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岡島修 院長の独自取材記事

八重洲大島眼科

(中央区/東京駅)

最終更新日:2021/10/12

岡島修院長 八重洲大島眼科 main

「八重洲大島眼科」はJR東京駅直結の八重洲地下街に、2014年7月に開業したばかりの新しいクリニック。広々とした待合室兼検査室にはOCT(光干渉断層計)など最新鋭の検査機器が並び、白内障、緑内障の検査・治療から、パソコンによる疲れ目の相談やコンタクトレンズの処方まで、目のトラブルに幅広く応えている。院長の岡島修先生は、30数年に渡り総合病院の眼科部長を務め、日本眼科学会指導医でもあるベテラン医師。疑問や不安を解消するため、患者一人ひとりの話を丁寧に聞くカウンセリングを重視した、わかりやすい診療がモットーだ。そんな岡島院長にクリニックの特徴から眼科医という仕事への思いまで幅広くお話を伺った。

(取材日2014年8月22日)

診療ではカウンセリングのプロとして説明をする

医師になられて丁度40年とのことですが、これまでのご経歴を教えてください。

岡島修院長 八重洲大島眼科1

1974年に東京大学医学部を卒業し、医師の世界に入りました。当時は現在のようにさまざまな診療科を体験するローテーション制の研修はなく、すぐどこかの医局に入るシステムだったので、そのまま東京大学医学部附属病院の眼科へ。眼科を選んだのは、目という小さい臓器に奥深さを感じたのと、ありふれた理由ですけれど父と兄が眼科医だったことからです。父は開業医でしたから、小さい頃からその働く姿を身近に見て育ちました。その後は東京逓信病院での勤務を経て、1982年、33歳の時に三楽病院の眼科部長に。以後30数年間に渡って眼科の責任者を務め、2014年7月に当クリニックを開くにあたり、院長に就任することとなりました。今年で医師を始めて40年。残りのあと10年ほどは、自分がやりたいと思う診療を自由にやっていきたいと思っています。

「やりたいと思う診療」とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

一言でいうと「カウンセリング」です。私が総合病院で診てきた専門は色覚異常・網膜の変性疾患ですが、これは有効な治療法は見つかっていない病気。患者さんの中には30数年間の付き合いの方もいらっしゃいます。ではなぜ、治らないのに30数年間も通い続けてくれるのかといえば、それはやはり十分な説明が受けられ、いろいろな悩みを相談できるから。つまりカウンセリングを受けることができるからなんですね。私は、このカウンセリングのプロだという意識でいます。医療機関は病気を治療する所ですが、眼科について言えば「どんなメガネを作ればいいか」や、パソコンが原因の疲れ目の相談など、病気ではなく来院される方が結構いらっしゃいます。総合病院では患者さんが次から次へと来るのでなかなかそうしたことについて話せないのですが、当院では1つ1つについてゆっくりお話していきたいですね。

何でも気楽に相談できるクリニックということですね。

岡島修院長 八重洲大島眼科2

ええ。最近の患者さんは、来院される前にインターネットなどでご自身の症状や病気について調べて来られる方がほとんどですが、ネットの知識は結構怪しげなものも多い。患者さんの見解が正しいこともありますが、間違っていることもよくあります。ただ自分の調べた結果と医師の判断が違っていて、疑問や聞きたいことがあっても、患者さんの方から「インターネットではこうだったんですけど……」と医師に質問するのは、なかなか勇気のいることですよね。当院はいつでも気楽に質問できる雰囲気を保っていきたいと思っています。併せて、気軽に相談できるセカンドオピニオンとしてのご利用も常時受け付けています。セカンドオピニオンとは、治療を受けている医院以外の医師に意見を求めること。最近よく言われますが、これまでかかっていた医師を悪く言うためではなく、より詳しく自分の病気や治療法について知るために行うものです。医師はみんな忙しいので患者さん一人ひとりへの説明が不足しがちです。「もっと説明してほしいのに、ちょっと足りないな」と思われた時にいらしていただければ「ではもう少し説明しましょう」というスタンスでお話しいたしますので、活用していただければと思います。

東京駅というアクセスの良さを活かして

丁寧な診療にはどうしても時間がかかりがちですが、どのように工夫されているのでしょうか?

岡島修院長 八重洲大島眼科3

当院へ来られる患者さんは、東京駅八重洲地下街という立地柄、ほとんどが近隣で働いていらっしゃる人たちです。ですから夕方6時ぐらいまでは比較的すいていて、一番混み合うのは6時半から7時半ぐらいまで。この時間帯はなかなかゆっくりお話できないので、説明が必要な患者さんには理由を説明した上で、少し早めの時間帯にいらしてくださいとお伝えしています。きちんと説明すれば分かっていただける患者さんばかりですね。丸の内方面からここまで通って来られる方も多くいらっしゃいます。

白内障治療からコンタクトの処方まで幅広い診療内容ですが、特に力を入れているものはありますか?

病状でいうと、最近多くなっている緑内障です。視神経に障害が発生し、視野に異常が起こる病気ですが、だいたい40歳以上の日本人の5%以上がかかっていると言われています。この病気は症状が進むまで自分では気づきにくく、また一度かかってしまうと治せないので、早期発見が非常に大切になります。病気の疑いがあるかどうかは視神経を診ればある程度わかるんですが、その診察に必要な時間はたったの1分間。それでもし疑いが見つかれば、網膜の断層写真が撮れるOCT(光干渉断層計)や視野計などを使って詳しく調べるという流れで、病気の早期発見・治療に努めています。コンタクトやメガネの作るために診察に来られた方についても同時に視神経も診るようにしていますね。緑内障は目薬だけで相当進行を抑えることができるのですが、1ヵ月に1回ほどの頻度で、定期的に通ってもらう必要がある病気です。通いやすさが重要となるので、当院のアクセスの良さは大きな利点だと思っています。

総合病院との連携も充実していると伺いました。

岡島修院長 八重洲大島眼科4

そうですね。一度診察して当院では治療が難しいと判断した患者さんには、すぐに専門医を紹介しています。現在では各医師の専門分野はとても細分化しており、症状によって最適な専門医も変わってくるので、大学病院・総合病院の眼科を紹介するのではなく、「この症状なら○○大学病院の△△先生」という風に、各分野の専門医に直接つないでいます。ある日いらっしゃった患者さんが一刻を争う状態だと判明し、すぐさま専門医と連絡をとり、翌日には総合病院で手術を受けた、というケースが開院してからの一か月半で2件もありました。医師も人間ですから、知り合いから頼まれると弱いんです。長く医師を続けてきた中で広がったネットワークを持っていることも強みですね。

生まれ変わってもまた医師になりたい

印象深い患者さんのエピソードを教えてください。

岡島修院長 八重洲大島眼科5

先ほども少しお話した、緊急手術が必要な患者さんですが、自分の状態を知った時はものすごく落ち込まれていました。ですが手術後わざわざ報告に訪ねてきてくださいました。今も総合病院に通って治療を続けておられますが、患者さんから感謝されると嬉しいですね。そうした医師の仕事が好きですから、もう一度生まれ直したとしてもまた医師になりたいと思っています。

ドクターズ・ファイルの読者に一言アドバイスをお願いできますか。

「医者に行くのは早め早めに」。自分でも失敗したことがあるので、特にそう思います。というのも7、8年前に胆嚢に石ができてしまい、痛さを感じながらもそのまま仕事をしていたところ、ある朝起きたら黄疸が出て、顔がまっ黄色になっていたんです。外科の先生に、「こんなになるまで放っておく人はめったにいませんよ?」と呆れられ、すぐに入院・手術するはめになりました。専門は違いますが医師ですから、何の病気か予測はついていたのですけれど、実際に診察を受けるのは怖いんですよね…。つい伸ばし伸ばしにしてしまいましたが、そういうのはいけないなと身をもって感じました。外科の先生には「最近忙しく働いていて、つい…」と言い訳してみたりしましたが、怖かったからだとしっかり見抜かれていました。ちょっとでも異常を感じたら、怖さを我慢して、早めに医療機関へ行くことをお勧めします。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

岡島修院長 八重洲大島眼科6

私は「説明がきちんとできない医師はだめだ」と昔から思ってやってきました。実際、カウンセリングは現代の患者さんが求めていることだと思います。これから患者さんが増えてきた際に、待ち時間を減らしながらカウンセリングに十分な時間をかけるための時間配分をどうするか。その板挟みの難しさは感じていますが、丁寧なカウンセリングをやめてしまえば、私が医師を続ける意味はありません。この場に適したクリニックの形を試行錯誤しながら、自分のスタイルは変えずに続けていくつもりです。

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