

ありがとうございます。このような診療スタイルですから、当院は「かかりつけ医」として地域の方々の最初の相談窓口となり、最適な医療へつなげる役割をずっと果たしてきました。患者さんに「あとはご自分でどこか病院を探して行ってください」とは決して申しません。すべて私の方で連絡や予約の手配をいたします。「患者さん任せにするのは、医師のやることではない」と開業当時から考えております。

患者の話を聞き体に触れる、基本的な診療

患者さんと接する時に大切にしていることは何ですか?

澤田寿一院長 澤田医院3

患者さんの話を聞いて、ちゃんと体に触れること、これに尽きますね。うちでは、血圧を測ったら必ず聴診器を当てて、脈を診て体に触れるようにしています。患者さんに触らないどころか聴診器すら当てない、診察中にパソコンの画面ばかりに目を向けて、患者さんの顔もろくに見ないなんてことをしたら、それを不満に思う患者さんも少なくないでしょう。例えば「ここが痛い」と訴えられたら、実際に触ってみて、「大丈夫、大したことないよ」って終わる場合もあるし、念のため大きな病院に行ってもらう場合もあります。すべてはここから始まるんですよ。基本中の基本かもしれませんが、これはもう、ずっと心がけていることですね。

患者さんとの距離が近いのですね。

うちに来る患者さんの中には、私と話すのを楽しみにしてくれている人もいると思いますよ。長く通ってくださっているうちに、そういう関係になるんでしょう。例えば、世間話やお孫さんの話だけをして帰る人もいます(笑)。「ワンコーラス終わり!」なんて言ってね。特にご高齢の患者さんは世間話をたくさんされるんですよ。そういうのはまず黙って聞くんです。やっぱり、それを話して患者さん自身がすっきりして帰られるなら、それで良いんです。

地域医療でも連携を大事にしているそうですね。

澤田寿一院長 澤田医院4

はい。25年以上前に、在宅医療のネットワークをつくりました。医師同士の連携を早くから始め、それが今の介護保険の認定委員会などの基礎になっています。市長に働きかけてつくったネットワークが、現在の在宅医療の基盤となりました。ここ数年で、訪問看護ステーションや地域包括ケアシステムの仕組みができて、地域全体で患者さんを支えるスタイルがやっと定着してきました。協力してくれる専門職が増えましてね。口腔ケア専門の歯科医師もいるし、薬の専門家の薬剤師さん、お宅に訪問してリハビリテーションを手伝ってくれる人もいます。デイケアも充実したので、週に何回かはデイケアで温かいお風呂に入って、さっぱりできるようになりましたしね。ここ10年ほどで、地域で支える体制がだいぶ充実してきたと心から感じていますよ。

持続可能な診療をめざして

今でも往診はされているのですか?

澤田寿一院長 澤田医院5

往診は今でも続けていますよ。ただ、積極的に患者さんを増やそうとはしていません。今は、在宅医療専門でやっている医師たちがいらっしゃいます。ですから、今はそういった先生たちに任せられる部分は任せようと思っています。私もだんだん年を取ってきて、昔ほどたくさん回れませんからね。もう一つ大きいのが、先ほど申し上げた訪問看護ステーションの存在です。私が指示を出せば看護師さんが動いてくれますので、訪問診療での負担は以前に比べると、私自身もスタッフもだいぶ楽になったと実感しています。

地域での人的ネットワークも広いですね。

私が地域で長くやってこられたのは、本当に人に恵まれたからです。私は地元に戻ってすぐ、JC(青年会議所)に入ったのが大きかったと思います。JCは医師だけでなく、いろいろな職業の人が集まる組織です。そこで人脈が広がり、その後は医師会やロータリークラブでも活動しました。単にゴルフをするのではなくゴルフ場の事務局なども引き受けて、普段は接点がない人たちとも深く関わってきたんです。医療以外のあらゆる分野の方々ともつながりを持つこと、これが大切なんですよ。そして、一番の秘訣は、私自身が何も言わなくても、信頼できる仲間が周りを固めてくれること。そのためには「患者さん第一」を貫き、人に迷惑をかけないという姿勢をずっと守ってきました。結局、この信頼の積み重ねが、今の私を支えるすべての人脈になっているんです。

最後に、今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

澤田寿一院長 澤田医院6

私はプライベートではゴルフが大好きですが、患者さんに迷惑をかけるようなことは絶対にしたくないという信念をずっと貫いてきました。休診にしてゴルフに行くような医師もいるかもしれません。でも、私は30年近く、原則として休診にしてまでゴルフに行ったことはありません。ゴルフ場の先輩にも「もう休んでも良いだろう」と言われたくらいですが(笑)、これもひとえに「患者さん第一」という姿勢を守ってきたからです。これが私の診療の根本です。休暇を取って海外旅行に行くにしても、患者さんに負担をかけないよう、時差のない場所を選ぶなど、細心の注意を払ってきました。今後の展望としては、やはり「生涯現役」の意識を持ちながら、医療を続けていきたいと思っています。体力的な限界を見据えつつも、これからは知恵を使って私にとっての医療の「持続可能性」を確保し、地域の皆さんのお役に立ち続けていきたいと思います。

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