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神谷 達司 院長の独自取材記事

神谷醫院

(草加市/草加駅)

最終更新日:2020/04/01

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草加駅より徒歩10分、旧日光街道沿いに「神谷醫院」がある。同医院は、院長である神谷達司先生の父が57年前に開業した歴史ある医院。神谷先生は2008年に院長に就任後、2010年に改築して現在の場所へ移転。神谷先生は草加市で数少ない神経内科医で、脳卒中・パーキンソン病・認知症を中心に、生活習慣病など内科診療も手がける。同医院では大学病院と同等の水準で検査が受けられるMRIを導入し、画像診断に裏付けした診断を行う。草加八潮医師会が行政に働きかけ、神谷先生が中心となって認知症検診を2年前に始めたことで、認知症の早期発見にも役立ち、認知症ではないと安心する材料にもなるという。認知症に関する著書も手がける神谷先生に、医院や診療について話しを聞いた。
(取材日2016年4月8日)

内科医だった父の代から57年地域に愛されてきた医院

この医院について教えてください。

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この医院は、私が生まれる1年前に父が開業し、57年間続いています。父は内科・小児科を専門にしていました。私は神経内科医となり、日本医科大学の准教授を経て、岡山大学へ移りました。大学にいた頃はまだ父が元気だったため、草加市へ戻る予定はなかったんです。2007年に父は私が研究していた脳卒中にかかり、診療が難しくなり、後継を考え始めるようになり、翌2008年10月には、岡山大学を退職して、私がこの病院を引き継ぎました。2010年には医院を改築して今の場所へ移り、地域に暮らす高齢者にとって交流の場となるような明るく過ごしやすい雰囲気に仕上げました。近年は独居の高齢者が増え、人と話す機会が少なくなってきています。人と会話をするだけでも物忘れを防ぐことができますので、積極的に来院してもらえるような病院作りをしていきたいですね。

どのような患者さんが来院されますか? 

主に脳卒中・パーキンソン病・認知症が中心で、高齢者が6割です。一方で、私は頭痛専門医でもあるので、頭痛で悩んでいる若い方も多く来院されますね。もちろん高血圧・脂質異常・糖尿病など生活習慣病の管理や風邪・インフルエンザなど内科診療も行っています。108歳の草加市最高齢の方へ往診もしています。

診療時に心がけていることを教えてください。

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患者さんの中には、なぜ治療を受ける必要があるか理解されていない方もいます。病気を理解し、納得して治療を受けてもらうことが大切です。治療は薬を出すだけじゃない。生活習慣病があると認知症も進行しやすく、放置しておくのは危険です。かかりつけ医がしっかり診察することで、認知症の進行を抑えられるんです。患者さんとお話する時は、笑顔で接するように心がけています。医師が上から目線でお話すると、患者さんは説明がわかりにくいだけでなく、聞きたいことも聞けなくなってしまいます。お互いに笑顔でいられるのが一番素敵ですよね。

通い続けられる病院づくりを心がけている

大学病院ではどのような研究をされていましたか? 

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大学病院では、脳卒中のメカニズムと治療について研究をしていました。脳卒中は日本の国民病であり、死因第4位です。岡山大学では認知症を専門的に扱っていたため、認知症の治療に携わるようになりました。今も岡山大学で臨床教授と非常勤講師を務め、年1回医学部の学生に講義を行っています。2016年4月から自治医科大学でも教鞭をとっています。昔は治療法がなかった病気もいろいろな薬が出て、医療技術は進歩しています。患者さんに医療の恩恵を受けてもらえるように、適切な治療を提供していきたいですね。

独居の高齢者が増えているそうですね。

老老介護も独居も増え、今後高齢者の生活がどうなっていくのかを本当に心配しています。認知症が進行すると、薬を飲むことも、通院することもわからなくなってしまう場合があります。病気の進行を防ぐためには定期的な通院が大切ですので、積極的に来院してもらえる病院作りをしていきたいと思います。院内の待合室も、安らげるような空間をイメージしています。患者さん同士の憩いの場として親しんでもらえるようになるとうれしいですね。認知症は早めに気づくことが大切で、適切に診断して進行を抑える薬を使うことで、寝たきりになるまでの時間を長くできるメリットがあります。家族や周囲の人も認知症だと理解できていれば、対処法を考えることができます。ご自身でも元気なうちに、将来の成年後見人や財産の管理や分与について検討することができるでしょう。

導入したMRIについて教えてください。

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2015年12月に、大学病院と同じ水準である1.5テスラのMRIを導入しました。MRIは、大きい病院で1〜2ヵ月前から予約しないと受けられないのが難点でした。MRIを使わず、症状だけで認知症診断を行うのは難しいんです。画像での裏付けが必要です。大きな病院へ行かなくても検査ができる施設を作りたいと思ったのが、MRIを導入したきっかけです。初期の脳卒中・認知症・脳腫瘍・頭痛の原因となる脳内器質性疾患なども、MRIで状態がよくわかるようになりました。病院へ紹介が必要なときも、病気の可能性があるからではなく、検査結果を持って送り出せるので、その後の治療もスムーズですし、患者さんの負担も最小限に抑えることができるんですよ。

大学病院や在宅医療への橋渡しとなるコンシェルジュに

認知症検診への取り組みをお聞かせください。

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認知症検診は、草加八潮医師会から行政に働きかけ、私が中心になって2年前から始めたものです。認知症は症状が進行しても表に出にくいため、見逃してしまうことがあります。そのため、患者さんの顔が見える検診をめざす取り組みを始めました。認知症検診は健康診断に加えて行うだけで、チェックシートを使って市内のかかりつけ医ならどこでも受けられます。チェック項目に従って点数をつけ、疑いがあれば精密検査を勧めるなど早期発見につながります。認知症ではないとわかり、安心したという方も多いと思いますね。検診では6%の方に認知症が見つかっており、たいへん意味のある検診だと感じています。

先生は休日をどのように過ごされていますか? 

休日も忙しく、残った仕事の整理に追われていますね。時間がある時はなるべく外に出るようにしていて、散歩や友人との会食を楽しんでいます。友人とおいしいものを食べ、笑顔で過ごす時間は貴重ですね。医者の不養生と言いますが、特別な健康法はやっていません。3度の食事をきちんと食べ、しっかり睡眠を取ることは意識しています。高齢者の方々を見ていて思うのは、食事が取れなくなると、いろいろな病気が進行するということ。やはり健康に暮らすためには、食事は大切ですね。

今後の展望をお聞かせください。

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私は、地域のかかりつけ医としての役目を大切にしています。病気や治療について丁寧に説明し、納得して治療を受けてもらえるように心がけています。獨協医科大学越谷病院・草加市立病院・日本医科大学付属病院と連携し、ほかの草加八潮医師会の先生方との横のつながりも大切にしています。患者さんの状態を把握し、大学病院や在宅医療への橋渡しとして、地域のコンシェルジュになりたいと思っています。不安なことがあった場合に、何でも気軽に相談できるような患者さんの駆け込み寺でありたいですね。地域医療に携わり、患者さんとの距離が近くなりました。これからもより近づけるように、優しく丁寧に説明して患者さん自身が納得して受けられる安心できる的確な治療に取り組んでいこうと思います。

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