全国のドクター9,182人の想いを取材
クリニック・病院 158,625件の情報を掲載(2024年4月25日現在)

  1. TOP
  2. 群馬県
  3. 高崎市
  4. 高崎駅
  5. 耳鼻咽喉科長谷川医院
  6. 長谷川 等 院長、長谷川 央 副院長

長谷川 等 院長、長谷川 央 副院長の独自取材記事

耳鼻咽喉科長谷川医院

(高崎市/高崎駅)

最終更新日:2022/07/07

長谷川等院長、長谷川央副院長 耳鼻咽喉科長谷川医院 main

高崎駅より2km程度に位置する「耳鼻咽喉科長谷川医院」は、親子2代で診療を行うクリニックだ。院長の長谷川等(ひとし)先生は1977年に日本大学医学部を卒業し、大学病院で研鑽を積んだ後、1987年に同院を開業した。息子で副院長の長谷川央(ひさし)先生も2007年に日本大学医学部を卒業し、大学病院勤務や米国留学、医学博士号の取得などを経て、2022年に同院の副院長に就任。現在も日本大学の耳鼻咽喉・頭頸部外科の兼任講師を続けながら、診療にあたる。央副院長は主に火曜・木曜・土曜と、不定期で水曜日に診療を行っているという。今回は両人に、同院のあゆみや現在の診療の特徴、今後の展望などについて語ってもらった。

(取材日2022年4月28日)

開業から35年間、地域の耳鼻咽喉科医療を担う

先生方は同じ大学の出身なんですね。

長谷川等院長、長谷川央副院長 耳鼻咽喉科長谷川医院1

【等院長】はい。実は私たちは小学校、中学校、高校、大学と同じ学校を卒業しているんです。
【央副院長】大学卒業後の医局も同じです。私が入局した後は、父に指導を受けた昔の思い出を懐かしそうに話す父の後輩の先生方に指導を受けました。入局して知る父の、私が知らない面を聞くのはとても面白かったです。

院長先生が耳鼻咽喉科を選び、この地で開業した理由は何ですか?

【等院長】もともと私の父が内科の医師として、この近くで開業していたこともあり、医師になった時からいずれは群馬に戻って開業しようという気持ちがありました。耳鼻咽喉科を選んだのは、当時耳鼻咽喉科をめざす医師が少なかったこともあり、即戦力としてすぐに診療に携わらせてもらえるのでは、と感じたからです。大学病院に勤務していた時は、頭頸部がんなどの手術を多く経験してきました。実際に耳鼻咽喉科の医師をやってきて、自分一人でさまざまな病気を診療できる点が自分には合っていると感じています。

副院長先生は初めからこのクリニックを継ぐつもりだったのでしょうか。

長谷川等院長、長谷川央副院長 耳鼻咽喉科長谷川医院2

【央副院長】実は実家のクリニックで働くつもりはまったくありませんでした。大学で高度な医療を極めていくつもりでしたが、少し父の仕事場で働いてみよう、と気軽な気持ちで週に1回手伝い始めました。いわゆる地域医療に従事する日が始まったわけですが、裾野の広い、耳鼻科領域にとらわれない一人の医療者としての仕事の深さと、何十年にもわたる可能性のある人付き合いの中で、正面から向かい合い続けなければいけない医療の難しさにとても衝撃を受け、自分の中でエネルギーが湧いてくるのを感じました。大学病院での医療ももちろん面白かったのですが、自分の生涯を通した社会貢献の意義を地域医療に感じました。そうした想いがクリニックの承継を決めた理由です。まだ大学での仕事と、医学貢献へのやるべき研究が残っているので毎日ではありませんが、2022年4月にクリニックの勤務を増やし、本格的に将来の承継へと準備を始めました。

耳管開放症や狭窄症、音声喉頭疾患などの診療にも従事

こちらのクリニックにはどのような患者さんがいらっしゃいますか。

長谷川等院長、長谷川央副院長 耳鼻咽喉科長谷川医院3

【等院長】開業当初は近くで内科の開業医をしていた父の患者さんが多く来てくださいました。患者さんに「お父さんにいつもお世話になっています」と言ってもらえると、誇らしかったですね。ちなみに、父のクリニックは私の兄が後を継ぎました。子どもの頃に通ってくれていた患者さんが大人になり、その子どもを連れて来てくださると「長くこの地で続けてきて良かったな」と思います。

特に力を入れている診療は何でしょうか。

【央副院長】当院は耳鼻咽喉科として幅広い診療を行っています。中でも、私が特に力を入れているのが耳管開放症・狭窄症や、音声障害などの喉頭疾患の診療です。耳管開放症・狭窄症は、耳がふさがったような感じや自分の声がひびくような耳の違和感といった症状がありますが、聴力検査では異常が出にくいため、「気のせい」などと言われてしまうことも多い病気でした。また、音声障害は声がかれたり、ふるえたりするような病気のことです。どちらの病気も命に関わる病気ではありませんが、患者さんの中には生活に支障が生じ、お困りの方も少なくありません。まだまだ認知度が低い病気なので、お悩みの方には病気の存在を知っていただき、気軽に受診していただきたいです。

慢性上咽頭炎に対する治療も行っていると伺いました。

長谷川等院長、長谷川央副院長 耳鼻咽喉科長谷川医院4

【央副院長】耳や鼻、のどなどになかなか治らない症状がある方に提案しています。耳鼻咽喉科にいらっしゃる患者さんは「鼻がなんとなく詰まっている」など、検査数値では示せない感覚異常を訴える方も少なくありません。このような状態で治療薬を処方しても改善の傾向がみられない方は、のどの上のほうに慢性的な炎症が生じている可能性があります。そこにアプローチすることで改善につながる場合もあります。すぐに治療を望まない方でも、まずはファイバースコープを使ってのどの上部を観察することができますので、どんな症状でも気軽にご相談いただきたいです。

親子2代で地域の耳鼻科診療を担っていきたい

親子で診療を行っていてどのようなことを感じますか?

長谷川等院長、長谷川央副院長 耳鼻咽喉科長谷川医院5

【等院長】私と息子は同じ大学や医局出身ではありますが、医療を学んだ時代が30年以上離れています。耳鼻科の場合、治療に使用する機械や治療薬についてはそこまで大きな違いはありませんが、診療の行い方にさまざまな違いがあり、息子と一緒に働くようになって「今はこうやるのか」と日々学ぶことがたくさんあります。昔から変わらない部分もありますが、専門性がより深くなったと感じ、医学の進歩に感動することも多いですね。
【央副院長】父はとても寛容な人間であるということをいろいろな場面で日々実感します。ときには遠くの医療機関に紹介することもあり、本当にそれで良かったのかと悩むこともあります。父に相談すると決まって、「患者さんが望むのであれば、それで良いんじゃないか。」と返答し、背中を押してくれます。正解のないような問題に対しても、経験からくれる多くのアドバイスはとても勉強になります。

今後の展望について聞かせてください。

【央副院長】それぞれの方にベストな医療を提案し続けることと、質問や不安を全部出しきって家に帰ってもらうことを心がけていきたいと思っています。一人ひとりの診察になかなか時間がかかることも多いですが、患者さんにとってのメリットを最優先にしたクリニックを追求していきたいです。東京の大学病院で働いていると、群馬を含めた地方からわざわざ紹介されてくる方に多く出会います。全員というのは無理ですが、それらの方の通院の負担を和らげられるような医療を群馬で提供していけたらと思っています。
【等院長】私は医師として働き始めて今年で45年になりますので、そろそろ引退を考えるようになりました。昔は「医学部卒業後の医師の実働年数は45年」といわれたものですが、今はもう少し長いかもしれませんね。私も50年を目標にあと数年頑張って、バトンタッチを考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

長谷川等院長、長谷川央副院長 耳鼻咽喉科長谷川医院6

【央副院長】耳鼻咽喉科では、さまざまな病気を診療しています。病院に行くべきか悩むような症状や、どの診療科に行けばいいかわからないような症状であっても、お気軽にご相談ください。加えて、普段何気なく使っている点鼻薬の投与方法や薬を飲むタイミングによっても期待できる効果は大きく変わってきます。さらに、薬以外の方法で症状を改善させるための手段もそれぞれの症状で複数あります。小さなことではありますが、せっかく治療を受けるわけですから、そういった日々のコツのようなものもできるだけ提案させていただけたらと思っています。エイジングケア分野の医療も進んでいますので、加齢による症状で治療の方法はないなどと考えず、一度ご相談いただけたらと幸いです。

Access