廣瀬 恒 院長、廣瀬 益子 副院長の独自取材記事
ひろせクリニック
(所沢市/新所沢駅)
最終更新日:2024/02/29
1996年、廣瀬恒院長と廣瀬益子副院長夫妻が新所沢駅近くに開業した「ひろせクリニック」。恒院長がリウマチ・膠原病と内科、益子副院長が小児科と、それぞれが専門領域を診る体制でスタートを切った同院は、地域ニーズに合わせて診療範囲を拡大。現在は循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、腎臓内科、内分泌内科、糖尿病内科の各領域にも専門の医師が在籍し、身近な場所で専門的な医療を提供するクリニックとして、地域の患者の健康を守り続けている。互いの専門性を尊重しつつ、息の合ったコンビネーションで地域医療を支え、住民に親しまれるアットホームなクリニックをつくり上げてきた恒院長と益子副院長に取材した。
(取材日2023年12月23日)
地域のニーズに応え、多彩で専門的な医療を展開
お二人のご専門と、開業の経緯についてお聞かせください。
【恒院長】防衛医科大学校を卒業し、リウマチ・膠原病を専門に学びました。その後、米国留学、病院勤務などを経て、妻とともに当院を開業したのが1996年のことです。開業後1年半ぐらいから地域の患者さんの認知度が上がって手狭になったので、現在の場所に新築移転し今日に至ります。
【益子副院長】私は埼玉県出身で、山形大学医学部を経て総合病院の小児科に約15年勤務しました。小児科を選んだのは、未来に向かって羽ばたいていく子どもたちを診る診療科だから。病気の子も、病気でない子も診ることができるのは、小児科ならではですよね。すべての子どもたちが生き生きと育っていけるように、自分の育児経験も生かして診療しています。
多様な診療科がそろっているのは、こちらのクリニックの特徴ですね。
【益子副院長】当初は内科と小児科でスタートしましたが、院長の専門であるリウマチ疾患は肺や心臓に影響が出るケースが多いことや、地域の医療ニーズが拡大したことを受けて、少しずつ診療科を増設してきました。リウマチ科では女性医師の診療時間を設けるなどの工夫もしています。
【恒院長】現在、私が主に内科とリウマチ・膠原病を、副院長は小児科を担当するほか、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、腎臓内科、内分泌内科、糖尿病内科の各領域で専門の医師による診療を行っています。糖尿病患者さんのサポートを行うため、管理栄養士にも在籍してもらうようになりました。CT、MRI、胃・大腸カメラのほか、心臓や動脈、甲状腺などの超音波検査機器も整備しており、デキサ法による骨密度測定器も導入して診療の幅を広げています。
診療方針について聞かせてください。
【恒院長】赤ちゃんから高齢者まですべての患者さんを対象に、大学病院に匹敵する診療レベルを保つべく診断と治療の精度向上に努めています。医療は日進月歩ですから、常に最新で最良の答えを患者さんに提供できるように、院内で定期的に勉強会を開催して、共有すべき意識や情報について話し合い、一丸となって診療に向き合えるようにしています。
【益子副院長】患者さんには優しく親切に、できる限り患者さんの立場を考えて行動することを心がけ、スタッフ全員で「患者さんに満足して喜んで帰っていただきたい」という気持ちを共有して診療にあたっています。待ち時間を削減するため、自動精算機と再来受付機の導入も決めました。勤務歴の長い看護師も在籍し、患者さんのことを熟知しているのでとても頼りにしています。
生活背景や希望に寄り添い、患者と家族を支える
こちらのリウマチ・膠原病の診療には、どのような特徴がありますか?
【恒院長】リウマチや膠原病は長い付き合いになる病気ですから、当院と医師を信頼して治療を続けていただけるよう、心理的安全性の確保を重視しています。また以前は、リウマチは治らない病気とされてきましたが、現在では新しい薬剤の登場によって寛解がめざせるようになりました。当院ではガイドラインに則って治療目標と治療計画を立て、3ヵ月ごとにプログラムを見直して治療を進めていきます。治療のゴールが見えるようになれば、前向きに治療に取り組んでいただけるのではないでしょうか。有用性と安全性が重視されていることをご説明して治験をご紹介することもできます。ただ、新しい薬剤を使うことによって治療が高額になる場合もあるため、その方の生活背景や希望をよく伺った上で治療方針を決める必要があると感じています。
どんな症状があったら、リウマチ科を受診するべきなのでしょうか。
【恒院長】初期の段階では、関節が腫れ、それに伴う痛みを感じます。それ以前に疲れやすい、筋肉がこわばるといったサインを発している場合もありますが、その段階で来院される患者さんは少なく、だいぶ進行してから来院される方が多いのが現状です。残念ながら、今のところ予防法はありませんので、小さな変化を見逃さないようにしましょう。違和感を覚えたらリウマチ科を受診してください。
小児科の診療についても、特徴を教えてください。
【益子副院長】少子化で子どもの人口が減り、治療より、乳児健診や予防接種、生活指導といった予防医学が中心になってきています。予防接種の種類が増え、スケジュールを管理するのが大変という声も耳にしますので、次回接種予定のメモを母子手帳に貼るなどしてサポートしています。私自身、子育てをしながら仕事を続けてきましたから、ご家族の生活背景を踏まえて忙しいお母さんを支えることができればうれしいですね。予想される経過をこちらからご説明したり、疑問や不安を打ち明けていただいたりして、診療後の不安解消にも努めています。
互いへのリスペクトを胸に、地域医療に貢献し続ける
地域を支えるクリニックとして、存在感を発揮している印象です。
【恒院長】私の母校に近い新所沢で開業したのは偶然なのですが、近隣で開業している同窓生も多く、そのネットワークを活用できる点も強みになったと思っています。また、リウマチ・膠原病は一人の患者さんを長く診ますし、小児科も子どもの成長に並走するため、信頼関係を重んじてきたことも良かったのではないでしょうか。新型感染症の流行時には、慢性疾患の方の受診控えが話題になりましたが、当院の患者さんは必要な治療を続けられている方が多かったです。この点も、患者さんとの信頼関係のたまものだと自負しています。
【益子副院長】夫婦でクリニック運営に携わっているので、経営方針などなんでも相談しながら決めてきました。それぞれの専門性を尊重し、お互いをリスペクトしながら連携し合えたことは、地域に根差した診療を行う上でとても大きかったと思います。
今後の展望についてお聞かせください。
【恒院長】長年治療に携わってきたリウマチは、広く診る必要のある全身の病だとあらためて思っています。有用な薬剤が開発されていますが、患者さんにどれが効果的なのかは試してみないとわかりません。近い将来、医学が進み個々の患者さんに適した薬剤がわかり、効率的な治療が実現することを期待しています。また、やはりがんの患者さんは多いので、早期発見で地域に貢献すべく、検診を推奨していきたいですね。社会や地域のニーズに応えられるよう、これからも求められる医療に対応していくつもりです。
地域の皆さんへのメッセージをお願いします。
【益子副院長】当院は感染症対策にも力を入れ、どの診療科にも専門性の高い医師が在籍していますので、安心して受診してください。小児科に関しても総合病院での経験もあり、子育ての経験もありますので、なんでも相談してください。また、リウマチなど慢性疾患で通院されている方は、「血液検査を受けているから」と、意外とがん検診を受けていない方も多く、早期発見のためには市区町村のがん検診をはじめ人間ドックを受けることも大切です。当院では、胃や大腸の内視鏡検査をはじめ、超音波検査や骨密度検査、CTやMRIによる検査などさまざまな検査も行っています。ご家族で健康を守るためにも検査や予防接種などを役立てていただければと思います。