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村上 和隆 院長の独自取材記事

蒲郡クリニック

(蒲郡市/蒲郡駅)

最終更新日:2019/08/28

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蒲郡市南部に位置する「医療法人松風会 蒲郡クリニック」は2階建ての広々とした、きれいなクリニック。1階は内科全般を診る外来、2階は手術室や個室もある透析部門となっている。村上和隆院長は、総合内科ならびに腎臓内科を専門とする医師で、他に糖尿病、循環器、消化器など非常勤で専門の医師もそろっており、幅広く、かつ専門的な治療を行うことができる。「患者さんにとって身近で安心できる場であるとともに、きちんとした医療を提供できる場でありたい」と穏やかに語る村上院長。住まいも名古屋から蒲郡に移し、公私ともに地域に根を張っていきたい考えだ。優しい笑顔に丁寧な話し方が印象的。あまり知られてない腎臓疾患についても、ゆっくりとわかりやすく教えてくれた。
(取材日2018年11月17日)

病院とも連携し、腎臓疾患を中心に内科全般を診療

こちらは2017年に新築移転されたそうですね。

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近くにあった前の病院は4階建てで入院室もありましたが、当時の院長が亡くなってから入院室も使わなくなり、建物が老朽化したこともあって、より広いこの地に新築しました。現在、1階は一般内科、2階は透析部門となっています。透析用のベッドは55床あり、延べ120人ほどが利用されています。外来は、私と、前の病院時代からの井野佐登先生が常勤で担当しており、加えて糖尿病、循環器、消化器、甲状腺、そして内視鏡検査と、それぞれ専門の医師に外部から来ていただいて、幅広く総合的な診療を行っています。患者さんは、中学生や高校生の学生さんから、中高年、ご高齢の方にも来ていただいています。市内を中心に、インターネットで腎臓内科の情報を調べて市外から来られる方もいらっしゃいます。

先生のご経歴や開業の経緯について教えてください。

私は現在の藤田医科大学の出身で、20年以上、藤田医科大学病院の腎臓内科で臨床に携わっていました。かつて井野先生が腎臓の勉強のために週1回大学に来られており、私も20代と40代の頃に、こちらにお手伝いに来ていましたので、ずっとご縁はあったわけですね。ここで見た検査データに気づきを得て、学会で発表をしたこともありました。井野先生はそんなことも心にとめていてくださっていたのでしょうか。院長にと声をかけていただいたときは青天の霹靂ともいえるほどでしたが(笑)、お役に立てるならとお受けすることにしたんです。当時は名古屋に住んでいましたが、今は蒲郡市内に居を構えています。市民の皆さんの健康を近くで支えていきたいと思います。

2012年に勤務医から開業医となられ、感じられたことはありますか?

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大学病院時代は臨床に加え、私なりに一生懸命、学会活動もしており、周りの目は気にしていませんでした。しかし、こちらに来てみると、大きな病院のいろいろな大学出身の先生方が私のことをよくご存じで評価してくださっており、正直驚きました。たいへん良くしてくださり、病院との連携もスムーズにできて、非常にありがたいことだと思っています。研究会などを通じて市中病院の先生方との交流があるので、お人柄や得意分野を知った上で患者さんを紹介することができます。特に腎臓疾患においてはより安心していただけると思います。

血液検査も即日、症状に合わせてきめ細かい治療を実践

先生の専門である腎臓病について教えてください。

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患者さんの年齢層は50~80代、男女比は6対4で男性が少し多いぐらいでしょうか。健康診断で引っかかって来られる方や、もともと糖尿病や高血圧で腎臓も悪くなったという方がほとんどですね。自覚症状がありませんので、病気の早期発見のためには健診を受けることが最も重要です。腎臓病で一番怖いのは、透析になってしまうこと。2016年の日本透析医学会の統計調査によると、日本では約33万人が透析をしていますが、水面下では慢性腎臓病(CKD)の方が6人の1人と推定されています。腎臓の機能が正常の状態の6割ほどまで下がると慢性腎臓病といえますが、加齢に伴い自然に機能は低下しますし、症状が軽いまま悪化しない方もいます。腎臓の病気かどうかは、採血して血清のクレアチニン値、eGFR(糸球体ろ過率)や、尿検査でタンパク質の量を見ることで診断することができます。当院では、血液検査の結果は即日お伝えするようにしています。

腎臓の病気の治療はどのように進むのでしょうか?

特効薬があるわけではありませんので、通院していただき、腎臓を悪くする周辺の病態を薬で抑えていくことが基本になります。例えば糖尿病であればそれをコントロールしていく治療ですね。血糖や血圧、コレステロール、尿酸などの値を管理、調整し、重い場合はインスリン治療を行っていきます。それでも腎臓病はじわじわと悪くなっていくことが多いので、タイミングを逃さず適切に対応するようにしています。治療と合わせてウォーキングや軽い水泳など、息がそれほど上がらない気持ちよい程度の有酸素運動もお勧めしています。食事は、腎臓病治療のためには低塩、低タンパクにすることが大事ですが、カロリーを補うためには脂肪や糖質を摂取しなければならず、それでは糖尿病には良くありません。状態に応じて、食事も薬やインスリンの量も、細かく配慮することが重要になります。

それぞれの症状を見極めて治療をしてくださるのですね。

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治療のガイドラインはありますが、もちろんすべての方にそのまま当てはまるわけではありません。例えば若くて体もしっかりした方には低タンパクの食事を指導しますが、痩せたお年寄りに食事制限をすると、とにかく食べないほうが良いと極端に解釈され、さらに痩せてしまい、透析になってから予後を悪くする可能性もあります。ですから、そうした方には食事制限については言いすぎないようにしたり、肥満の方には体重を増やさないように指導したり、患者さんに合わせて治療を進めます。当院には管理栄養士がいますので、食事についてはきちんとアドバイスさせていただきますよ。

患者が頼れるクリニックとして地域に根差していきたい

先生がいつも心がけているのはどんなことでしょうか?

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診察を「はしょらない」ということです。患者さんがたくさん待っておられるなと思っても焦らず、ある程度時間をかけて丁寧に診察することを心がけています。内科ではありますが、3人に1人は、心も苦しんでおられると感じます。ですから精神面でのサポートも大切にしており、機械的な接し方はしたくないと思っているのです。不安が強い方には、「ここに気をつければ、ここは安心していいですよ」というふうにお話ししたりします。また患者さんの話をさえぎらないようにも気をつけていますね。当院は電子カルテではありませんので、パソコンではなく、患者さんの顔を見てお話を伺うようにするのも心がけの一つです。

先生はそもそもなぜ医師を、その中でも腎臓内科専門の医師をめざされたのですか?

両親は婦人服の製造卸販売の仕事をしていましたが、親戚に医師が多く、私も理系科目が得意でしたので、周りの助言もあって医学部に進みました。腎臓は血液の浄化や、体内の水分量の調整、ホルモンの分泌などいろいろなことを行っており、講義を受けたときに、「かしこい臓器だな」と興味を持ちました。それと私自身が小学生の頃、腎炎にかかったことも腎臓内科を選んだ理由の一つかもしれません。当時、腎生検は受けておらず正確な診断はわからないのですが、溶連菌感染後の急性糸球体腎炎だったのかと思っています。1ヵ月ほど入院し、塩分なしで酢の物ばかりの食事が2~3ヵ月続きました。最終的には扁桃も取り、患者の立場となった貴重な経験でした。

これから力を入れていきたいことなどお考えをお聞かせください。

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病気について理解を深めていただき、それによって患者さんが積極的に治療に取り組んでくださるといいなと考えています。そのため電話で、あるいは直接来ていただいて、不安なことや疑問について私がお答えする腎臓病についての無料相談室を立ち上げたり、先だっては市民公開講座で慢性腎臓病について話をしました。食事や運動も関わってきますのでご家族もぜひ相談に来ていただければと思います。患者さんは何かしら困っているから当院へ来られるわけですので、少しでも安心して帰っていただきたいというのが私の望みです。待合室の一角のカフェコーナーには、一部、無料の飲み物もあるのですが、そこでくつろいでいる方々を見るとうれしいです。当院が来て安心できる、居心地の良いクリニックとして地域に根付いていければ幸いです。

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