小山 哲 院長、山本 詩子 先生の独自取材記事
並木小磯診療所
(横浜市金沢区/並木北駅)
最終更新日:2026/08/07
金沢シーサイドライン・並木北駅、並木中央駅の中間に位置し、京急本線・京急富岡駅からも徒歩圏内の「並木小磯診療所」は、外来診療と訪問診療を通して地域の暮らしを支える診療所だ。体調不良時の診療だけでなく、介護の相談や在宅療養のサポートまで担い、「患者さんお一人お一人の生活に寄り添うかかりつけ医として地域医療を実践しています」と小山哲院長。2026年5月には小児科を開設し、子どもから高齢者、さらに通院が難しくなった人まで、家族ぐるみで支えられる体制が整った。小山哲院長と、小児科を担当する山本詩子先生に、診療で大切にしていることや、地域に根差した医療への思い、新たに始まった小児科が果たす役割について話を聞いた。
(取材日2026年7月13日)
外来から訪問診療まで、地域に寄り添う医療
こちらの診療所はグループ院の一院なのですね。

【小山院長】当院は横須賀を拠点に、横浜や逗子、大和などで地域医療を展開している小磯診療所グループの一院です。私たち並木小磯診療所も、地域のかかりつけ医として、患者さんが困った時にまず相談できる存在でありたいと考えています。診察や薬の処方だけではなく、介護についての相談を受けたり、必要に応じて介護保険の申請をお手伝いしたりすることもできます。外来で通われている患者さんの生活を支え、通院が難しくなれば訪問診療へとつなげながら、その方が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう支えていくことが、私たちの役割だと考えています。
中でも訪問診療は大きな柱だと伺っています。
【小山院長】そうですね。外来に通っていた方でも、年齢を重ねたり、病気や認知症が進んだりすることで、通院が難しくなることがあります。そうしたときに診療を途切れさせず、訪問診療へ切り替えて、ご自宅での療養を支えていくことを大切にしています。最近は、できるだけ長くご自宅で過ごしたい、最期まで住み慣れた家で過ごしたいとご希望される方も多くいらっしゃいます。訪問診療では医師と看護師が一緒に伺い、患者さんの体調だけでなく、ご家族の状況や療養環境にも目を配ります。必要に応じてケアマネジャーや訪問看護師などとも連携しながら、その方らしい暮らしを続けられるよう支えていきます。
こちらの診療所ならではの特徴を教えてください。

【小山院長】当院は団地に囲まれた商店街にあり、ご高齢の方だけでなく子育て世代も多く暮らす地域にあります。2026年5月には小児科も開設し、小さなお子さんからご高齢の方、さらに通院が難しくなった方への訪問診療まで、一つの診療所で継続して支えられる体制が整いました。また、診療では患者さんご本人の意思を何より大切にしています。ご家族の考えと異なることがあっても、まず患者さんがどうしたいのかを丁寧に伺い、ご家族にも納得していただける形を一緒に考えていくことを心がけています。
小児科を開設し、さらに幅広い年代の患者と向き合う
2026年5月より小児科を開設されたそうですね。

【小山院長】これまで当院では高校生以上の内科診療と、高校生未満でも保護者同伴で皮膚科診療を行っていましたが、このたび山本詩子先生をお迎えし、小児科診療を始めることができました。この地域には高齢者だけでなく子育て世代も多く暮らしていますので、子どもから大人までご家族で安心して通っていただける診療所として、より充実した医療を提供できる体制になったと思っています。
【山本先生】私は医師になって以降、総合病院などで約10年、その後、当グループに加わってから15年にわたって小児科診療に携わってきました。以前から当院での小児科診療についてお話は頂いていたのですが、当時は子育てとの両立もあり実現できずにいました。子どもたちの成長を機に、新たな環境で診療に携わることができるようになり、今回ご縁を頂いて当院で診療を始めることになりました。今後ともよろしくお願いいたします。
小児科を開設された背景や、この地域での役割について教えてください。
【山本先生】並木には子育て世代が多く暮らしていますが、これまではお子さんが体調を崩した時や予防接種などで受診する際に、少し離れた医療機関まで足を運ばなければならないご家庭も少なくありませんでした。地域の中に身近な小児科があることで、急な体調不良時はもちろん、「ちょっと相談したい」という時にも気軽に受診していただけるようになると思います。子育て中のご家族にとって、安心して頼れる存在になれるよう、地域に根差した診療を続けていきたいですね。
山本先生が患者さんと向き合う際に心がけていらっしゃることは何ですか?

【山本先生】私は、親御さんにもお子さんにも、それぞれにきちんと向き合うことを大切にしています。子育てをしていると、鼻水が少し出ただけでも心配になることがあります。私自身も子育てを経験してきたので、まずはそうした不安な気持ちを受け止めることを心がけています。診察では親御さんにはわかりやすく説明し、お子さんにも「今からお口を見るね」「胸の音を聞くね」と一人の患者さんとして声をかけながら進めます。長く通ってくださるお子さんとは、学校のことや好きなことを話すようになったり、成長を一緒に喜べたりすることもあります。そうした積み重ねが、小児科医として何よりうれしい瞬間ですね。
どんなときでも、どんなことでもまず相談できる場所に
看護師の皆さんやスタッフの皆さんも含め、診療所全体で大切にされてることは何ですか?

【小山院長】当院では、医師だけでなく、受付や看護師を含めたスタッフ全員で患者さんを支えていると自負しています。特に訪問診療では、その大切さを日々実感しています。診察の時間だけではわからない生活の様子や、ご家族との関わり、食事や服薬の状況など、看護師だからこそ気づけることがたくさんあります。また、患者さんやご家族も、医師には少し話しづらいことでも、看護師には自然と話せることがあるのですね。そうした何げない会話の中から、その方に必要な支援や治療のヒントが見つかることも少なくありません。外来でも訪問でも、スタッフがそれぞれの立場で得た情報を共有し、一人の患者さんをチームで支えていく。それが当院の医療の大きな特徴であり、患者さんに安心していただける理由の一つになると思っています。
どのような時に頼れば良いですか?
【小山院長】体調が悪い時はもちろんですが「何科を受診したらいいのかわからない」「病院へ行くほどなのか判断できない」と迷った時にも気軽に相談いただきたいですね。かかりつけ医は病気を診るだけではなく、患者さんにとって医療の入り口となる存在だと考えています。診察の結果、より専門的な検査や治療が必要であれば、適切な医療機関をご紹介します。「まず相談してみよう」と思っていただける診療所でありたいと思っています。
【山本先生】小児科では「熱があるけれど受診したほうがいいのかな」「もう少し様子を見てもいいのかな」と迷われる親御さんがたくさんいらっしゃいます。結果として様子を見ても大丈夫なこともありますし、早めに受診したほうがいいこともあります。「このようなことで受診していいのかな」と遠慮せず、気軽に頼っていただければと思います。
最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いします。

【小山院長】地域の皆さんにとって、困った時に真っ先に思い浮かぶ診療所でありたいと思っています。お子さんからご高齢の方まで、それぞれのライフステージに寄り添いながら、外来診療と訪問診療の両方を通して地域医療を支えていきます。健康に関することなら何でも相談できる、そのような身近な存在として、これからも皆さんのお役に立てればうれしいですね。
【山本先生】小児科は始まったばかりですが、これから健診や予防接種なども含めて、地域の皆さんにより身近な診療所になっていければと思っています。「よろず相談所」とまでは言い過ぎかもしれませんが、お子さんのことで気になることや心配なことがあれば、どのような小さなことでも気軽にご相談ください。親御さんにもお子さんにも安心して通っていただける小児科をめざしていきたいですね。

