頼 徳治 院長の独自取材記事
ライフクリニック
(川越市/本川越駅)
最終更新日:2026/09/25
西武新宿線の本川越駅から徒歩10分ほどのところにある「ライフクリニック」。1995年の開業以来、子どもから高齢者まで、地域住民の目の健康を支えてきた。院長を務めるのは、頼徳治(らい・とくじ)先生。「目のことで困ったら、まず相談してもらえれば」と、身近な目の悩みに幅広く応えるプライマリケアを大切にし、手術やより専門的な治療が必要な場合には近隣の医療機関や大学病院へとつなぐ。長年勤めるスタッフとともに、こうした診療を30年以上続けている。待合室には患者から贈られた大きな絵が飾られ、地域との長いつながりを感じさせる。穏やかな口調で話しながら、ときおり冗談を交えて笑う頼院長に、これまでの歩みや日々の診療、子どもの近視、白内障・緑内障の受診の目安などについて聞いた。
(取材日2026年8月27日)
開業約30年。地域に根差して診療を続ける
まず、先生のこれまでのご経歴について教えてください。

生まれは東京ですが、医学部がある大学をいくつか受験し、家族とも相談して富山医科薬科大学(現・富山大学)医学部へ進学しました。富山は食べ物がおいしく、山や川などの自然にも恵まれた、とても住みやすい場所でしたね。冬にはスキーも楽しみました。ただ、生まれ育った東京へ戻りたいという思いもあり、卒業後の1985年に東京医科大学の眼科学教室へ入局。そこでさまざまな診療を経験した後、教授の勧めで1991年に都立大塚病院へ移り、3年ほど勤務しました。そこでは、新生児の眼底検査を担当したこともあります。その後、一度大学へ戻って1年ほど勤務し、さらに慈生会病院(現・総合東京病院)で1年間診療に携わった後、1995年に川越で当院を開業しました。
開業から30年を迎えられました。振り返っていかがですか?
患者さんの層は開業した頃からそれほど変わらず、今も近隣にお住まいの方が中心です。30年も続けていると、当時お子さんだった方が大人になり、今度はご自身のお子さんを連れて来てくださることもあります。そうした姿を見ると、長く地域で診療してきたことを実感しますね。一方、この30年で川越駅の周辺には新しい眼科が増え、日帰り手術などに対応するクリニックも多くなりました。医療を受ける選択肢が増える中、当院ではこれまでと変わらず、近隣の方の日常的な目の悩みに幅広く対応しています。何かあったときにまず相談していただける、地域の身近な眼科としての役割を担っていきたいですね。
長く地域医療に携わる中で、大切にしている診療の姿勢を教えてください。

当院では、目に関するさまざまな悩みをまず診る、プライマリケアに徹しています。何か特定の病気や治療に力を入れるというより、「目の調子が悪いけれど、何が原因かわからない」という段階でも気軽に相談していただければと思っています。診察や検査をして原因を見極め、点眼薬や内服薬などのお薬で対応できる場合や、眼鏡・コンタクトレンズによる視力矯正で改善が見込める場合は当院で治療します。一方、現在は白内障の日帰り手術が一般的になるなど、開業当初の30年前と比べて眼科医療を取り巻く環境も大きく変化しました。そのため、白内障や緑内障、網膜剥離、黄斑部疾患など外科的な治療が必要な場合には、患者さんの通いやすさも考慮しながら地域の医療機関と連携しています。より専門性の高い病気であれば、大学病院への受診をご案内することもあります。
子どもから高齢者まで、幅広い目の悩みに対応
現在はどのような患者さんが多く来院されていますか?

小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広い年代の患者さんがいらっしゃいます。年齢によってご相談の内容にはある程度傾向があり、お子さんでは近視などの屈折異常や結膜炎などの感染症が多いですね。特に近年は、スマートフォンやタブレット、ゲームなど、近い距離でものを見る時間が長くなっていることもあり、近視のお子さんは増えている印象です。また、若い方から中年の方ではコンタクトレンズに関する相談、中高年になると白内障や緑内障などで受診される方が多くなります。年代によって起こりやすい症状や病気はさまざまです。当院では、日常的な目のトラブルから継続的な管理が必要な病気まで、まずは幅広く診察し、その方の状態に応じた対応を行っています。
子どもの近視では、どのような診療を行っているのでしょうか?
まず、大人と子どもでは近視治療の目的が違います。大人の場合は、眼鏡やコンタクトレンズを使わずに生活できるようにすることが主な目的ですが、子どもの場合は、成長期に近視が進むのをできるだけ抑えることが目的です。近視は、成長に伴って目の奥行きである眼軸が伸びることで進んでいきます。強い近視になるほど、将来的に白内障や緑内障などの目の病気につながるリスクも高くなるといわれているので、子どものうちに進行を抑えることが大切なんです。当院では、まず検査で目の状態や近視の程度を確認し、必要に応じて眼鏡を処方するほか、近視の進行を抑えるための点眼治療も行っています。近視で受診するお子さんは、本人が見えにくさを訴える前に、学校の視力検査で指摘されて来院するケースがほとんどですね。
子どもの近視を進ませないために、日常生活で気をつけることはありますか?

日常生活でできることは、大きく2つあります。1つは、できるだけ屋外に出て太陽の光を浴びる時間をつくることです。1日2時間程度を目安に太陽の光を浴びると、近視の進行を抑える上での助けになるといわれています。屋内でも太陽の光は入ってきますが、明るさが違いますから、やはり外に出ることが大切です。もう1つは、近い距離を長時間見続けないことです。勉強や読書、スマートフォンなどを見る作業を30分ほど続けたら、30秒程度、5m以上離れたところを見るようにしましょう。とはいえ、お子さん自身が時間を管理するのは難しいでしょうし、親御さんもずっと見ているわけにはいかないと思いますので、スマートフォンの使用時間制限機能などを活用するのも良いと思います。無理なく続けられる方法を取り入れて、日頃から近視を進ませない生活を意識してほしいですね。
健康診査を活用し、目の変化を感じたら気軽に相談を
白内障や緑内障の場合、どのようなタイミングで眼科を受診するとよいでしょうか?

白内障も緑内障も、いわば「目の成人病」のようなものです。どちらも年齢とともに増えてくる病気ですから、50歳を過ぎたら意識してほしいですね。白内障は、眼鏡をかけたままお風呂に入ったときのように、視界が曇って見えるのが代表的な症状です。見えづらさや日常生活での不便を感じたら一度眼科を受診し、単に眼鏡が合っていないのか、白内障が原因なのかを確認してみることをお勧めします。一方、緑内障は自覚症状がほとんどないまま進行することが多い病気です。「視野が欠けている」「見づらくなった」と自分で気づいて受診したときには、すでにかなり進行している場合もあります。ですから、自覚症状がなくても健康診査や人間ドックなどで眼圧や眼底の検査を定期的に受けることが大切です。健診で異常を指摘された場合は放置せず、その年のうちには眼科で詳しい検査を受けてほしいですね。
長く勤めてくださっているスタッフさんも多いそうですね。
当院には20年以上にわたって勤務してくれているスタッフがそろっており、患者さんのことを私以上によく理解していることもあるくらいです(笑)。来院された患者さんへの声かけや診察前の検査も、こちらが指示を出すまでもなく手際よく進めてくれるので、私は安心して診療に集中できます。患者さんは私よりもスタッフと接する時間が長いこともありますから、こうした経験豊富なスタッフの存在は当院の大きな強みですし、本当に感謝しています。
今後、地域の中でどのようなクリニックでありたいとお考えですか?

私ももう60代後半ですから、これから何か新しいことを始めようというよりは、元気なうちはできる限り、これまでと同じように地域の方を診ていきたいと思っています。目のことで困ったときにまず相談していただき、外科的な処置が必要であれば適切な医療機関へつなぐ。そんな身近な眼科としての役割を続けていけたらいいですね。長年一緒に働いてきたスタッフにも支えてもらいながら、これからも地域の方に気軽に来ていただけるクリニックでありたいと思っています。

