大山 啓太 院長の独自取材記事
くらがのファミリークリニック
(高崎市/倉賀野駅)
最終更新日:2021/12/28
JR高崎線・倉賀野駅から徒歩11分の場所にある「くらがのファミリークリニック」。内科・循環器内科・小児科を診療する同院の院長を務めるのは、倉賀野町出身の大山啓太先生。父の診療所を引き継ぐかたちで2021年10月に開業した。大山院長の専門は循環器内科で、これまで大学病院や地域の基幹病院で狭心症、心筋梗塞に対するカテーテル治療をはじめとする循環器疾患の治療を手がけてきた。また、専門分野以外にも糖尿病などの内分泌疾患や、肺炎などの呼吸器疾患、脳神経内科疾患、泌尿器疾患など、各科の医師と連携しながら診療に従事。その豊富な経験を生かして、地域のかかりつけ医として新たなスタートを切った大山院長に、診療の際に心がけていることや休日の過ごし方などさまざまな話を聞いた。
(取材日2021年11月24日)
感染症対策を徹底し患者が安心できる環境づくりに注力
開業するにあたって、クリニックの内装や外装でこだわったところを教えてください。
建築デザイン事務所に入ってもらい、開業と同時に内装を変えました。以前からあるステンドグラスや高い天井は残し、子どもが飽きてしまわないように壁色を明るくするなど工夫しています。また、感染症対策として診察室とは別に隔離室を2つ設け、入り口から分けています。発熱や咳などがある患者さんは全員隔離室の入り口から入ってもらい、隔離室で診察をします。隔離室内には簡易陰圧装置を設置し、感染症対策を徹底していますよ。新型コロナウイルス感染症が流行する前からこのように感染症対策を徹底しようと考えていましたが、実際に新型コロナウイルスが流行したことでより確信に変わりました。患者さんには安心して受診してほしいですね。
どのような患者さんが来院されていますか?
患者さんについては、発熱や喉の痛みなどの風邪症状、花粉症のアレルギー性鼻炎などで来院される方が多いですね。あとは、高血圧症や高脂血症、糖尿病、高尿酸血症といった生活習慣病の患者さんもいます。父が診療していた頃から通ってくださっている方もいますので、患者さんの年齢層は子どもからお年寄りまで幅広いですね。子どもの頃に通院していた患者さんが大人になって子どもを連れてきてくれることもあり、親子2代3代で通われている患者さんもいます。
大学病院などで経験を積んでこられましたが、地域の開業医として今後どのような診療をしていきたいですか?
一番は地域住民に気軽に来てもらえるような、身近な存在でありたいですね。まずは具合が悪くなった時に最初に行く窓口のような感じで、とりあえず相談してみようと思ってもらえる場所になりたいです。大きな病院は、地域のクリニックから紹介された患者さんに対し専門的な治療を行います。それに対し、町の開業医は、医療の最初の窓口として、患者さんの診察・診断をし、必要に応じて大学病院など専門の医療機関につなぐ役割も担っています。また、町のかかりつけ医の務めとして、ワクチン接種や、各種検査・検診などを通じて、予防の観点から地域の皆さんの健康維持にも力を入れていかなければなりません。当院では一般的なワクチンを常備し、予約なしでも接種したいときに接種できるような体制を整えています。また、睡眠時無呼吸症候群の検査にも対応していますのでいつでもご相談ください。
かかりつけ医として患者に寄り添い丁寧な説明を大切に
診療時に心がけていることは何ですか?
わかりやすく丁寧に説明することを心がけています。話の中で患者さんが理解しているかどうかを確認しながら説明し、もう少し説明が必要なようであれば、別の言い方で伝えるなど、その患者さんに伝わるようにわかりやすく説明し、理解し納得して自宅に帰ってもらいたいと思っています。特に、原因がわからないような症状で、どの診療科に行っていいかわからないという患者さんは、自分なりの納得した答えがないので当院を受診しているのだと思います。ですので、中途半端で終わらないよう、しっかり患者さんのお話を聞き、信頼関係をつくりながら今後の診療の筋道を立てていきます。大きい病院では重症の患者さんの対応に追われてなかなか一人の患者さんに長く時間を割くことはできませんが、今は時間をかけて寄り添うことができるので、そこが勤務医時代とは大きく変わったところですね。
印象深い患者さんとのエピソードを教えてください。
大きい病院で勤務していた時に、心筋梗塞で運ばれてくる患者さんの治療を数多く手がけてきました。治療が終わって急性期を過ぎた患者さんをその後も外来で診ることがあるのですが、多くの方がその後何年たっても「あの時はありがとうございました」と、感謝の気持ちを伝えてくれるんです。5年以上たってもいまだに感謝されていますので、僕もうれしい気持ちになります。
先生が医師をめざしたきっかけは何だったのでしょう。
父の影響ですね。小学生から医師をめざしていて、父のクリニックを継ごうと思っていました。もともと内科志望で、大学は金沢医科大学へ通うため石川県に行きましたが、卒業後は群馬県に戻ってきて、さまざまな病院で経験を積んで開院に至りました。少年時代を過ごし、今も友人やその家族が多く住むこの町で仕事ができることをとてもうれしく思っています。
健康に不安があるとき、最初にかかる医師をめざす
大山院長が自身の健康で気をつけていることはありますか?
実は、1年半前は今より15Kg太っていたんですよ。こうして痩せることができたのは、同窓会で同期の友人にジム通いを勧められたのがきっかけです。最初はやる気はあっても体がついてきませんでしたが、ちょうど開業前でしたので、体づくりのためにも頑張りました。開業後は体調が悪いから休みますなんて言えませんからね。減量しているうちに洋服のサイズが変わり、礼服やスーツなども買い替えることに。友人にも痩せたねと言われました。これからは食事の内容にも注意しながら、自分の経験を生かして、患者さんの健康維持につながるようなアドバイスがしていければと思います。
お忙しい毎日かと思いますが、休日はどのようにリフレッシュしていますか?
基本的に体を動かすのが好きで、開業前は先ほどお話ししたようにスポーツジムに通い、パーソナルトレーナーにもついてもらって体を鍛えていました。しかし、開業してからはなかなか時間が取れなくなり、最近はウォーキングをしています。息子を連れて高崎駅まで歩いて、帰りは電車に乗って帰ってくるといった感じで楽しんでいます。息子は小学生ですが、大きくなるとこうして過ごす時間も少なくなるかもしれませんから、今のうちに一緒にウォーキングしたり、自転車に乗ったり、キャンプをしたりして、親子の時間を楽しんでいます。庭にテントを張って生活したことも後できっといい思い出になると思います。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
開業したばかりなので、まずは地域の皆さんに認知してもらうことからですね。当院は、「健康に何か不安があるとき、最初にかかるお医者さん」をめざしており、地域の皆さんが気軽に通院できるような雰囲気づくりに努めています。また感染症対策も徹底し、発熱症状のある患者さん専用の入り口と一般の患者さん用の入り口を分けるほか、スリッパも一度消毒液で拭き掃除を行い、紫外線装置で滅菌を行った後にお出ししています。地域の皆さんに安心して受診していただけるよう環境を整えていますので、ちょっとした症状でも不安なこと、調子が悪いけれども何科にかかればいいかわからないといったときには、ぜひお気軽にご相談ください。