井川 明彦 先生の独自取材記事
いがわ医院
(高松市/栗林公園北口駅)
最終更新日:2026/02/09
ことでんバス中野町駐留所から徒歩1分、JR高徳線・栗林公園北口駅から徒歩7分。高松市中心部を南北に貫く、中央通りの一角に「いがわ医院」はある。整形外科・リハビリテーション科・内科を中心に、形成外科・耳鼻咽喉科・眼科の分野でも診療し、地域医療を総合的に支えてきた、町のかかりつけ医院だ。2020年4月、院内に新たに開設された歯科診療室では、一般歯科・小児歯科・歯科口腔外科の診療に加え、寝たきりなどで通院が困難な患者のための訪問歯科診療を実施。医科との施設内連携も強みに、幅広い患者層を対象とした歯科医療を提供することで、同地区の地域医療にさらなる貢献を果たしている。歯科の立ち上げから、すでに5年。歯科科長として、ますます診療の幅を広げる井川明彦先生に、歯科開設の経緯や診療の強みなどを詳しく聞いた。
(取材日2021年6月1日/情報更新日2026年1月30日)
地域に根差したクリニック内で、歯科診療室を開設
こちらで歯科を開設されるまでの経緯を教えてください。

代々、医療施設を経営している環境に育ったので、自分も医療従事者になりたいと思っていました。私の祖父と父は、ともに整形外科の医師です。交通事故や切断指といった大ケガの手術にあたっていたことから、分野は違っても、自分の手技で評価される仕事がしたいと思い歯科医師を選びました。父の代から行っていた整形外科、内科、形成外科、耳鼻咽喉科、眼科などの診療に歯科も加われば、地域の方々にとってより、プラスになるのではないかという考えもありましたね。大学卒業後は、入れ歯の治療を得意とする先生のもとで研鑽。「入れ歯になる前に、天然歯を残したい」という思いから、歯周病の治療と予防にも力を注いできました。その後は小児矯正や外科処置に注力する歯科医院での勤務を経て、2020年4月に、医院2階の一角で歯科を開設。おかげさまで、2025年4月には5周年を迎えました。
開設時に、診療室の設計でこだわったところはありますか?
お体の不自由な方でも安心して来院できるよう、入り口には手すりとスロープを設置しています。完全個室だと患者さまが身構えてしまうことがあるので、診療スペースはパーティションで区切ることでプライバシーを保ちつつ、閉鎖的な空間にならないようにしました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大期に開設しましたので、院内の感染症対策もこだわったポイントです。使用する治療器具は、ヨーロッパの厳しい基準をクリアした高圧蒸気滅菌器によって滅菌。この処理ができない器具は使い捨てとし、治療中の飛沫を吸引する口腔外バキュームなども活用しながら、衛生管理を徹底しています。
開設当時と今とで、患者さんの変化があればお聞かせください。

整形外科をはじめとした医科を併設していることから、当初は高齢の患者さまが多かったのですが、現在は近隣にお住まいのお子さまやその保護者の方々も増えてきました。こうした患者層の変化に伴い、近年は小児矯正に力を入れています。精密な診査・診断に基づいた小児矯正に取り組むため、エックス線・CTに加え、新たにセファログラム(頭部エックス線規格写真)も導入しました。拡張したキッズスペースには、「お医者さんのなりきりセット」などを用意しています(笑)。診療スペースも以前より大きくしましたので、現在は5つの半個室で診療できるようになりました。今後はより、お子さま連れの方が通いやすいよう、女性用トイレの増設やおむつ交換台の設置などを進めていきたいです。
医科と歯科の連携を通じて、総合的な歯科治療を提供
歯科診療室の強みを教えてください。

最大の強みは、同じ施設の中で、内科をはじめとする医科と連携が取れるという点です。当院では口腔内のみならず、全身の健康状態に配慮した歯科治療を提供することができます。当院の整形外科で、骨粗しょう症の内服薬や注射薬の使用を検討されている方でも適切なアドバイスが可能ですし、入院中や、入院前後の口腔ケアにも積極的に取り組んでいます。歯周病の治療に精通し、豊富な治療経験を有する歯科医師がいることも強みです。生活習慣病や誤嚥性肺炎など、歯周病との関係性が指摘されている全身疾患をお持ちの方も、安心してご相談ください。さらに高齢者施設へ入居している、あるいは自宅療養を続けているといった通院が困難な方々に対しては、訪問歯科診療を提案しています。ご自身で口腔ケアができない方であっても、スポンジブラシなどを使ったケア方法をご家族や介護士、看護師の方々にお伝えしますので、ご相談いただければと思います。
こちらでは、どのような流れで治療を行っているのですか?
まずは歯や歯茎の状態を調べた上で、歯のどこに汚れがついているのか検査します。汚れている場所は患者さまとともに確認し、歯ブラシや補助器具の使い方を含めて、その方に合う歯磨きの方法を説明していきます。歯や歯茎の境目に汚れが残っていると、その後の虫歯や歯周病の治療にも影響を及ぼすためです。治療ではできるだけ歯を残せるよう、一度抜いた歯を戻す再植や歯の移植、進行した歯周病に対する外科処置なども行っています。歯周病は、定期的なメンテナンスが特に重要な疾患です。歯科医院でメンテナンスを行う間隔は、お口の中の汚れのつき具合や治療した虫歯の数、歯周病の進行度などによっても変わっていきますので、歯科医師にお任せいただければ幸いです。
妊婦さんを対象とした診療も行っているそうですね。

妊娠中の女性はホルモンの影響で歯周病になりやすいため、妊婦歯科健診にはしっかりと対応しています。もちろん、出産後の産婦歯科健診にも対応可能です。当院に来られる妊・産婦の方々には、お子さまの口腔ケア習慣の大切さをよくお話ししていますね。管理栄養士を通じて、食事指導や食育のお話をすることもあります。子どもの頃から歯科医院に通われていた方は、大人になっても通院に継続性があり、歯に対する意識も高いといわれていますから、これから生まれてくるお子さまには、小さな頃から予防の意識を持っていてほしいです。
患者とのコミュニケーションを重視し、笑顔で接する
患者さんと接する際には、どのようなことを心がけていますか?

笑顔で接することを心がけています。歯科医院には「怖い、痛い、行きたくない」というイメージがつきものですが、当院ではそういった印象を極力、感じさせないようにしたいからです。と同時に、患者さまとのコミュニケーションも重視しています。初診時には1時間程度かけてカウンセリングを実施し、治療中もできるだけその時々の状況を説明することで、「これから何をされるかわからない」という不安や恐怖心を与えないようにしています。最初から最後まで、丁寧に、きめこまやかに。そして笑顔で患者さまと接していきたいです。
学生時代や、社会人になってからのご趣味などはありますか?
体を動かすことが好きで、学生時代にはバドミントンをしていました。勤務医時代の趣味はキックボクシングです。当時の上司が歯科医師でありながら、ボクサーでもあり、ロック歌手でもあるという方だったので(笑)、その先生の影響を受けていました。開業医になってからはなかなかプライベートの時間が取れていないのですが、健康づくりのためにも、キックボクシングやジム通いを再開したいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

過去の経験から、「歯科医院は怖い所」というイメージを根強く残っている方も多いでしょう。ですが、そういった先入観にはとらわれずに、気軽に歯科医院へいらしてほしいです。どんなにお口の中を清潔にしていても、歯周病菌は3ヵ月ほどで繁殖してくるといわれています。自覚症状のない状態であっても、3ヵ月から半年に1回程度は、歯科医院へメンテナンスにお越しください。患者さまのさまざまな症状に対応できるよう、当院は歯科を開設したばかりの頃よりも、さらに精密な治療を心がけています。持続性や審美性に優れ、再治療のリスクも少ない治療を提供できるようにと、月に1、2回は東京や大阪の勉強会に参加するなどして研鑽を続けています。これから先も、お子さまからご年配の方まで、幅広くお口の健康維持・増進に関わっていきたいと考えていますので、どうぞ末永くよろしくお願いいたします。
自由診療費用の目安
自由診療とは再植、移植/5万5000円〜(部位によっては保険適用可能)、歯周外科処置/5万5000円〜、マウスピース型装置を用いた小児矯正/6万500円〜7万9200円、緩徐拡大装置を用いた矯正/11万円〜(※症例により金額が変動することがあります)、小児ワイヤー矯正(ブラケット)/11万円〜(※症例により金額が変動することがあります)

