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岡本 栄一 院長の独自取材記事

岡本医院

(伊勢崎市/駒形駅)

最終更新日:2024/12/02

岡本栄一院長 岡本医院 main

近隣に医療機関が少なかった時代に開業し、幅広い診療で地域医療に貢献してきた「岡本医院」。2008年に岡本栄一院長が継承し、現在は循環器疾患と糖尿病を中心とした診療を手がける。循環器内科の中でも特に心筋梗塞、狭心症といった虚血性心疾患を専門として研鑽を積んできた岡本院長と、糖尿病を専門とする院長の妻、岡本真由美先生がタッグを組み、一人ひとりにふさわしい治療をめざしている。初診の患者には30分以上時間を取って現状や治療について詳しく説明し、患者自身が納得した上で治療を継続できるよう努めているという岡本院長。時に厳しさをのぞかせながらも、患者にとってより良い治療を追求する誠実な姿勢が伝わってきた。今回はクリニックの歴史から今後の目標までじっくり語ってもらった。

(取材日2024年10月17日)

循環器疾患、糖尿病の継続的な治療に注力

歴史の長いクリニックですね。

岡本栄一院長 岡本医院1

当院は産婦人科の医師だった父が1961年に開業しました。付近に数えるほどしか医療機関がなかった時代で、なんでも診るというスタンスで幅広い診療を提供していました。入院設備を備えてお産を扱いながら、近隣の外科の先生に協力を仰いで婦人科の手術も手がけていました。そんな父の姿を見て育ち、私も自然と医師を志すようになりました。現在は、私の専門である循環器疾患と妻が専門とする糖尿病を中心に診療。循環器疾患と糖尿病を合併している患者さんも多いです。近隣に医療機関が増え、さまざまな診療科の先生がいらっしゃいますので、当院でなんでも診るというよりは専門的な診療にシフトしています。

継承されるまでのご経歴をお聞かせください。

父の影響で医師を志しましたが、大学で学ぶうちに時代の変化を感じるようになりました。というのも、父が医師になった頃は、例えば内科の医師であれば消化器も呼吸器も循環器も全部診て当たり前という時代でしたが、私が大学に入った頃から専門性が重視されるようになってきました。専門医制度が導入され、内科の中でも消化器内科、呼吸器内科、循環器内科などからどれか1つの分野を究めるという考え方が広がってきました。1988年に群馬大学医学部を卒業後、循環器などを専門とする群馬大学第二内科に入局。専門性を持ちつつも関連病院では内科全般の診療に従事し、消化器など他分野についても経験を積むことができました。当院は高齢の患者さんが中心で循環器疾患だけでなく複数の病気があるケースが多いため、当時の経験が生きていると感じます。

どのような患者さんが多く受診されていますか?

岡本栄一院長 岡本医院2

動悸、息切れ、胸痛を訴える方や高血圧症、糖尿病の方が多いです。また基幹病院で急性心筋梗塞、急性心不全、不整脈などの治療を受けた後、当院で再発予防を目的とした慢性期治療を継続されるといった患者さんも多数いらっしゃいます。患者さんの平均年齢は70歳くらい、10年以上通われている方も多いです。なお、初めての患者さんで明らかな消化器の症状があるなど、循環器以外の専門的な治療が必要と考えられる方には近隣の医療機関をご紹介します。ただし、循環器疾患や糖尿病で当院を定期受診されている方については、専門外の症状にも可能な範囲で対応していますので、受診時にご相談ください。そのほか、健康診断で血圧やコレステロール値、血糖値が高いと指摘を受けて来られる方も多いです。将来の治療に影響を及ぼすこともあるため、早めの受診をお勧めします。

長く付き合っていく病気だからこそ納得できる治療を

生活習慣病は循環器疾患との関連が深いと聞きます。

岡本栄一院長 岡本医院3

例えばコレステロール値が高いと狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などが起こりやすくなるため、循環器を専門とする医師は高脂血症の患者さんを診る機会が多いです。また、狭心症や心筋梗塞と糖尿病を併せ持っている方も少なくありません。当院では循環器疾患と糖尿病を合併し、糖尿病を内服薬でコントロールできている方については私が担当しています。ただし、インスリンや注射製剤を使った治療を必要とする患者さんについては、糖尿病は妻が、循環器は私が診ることになるため、患者さんには両方の診察を受けていただいています。また、糖尿病で定期通院されている患者さんの心電図に変化が見られた場合には、私のほうで改めて循環器の診察をするというケースもあります。緊密に連携することで個々の患者さんにふさわしい治療をめざしています。

長く通われる方が多いと思いますが、診療ではどのようなことを重視されていますか?

当院の場合、急性心筋梗塞や急性心不全、不整脈の治療を受けた後、慢性期の治療を継続していく患者さんと、そのような急性期疾患になる手前の高血圧症、高脂血症、糖尿病をコントロールするために通われる患者さんがいます。急性期治療を経てきた方は二度とあのような大変な思いはしたくないと感じているため、抵抗なく慢性期の治療に取り組まれる傾向があります。一方、健康診断で血圧やコレステロール値や血糖値が高いと指摘された方は多くの場合自覚症状がありません。そもそも受診しないという方もいますし、受診したとしても長続きしない方も少なくありません。症状はないものの継続的な治療を必要とする患者さんに対しては、納得して治療を受けていただけるよう丁寧にご説明しますし、なるべく患者さんの印象に残りやすいように、言葉だけでなくスライドやアニメーションなどを用いて視覚的に伝えることを心がけています。

具体的にどのようにお話しされるのでしょうか。

岡本栄一院長 岡本医院4

高血圧症、高脂血症、糖尿病で初診に来られた患者さんには30分以上時間を取り、現状や治療の必要性についてご説明しています。高血圧症でも薬を飲みたくないという患者さんもいますが、薬を飲まなければ血圧のコントロールが難しく、健康を維持できないから薬が必要なんです。当院では最初から薬を使うのではなく、まずは食生活や運動など生活習慣の改善をアドバイスします。それでも血圧がなかなか下がらない場合には、患者さん自身が「薬を飲まないと健康維持できない」と理解して服薬治療を開始できるよう努めています。一方、心配で薬をすぐに飲みたいという患者さんもいますが、いずれも事前に薬が必要な理由をしっかり説明し、病気を安定的にコントロールするには継続的な服薬が必要だとご理解いただくことが大切です。

健康診断で指摘を受けたら早めに受診を

若くても糖尿病や高血圧症になる方が増えているそうですね。

岡本栄一院長 岡本医院5

近年は若年者の肥満や、20~30代でも糖尿病や高血圧症になる方が増えています。糖尿病や高血圧症には肥満が大きく関係しているため、痩せることが病状改善への大きな鍵となります。治療開始が遅れると薬をたくさん飲まなければいけない状態にもなりかねないため、早めに医療機関へ相談されたほうが良いでしょう。実は私も食べると太りやすい体質で、今より20キロほど体重が多い時期がありましたが、食生活の改善と運動習慣でこの10年ほどは体重をキープできています。その方に必要なカロリーは、身長と体重から割り出すBMIと日常的な活動性によって異なり、活動性は職種によって大きな差があります。カロリー摂取量が必要カロリーを下回れば痩せますが、基礎代謝量が落ちると痩せにくくなります。基礎代謝量を維持するには下半身の筋肉を落とさないことが重要です。手軽にできる運動としてウォーキングをお勧めします。

先生の今後の目標を教えてください。

医療は日々進歩しており、ある時点では適切でないと考えられていた治療が実は有用だったということが研究によって明らかになるなど、病気の概念が大きく変わることもあります。そのような医療の進歩にしっかりついていかなければ、患者さんにより良い治療を提供することが難しくなってしまいます。薬や技術が進歩しているのはもちろん、病気の捉え方という意味でも医療は進歩しています。先進医療を学んだ若い先生方とも共通の認識を持って話ができる状態を今後も維持していきたいですし、そのような状態を維持できる限りはこの仕事を続けていきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

岡本栄一院長 岡本医院6

繰り返しになりますが、健康診断で血圧やコレステロール値、血糖値について指摘を受けたら放置せず医療機関を受診しましょう。当院では病気や健康に関する考え方、食へのこだわり、年齢による人生観の変化など、症状だけでなくさまざまな要素を考慮しながら一人ひとりにふさわしい治療法を検討しています。納得した上で治療を継続していただけるよう努めていますので、お気軽にご相談いただければと思います。

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