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小堀 陽一郎 院長の独自取材記事

瀬戸内海病院

(今治市/今治駅)

最終更新日:2021/10/12

小堀陽一郎院長 瀬戸内海病院 main

1977年の開業以来、40年以上地域の健康を見守り続ける「瀬戸内海病院」。開業時は小児科と内科を掲げていたが、初代院長である小堀迪夫先生と、徳永常登先生の「来る患者はすべて診る」のスタンスのもと科目を拡充。現在は10の診療科に対応している。現在院長を務める小堀陽一郎先生は、日本消化器病学会消化器病専門医と日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、消化管疾患にも幅広く研鑽を積んだ消化器のスペシャリスト。専門的な医療を提供しつつプライマリケアの精神を持ち、一人の患者を病院全体ひいては地域全体で診る環境と意識の構築に努めている。地域連携室や介護サービス施設の運営など、新たなチャレンジを続ける小堀院長に、地域医療への想いや日々の診療のやりがいについて語ってもらった。

(取材日2020年11月24日)

プライマリケアを大切に、地域医療を支え続ける

院長に就任されて10年がたちました。

小堀陽一郎院長 瀬戸内海病院1

そうですね。2010年に父の後を継いで院長に就任しましたので、今年でちょうど10年になります。当院はもともと、1977年に小児科の富田病院を継いで瀬戸内海病院として、私の父と叔父が共同で開業した病院です。富田病院の専門は小児科で、父と叔父の専門は内科。最初はこの2つを診療科として掲げていましたが、開業当初から「来る患者さんはすべて診る」というスタンスで診療していましたので、父も叔父も専門の枠にとらわれず、日々勉強と研鑽を重ねながら、目の前の患者さんに向き合ってきました。私は幼少の頃から、昼夜を問わず患者さんのために働き続ける父の姿を見ていましたので、ごくごく自然な流れで、将来は医師になることを決めていたように思います。

プライマリケアを大切にされているようですね。

当院は常々、地域のかかりつけ医でありたいと考えています。相談事や困り事があったら、いつでも気軽に頼りにされる存在。つまり、あらゆる症状を訴えて当院に来られたすべての患者さんを総合的に診ることをモットーに医療を提供しています。そういう意味では、当院は開業してから40年以上にわたって、プライマリケアを実践してきたと言えるのかもしれません。現在、当院では内科・外科など10の診療科を掲げていますが、診療科を問わず当院のスタッフは皆、このプライマリケアの精神を共有しています。分け隔てなく、患者さん一人ひとりの全身をしっかり診る。この精神はこれからもずっと、大切にしていかなければいけないと思っています。

救急医療にも取り組んでいらっしゃいますね。

小堀陽一郎院長 瀬戸内海病院2

今治市の救急医療体制は現状、非常にひっ迫しています。私自身、この点について強い危機感を持っていますし、今治市医師会の理事としても、行政や大学病院などと連携しながら、この状況を改善するための措置を講じている最中です。また当院は二次救急医療の輪番病院でもあり、今治市の救急医療の一翼を担う存在としての使命感や責任感も感じています。ただ、救急医療は迅速かつ正確な診療が求められるぶん、医師や看護師など、スタッフに課される負荷はたいへん大きいものです。院長として、スタッフの負荷やストレスを減らすための努力をするのは当然ですし、スタッフの子どもたちを主な対象にした保育園を運営しているのも、そうした考えの一環からです。患者さんに対してはもちろん、働くスタッフにも優しい病院でありたいと考えています。

院内外の連携を駆使して「優しい医療」の提供をめざす

院長のお話には「優しさ」という言葉が多く出てきますね。

小堀陽一郎院長 瀬戸内海病院3

そうですね。私は常に、当院は優しい病院でありたいと思っているんです。先ほどもお話ししたとおり、患者さんに対しても、働くスタッフに対しても。優しさとは言葉を換えれば、思いやりです。例えば、腹痛を訴える患者さんがいらして、胃腸科にかかって胃カメラなどの検査で異常がなければ解決かというと、それは違うと思います。十分な病歴を聴取することや、全身をくまなく調べることで正確な診断にたどりつくこともありますし、各科の医師、スタッフと協力して原因を突き止め、解決できなければ高次病院にも協力を依頼します。とにかく不安や苦痛を抱えて来院された患者さんを思いやり、できる限り原因究明や治療につなげ、少しでも楽になって安心して帰っていただきたいと考えておりますし、当院は開院当初から「患者さんに安心していただくことが使命」を基本理念として実践を心がけております。

ほかの病院と具体的にどのような連携をしているのでしょうか。

当院は地域のかかりつけ医でありたいと考えていますが、それはつまり、クリニックと大規模病院の橋渡しの役割を担うべきでもあると考えています。クリニックで入院が必要と判断された患者さんを引き受けたり、診断がつかない患者さんを受け入れ、精緻な検査と診察を通じて、正確な診断に努める。その結果、より専門性の高い治療を受ける必要があれば大規模病院に紹介することもあります。さらに治療後にクリニック通院、在宅復帰までの回復期の治療やリハビリテーションを担う、こうした他院との連携を支えているのが、当院内にある「地域連携室」です。各医療機関の医師との連絡窓口であり、紹介された患者さんの予約や入院相談などの事務手続きを一手に担っています。地域全体で一人の患者さんを診る、そんなモデルケースになり得る取り組みではないかと自負しています。

定期検診の重要性も訴えられていますね。

小堀陽一郎院長 瀬戸内海病院4

あらゆる病気に共通して言えることは、早期の発見と治療の大切さです。そして、早期に病気を発見するためには、定期的な検診が欠かせないんです。例えば胃や大腸のがんであっても、早期に発見できれば、身体的にも経済的にも負担の少ない治療で完治をめざすことは可能です。ほとんどのがんは、かなり進行しなければ症状が現れません。ですから私は、来院される患者さんに対して機会を見つけては、定期検診の重要性と必要性をお伝えしていますし、見慣れた患者さんの些細な変化にも敏感であろうと努めています。それこそが、かかりつけ医に求められる大切な役割ではないでしょうか。

一人の患者を地域全体で診る環境と意識を構築

医師の仕事のやりがいは何でしょうか。

小堀陽一郎院長 瀬戸内海病院5

患者さんが病気を克服し、健康な体と明るい笑顔を取り戻すことに尽きるのではないでしょうか。以前、さまざまな治療を受けても一向に病状が改善せず、悩みに悩んでいた患者さんがいらっしゃったのですが、診察すると正確な病態がわかったため、適切な治療を行うことにつながり、とても喜んでいただきました。そうした姿を見ることができるのは、医師の仕事を続ける大切なモチベーションになりますし、これからも患者さんが本当に満足できる診療を提供していこうという向上心にもつながりますね。

ご自身をどのようなタイプの人間だとお思いですか?

私は楽天的ですね。そして、とてもいい加減(笑)。もちろん、診療に関しては真面目に取り組んでいますが、ストレスはためないようにしています。音楽が好きなので、以前は仲間たちとよくカラオケにも行っていました。こうした状況下なので、現在足を運べないのは残念です。休日には時々、ギターを弾いて楽しんでいます。ギターの奏でるメロディーに合わせて歌も歌いたいのですが、大きな声で歌えば、妻から「うるさい!」と一喝されるのは必至です(笑)。ですからその点についても自重しています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小堀陽一郎院長 瀬戸内海病院6

何度も申し上げていますが、当院は地域のかかりつけ医でありたいと考えています。当院には数多くの診療科があり、それぞれに専門の医師がおりますが、それぞれがプライマリケアの精神を根底に抱きつつ、診療科を横断して患者さんを診る体制と意識が構築されています。また、他の医療機関との緊密かつ柔軟なネットワークも有しています。どんな些細なことでも構いません。何か気になることがありましたら、ぜひ気軽に受診してください。必要な治療を、必要な場所で、必要なタイミングで提供できるよう尽力します。良い意味で、私たちをご活用いただければと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/3万3000円、脳ドック/1万6500円

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