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長谷川 徹 院長の独自取材記事

長谷川医院

(高崎市/高崎駅)

最終更新日:2022/07/01

長谷川徹院長 長谷川医院 main

1953年に高崎市石原町に開業した「長谷川医院」。院長を務める長谷川徹先生は85歳。年齢を感じさせないバイタリティーにあふれた現役医師だ。日本大学医学部卒業後、同大学第一内科学講座で気管支喘息を専門に学び、1975年に父から同院を継承。高血圧や糖尿病など生活習慣病を中心に診療し、地域の高齢者の健康を支えている。50年以上にわたり、医療の変化や進化を見続けてきた長谷川先生。その言葉からは、経験に裏打ちされた自信と重みが感じられる。一方で、人柄は親しみやすく朗らか。長年通う患者が多いのも納得だ。昔ながらの温かい雰囲気の院内で、同院の歩み、診療に対する思い、健康の秘訣などについて、じっくりと話を聞かせてもらった。

(取材日2022年5月16日)

同じ病気でも病状は千差万別。一人ひとりに合わせ治療

こちらのクリニックでは、どのような患者さんが多いですか。

長谷川徹院長 長谷川医院1

70歳以上の高齢の方がほとんどです。私より年上の方も10人近くいらっしゃるでしょうか。父の代からの患者さんも2人ほどおられますよ。30年、40年と長く通ってくださっている方も多いですね。主訴としては、高血圧や糖尿病が大半を占めています。あとは風邪や頭痛、腹痛など一般的な内科の症状です。私自身、高齢ですので、マイペースでのんびりと診察させていただいています。

スタッフの方も長くお勤めされているそうですね。

スタッフは、受付事務と准看護師、それぞれ1人ずつです。受付事務の方は30年以上、准看護師の方はもうすぐ20年。長いお付き合いになりますね。2人とも私の方針や治療に対する考えをよく理解してくれていて、当院にはなくてはならない人材です。少人数ですからできることには限りがありますけれども、チームワークで乗り切っています。

診療をするときに心がけているのはどのようなことですか。

長谷川徹院長 長谷川医院2

患者さんとしっかり向き合い、お一人お一人に合わせて治療することですね。高血圧、糖尿病といっても、症状や進行の程度など病状は個人差があります。長年たくさんの方を診療してきましたが、一人として病状が同じ方はおられません。内科では患者さんとのコミュニケーションが特に大切ですから、時間をかけてじっくりお話しします。その上で、「この方にはこの治療法がいいかな」「このお薬よりこっちのお薬のほうがいいな」などと考えるのです。どのお薬が適しているかは使ってみないとわかりませんので、お薬の種類を決めるまではいつも大変ですね。

長生きには努力も必要。認知症対策には散歩を

高齢になっても元気に過ごすために、患者さんにはどのようなアドバイスをされていますか。

長谷川徹院長 長谷川医院3

最近、「長生きしたいんです」とおっしゃる方、多いんですよ。そんな方には「あなた自身の努力が必要なんですよ」とお伝えしています。お薬を飲んでいれば、それでいいというわけではありません。ちゃんと努力しないと駄目なんです。健康長寿のために私がお勧めするのは、散歩です。近年の研究で、よく歩くと認知症になりにくいことがわかってきました。そこで、患者さんに「長生きしたいなら、散歩をしてください」と言い続けています。当院の周辺は烏川の河川敷など散歩にぴったりの場所が多いですし、ちょうどこれから過ごしやすい気候になりますので、皆さんに歩いていただきたいですね。

食事も大事だと思うのですが、食生活の面ではどのような助言をされていますか。

肥満の方には「食事に気をつけて体重を落としてください」とお伝えしています。食事に関して特に良くないのは晩酌ですね。y(ガンマ)‐GTP等肝臓機能障害を起こしやすいからできれば夕飯は夕飯で食べて、どうしても飲みたいのなら、寝る直前に少しだけ飲みましょう。私は365日飲んでいます。ビールもウイスキーも日本酒も大好きです。でも、寝る直前に少量だけと決めています。飲み過ぎることがありませんし、おつまみと言ってもチーズを少しかじるぐらいですから、適正体重をキープしやすいんですよ。

お酒の飲み方を工夫されているのですね。健康のために先生が他にされていることはありますか。

長谷川徹院長 長谷川医院4

ゴルフと散歩ですね。ゴルフは知り合いの先生と一緒に回ったり、高崎市医師会のゴルフ部の集まりに参加したりしています。最近は車の運転がおっくうになって、近場限定ですけど(笑)。ただ、85歳になっても仲間と一緒にゴルフを楽しむことができるのは、幸せなことだなと思いますね。散歩は日課になっています。週に3~4回、多いときは1日1万歩くらい歩いています。散歩を始めたきっかけは、20年ほど前に天井がぐるぐる回るようなめまいを経験したこと。3ヵ月ほどでしたが、その間は歩くこともままならなかったんですよ。その後、歩いたほうが調子がいいことに気づいて、習慣化しました。散歩をお勧めしているのには、このような自分の経験もあるからなんです。今では1時間でも時間が空くと散歩に出かけるほど。苦になることはなく、逆に楽しみになっていますね。

85歳で現役。50年以上のキャリアを生かし診療

先生が医師をめざしたのは、やはりお父さまの影響が大きかったのでしょうか。

長谷川徹院長 長谷川医院5

そうですね。われわれの年代は親の後を継ぐのが当たり前で、他の仕事は頭になかったですね。内科を選んだのも、父が内科だったからです。気管支喘息を専門に選んだのには、ちゃんと理由がありますよ。大学5年生の春休みのこと。自分の気になる教室を2週間見学できるという制度があり、私は第一内科学講座に行きました。見学期間中に講師の先生方がそれぞれの研究について説明してくださって、その中で私が最も興味を引かれたのが、気管支喘息だったのです。当時、気管支喘息の治療は対症療法しかなかったのですが、後に私の恩師となる先生が根本的な治療の研究を始めたところだったのです。日本全国でも気管支喘息を専門に研究をしていた大学は数少なく、これから広がっていく分野だと思い、わくわくしながら勉強に励みました。

大学卒業後や研修医時代など、若い頃はかなりお忙しくされていたようですね。

大学で勉強しながら、父の手伝いをしたり、各地の関連病院でアルバイトをしたりしていました。休みなく働いていましたので、とても忙しかったですね。大阪では病院関連のゴルフ場を利用することができて、3ヵ月の間にゴルフを覚えました。仕事も遊びも一生懸命で、いい時代でしたね(笑)。30歳代後半で実家に戻り、父の医院を継承しました。当時は往診を希望される方が多かったんですよ。そのため、夜中に起こされることもしばしば。睡眠不足になり体力的にも大変でしたが、若さで何とか乗り切った感じですね。もう一つ、忙しかったと言えば、2000年に介護保険が始まってからです。私は特別養護老人ホームの嘱託医を20年間務めていたのですが、120人ほどの入居者の方がいらして、診療に加えて亡くなった方の確認や主治医意見書の記入など、この時期も多忙でしたね。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

長谷川徹院長 長谷川医院6

私の周りには「生涯現役」という先生もいらっしゃって、それもすてきだなと思うのですけれども、この年齢ですから引退はそろそろでしょう。3人の子どもはそれぞれ好きな道を歩いていますし。ただ、やめたらどうするんだ? 何をするんだ? とは思いますね。毎日ゴルフに行くわけにもいかないですし(笑)。しばらくは将来どうするか考えながら、このまま診療を続けていこうと思っています。

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