全国のドクター8,993人の想いを取材
クリニック・病院 161,449件の情報を掲載(2020年2月20日現在)

  1. TOP
  2. 埼玉県
  3. 久喜市
  4. 久喜駅
  5. 一般社団法人巨樹の会 新久喜総合病院
  6. 岡崎 幸生 病院長

岡崎 幸生 病院長の独自取材記事

新久喜総合病院

(久喜市/久喜駅)

最終更新日:2019/08/28

99999

久喜駅から車で約10分。広々とした敷地に建つ「新久喜総合病院」は、2016年4月に「24時間365日“断らない病院”」をモットーとして再オープンして以来、救急医療とがん治療や心臓血管外科、脳神経外科などの高度急性期医療を担い、久喜市の医療拠点となっている病院だ。医師から事務方まで、スタッフ全員に共有する理念は「“自分の家族だったらどうするか?”を考えて、自分や家族が受けたい医療を提供する」こと。ホールには大きなガラス窓から柔らかな光が差し込み、働くスタッフの笑顔と相まって、病院全体に明るい雰囲気が満ちている。そんな院内の空気を作りだしている源、岡崎幸生病院長に話を聞いた。(取材日2017年6月20日)

24時間365日「断らない病院」へ

新病院の基本理念をお聞かせください。

1

「24時間365日“断らない病院”」であることです。というのも、ここ利根地区は人口10万人当たりの医師数が全国でも少ない埼玉県の中でも、特に医療過疎地域。急を要しない病気なら都内やさいたま市中心部の病院へ行くという方が大半で、患者さんが少ないから医師や看護師が集まらず、病院も増えないという悪循環が続いていました。特に夜間の救急に対応しきれず、2013年には、久喜市在住の方が救急車で運ばれたものの36回受け入れを断られ続け、亡くなったという悲しい歴史もあります。そういう中で当院の前身・久喜総合病院が作られたのですが、赤字を抱えて存続が難しくなってしまい、市長さんから「巨樹の会」にご相談があって、2016年4月から巨樹の会グループの「新久喜総合病院」となったんですね。そんな経緯なので、まず断らないこと、自分の家族だったらどうするかを考えてやりましょう、ということがすべての基礎となっています。

救急医療を中心に地域医療に取り組まれたのですね。

2

まずはそうです。2016年4月に医師6人と看護師をはじめとするスタッフ約100人でやってきて、そこに元からのスタッフのうちわれわれの理念に共鳴してくれた約400人が加わった約500人でスタートしたのですが、最初はこの6人で毎晩当直を回す状態で、がむしゃらに「365日24時間救急を断らない」を実践してきました。病棟も以前は300床中半分ほどしか使われていませんでしたが、6月には満床になり、それに伴ってスタッフの士気も上がってきて、この1年で新規採用を含めて750人までスタッフを増やすことができました。このようなよい循環を定着させ、地域に貢献し続けていくために、これからは更に一歩進んだ「質の高い医療」をめざすことが重要だと考えています。都内やさいたま市中心部の大病院まで行かなくても、地元で先端の医療を受けられるのだとわかってもらうために、1例1例しっかりと積み重ねることを大事にしています。

心臓血管外科手術が始まり、血管内治療なども増えていますね。

3

本当は開院と同時に始めたかったのですが、救急が忙しすぎて半年遅れの10月になってしまいました。心臓外科は私の専門でもありますが、これだけ大きな診療圏にも関わらず今までこの地域で手術が行われたことはなかったそうです。ただ急性大動脈乖離など、発症してから亡くなるまでの時間が非常に短い病気もあり、地元で緊急手術ができるか否かは非常に重要なので、ぜひ必要だとの思いから心臓外科を新設しました。同様に専門の医師による脳血管内治療もはじめ、2017年秋には「心臓脳血管高度治療部」を立ち上げ予定です。がん治療については、常勤の専門医師が入ったことで肺がんと乳がんの定期手術が可能になり、県のがん拠点病院として更なる内容の充実を図っています。施設面でもHCU(高度治療室)8床を作りました。救急や心臓に特化した集中治療室など高度急性期病棟の充実は急務だと考えており、スタッフの育成と共に進めているところです。

人材育成にもこだわりがあると聞きました。

4

私たちの病院の教育理念は、まずジェネラリストでありましょうということです。例えば私は心臓外科の医師ですが、胃の内視鏡検査や麻酔、気管挿管なんかもできますし、救急も普通に行っています。それは消化器内科の医師も整形外科の医師もみんな同じで、まず総合診療ができ救急ができる医師になった上で、スペシャリストとして好きな分野を極めてもらう。その上で、協力しながら患者さんの全身を診ることを基本としています。病院経営とは教育なんですね。もちろん医師だけでなく、看護師や薬剤師、エコーや放射線の技師、事務スタッフも非常に重要。病院自体がシステムを持ってしっかり教育していかなければいけないので、部署別に毎日や週1単位で勉強会を開いています。事務員だから医学を知らなくていいわけではなくて、ヒューマンエラーの防止や患者さんに適切な言葉をかけるにはやはり知識が必要ですから、事務方にも解剖や生理機能を教えています。

地域のクリニックや病院との連携はいかがでしょう。

5

「都内に行かなくても、久喜市内で安心・安全に配慮した先端の医療が受けられる」ことを患者さんにわかってもらえるように、地域医療を担う一員として、地域の先生方との協力はすごく大事にしています。開院からしばらくは、断らないことでどんどん救急車が集中し、緊急以外の手術がほとんどできない状態でしたが、近隣の先生たちと「夜と週末の救急は僕らが頑張りますので、昼間をお願いします」というウィンウィンの関係で役割分担ができた結果、平日昼間の救急が少し減って、がんなどの定期手術に集中できるようになりました。またクリニックから紹介いただく重症の患者さんは、治療が終われば必ずお返ししています。そうやって連携しながら、地域の高度急性期医療を担っていけるよう病院の質を高めていくことに集中しているところです。久喜市のみなさんが地元ですべての医療を受けられるよう、今後も安心・安全な医療に努め、引き続き頑張っていきます。

Access