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後藤 哲也 院長の独自取材記事

横浜HARTクリニック

(横浜市神奈川区/横浜駅)

最終更新日:2022/11/10

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にぎわう横浜駅の西口からすぐの便利な場所に「横浜HARTクリニック」はある。外来診療での体外受精を行ってきた「HARTグループ」4番目のクリニックとして、後藤哲也院長が2014年に開設した不妊治療専門の施設だ。ビル7階フロア全体を使ったクリニックは、駅近の喧騒を忘れる落ち着いた空間。広々と開放的な院内では、後藤院長がやわらかな笑顔とともに迎えてくれた。「不妊治療中は妊娠をゴールと捉えてしまいがちですが、最終ゴールはあくまで生まれてきた子が幸せに過ごすこと。本当のゴールへと向かう皆さんを、医療的あるいはメンタル的に支えていきたい」と語る後藤院長に、クリニックの特徴やめざす医療について聞いた。

(取材日2022年10月19日)

卵巣刺激法を用いた体外受精による治療を実践

ご経歴と医院の成り立ちを教えていただけますか。

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1990年代の初めに体外受精と出合い、海外留学や研究生活を含めて30年以上、生命誕生の神秘に魅了され続けてきました。「HARTグループ」とは、まだ研修医だった頃、アメリカ留学の直前に「広島HARTクリニック」顧問の高橋克彦先生に治療の現場を見学させていただいて以来の縁で、「東京HARTクリニック」に12年間勤務。2014年7月に、自身が住む街でもある横浜に「横浜HARTクリニック」を開院しました。当初から一貫して自費診療による体外受精を専門としており、欧米ではスタンダードでありつつも国内ではいまだ受けられる施設が限られる、卵巣刺激法を用いての体外受精を実践しています。開院当初は一般の不妊治療も行っていましたが、現在ではほとんどの患者さんが体外受精を求めて来院されています。

卵巣刺激法を用いての体外受精とは?

注射で卵胞の発育を促して複数の卵子を採取し、良質な受精卵を選別して子宮内に戻す方法です。一度の採卵で複数の卵子が採取できるため、受精卵が凍結可能であれば一部を凍結に回して数年後に向けて残しておくこともできます。一回あたりのチャンスが増えることで、患者さんにとって負担の大きい採卵の回数を抑えながら自然周期法より効率よく妊娠をめざせます。欧米ではスタンダードな方法ですが、「自然に任せる」ことへの信仰が残る日本ではいまだに不妊治療に対しても自然であることが求められがちで、卵巣刺激を採用している施設は決して多くありません。日本の不妊治療技術は欧米と比較しても決して劣るものではないにもかかわらず、旧来の社会的意識にとらわれて選択肢を狭めてしまうのはもったいないと感じます。

どんな方が受診されていますか。

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30代後半の方が中心です。10年ほど前と比べると、不妊治療を開始するなら早期にという認識が広まっているとは感じますが、やはり20代での受診は珍しく、35歳頃に初診を受けられるケースが多いです。すでに他院での不妊治療を経験し、改めて卵巣刺激法による体外受精を求めていらっしゃる方も多く、年齢層が高めになる傾向もあります。開院当初と比較して、仕事を持つ女性の受診が増え、夕方の時間帯での受診が多くなったとも感じています。キャリアを継続しながらの妊娠・出産・育児も当たり前になりつつあります。時間的配慮を行うなど、働く方が仕事を優先しながら治療を続けられるスタイルも模索しています。

さまざまな気持ちを受け止め、ともにゴールをめざす

不妊治療が保険適用となった現在も自費診療を続けているのはなぜですか。

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不妊治療は医師と患者が時間をかけて面談を積み重ね、互いに信頼関係を築いた上でこそ成り立つものと考えています。科学的データがあるわけではありませんが、一人ひとりと丁寧に向き合った診療でこそ成果も上がると思うのです。自然と1日に診られる患者さんの数は限られますし、より良い治療を提供したくとも保険の枠にとらわれていては難しいこともあります。そのため、当院では制度変更後も、一貫して自費診療での不妊治療を提供し続けています。保険適用により不妊治療が身近になったのは良いことです。しかし、治療のゴールは出産ではなくあくまで生まれた子の幸せです。大変な治療を乗り越えてでも本当に子どもを幸せにしたいという強い気持ちと覚悟を持って臨んでほしいからこそ、より高い水準を求められる自費診療という選択肢も残すべきと考えています。

診療の際に心がけていらっしゃることは?

治療のプロセスを通して、出産がゴールではないことを伝えること。そして、結果に関わらず「ここで治療を受けて良かった」と思っていただくことを大切にしています。ご存じのとおり、体外受精で必ず妊娠するわけではなく、失敗に終わっても高額な治療費はかかります。それでも「またここでチャレンジしたい」あるいは「やりきったから他の幸せを求めたい」と前を向いていただくためには、やはり人と人との信頼関係が不可欠なのです。子どもを望む方には体外受精だけでなく、里親になることなどさまざまな選択肢があります。当院では治療開始時にその時点で考えられるすべての選択肢を並べ、治療の道筋を明らかにしています。体外受精では3回、43歳を区切りに、治療を終えることもご提案します。治療の過程ではさまざまな気持ちを受け止めながら、同志としてともにゴールをめざすというのが私たちのスタイルです。

設備面でのこだわりがあれば教えてください。

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最大のこだわりは、採卵室と移植室を別々に設けている点です。体外受精を行うクリニックでは、採卵を行う部屋と移植を行う部屋をまとめて手術室として一つしか設けていないところも多くあります。しかし、そうした体制では、残念ながら流産した場合に処置を行ったのと同じ部屋で、次回の移植に望まなければならないことも。患者さんの気持ちを考えると、これは絶対に避けたいことです。前向きな気持ちで挑んでほしいという思いから、当院では移植室は特別な場所として別に設けました。新型コロナウイルス感染症流行の影響で直近は難しいこともありましたが、基本的には移植時にはパートナーの立ち会いも歓迎しています。また、うれしくて泣き、悲しくて泣きという患者さんも多いので、周囲を気にせずゆっくり使っていただけるよう、待合室の一角にはパーテイションを置いた洗面所も設けてあります。

人と人との関わりを大切に

スタッフの皆さんについても教えてください。

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開院から運営に関わる看護師長をはじめ、同じ女性の立場で患者さんに寄り添ってくれる頼れるスタッフがそろっています。開院当初は私も40代と患者さんと世代が近かったのですが、8年を経て親子ほどの年の差の患者さんもいらっしゃり、話しづらいこともあるのではないかと感じています。当院では医師はあくまで医学的な情報をドライに伝える立場。患者さんの聞きづらい話ややりきれない気持ちなどはスタッフが受け止めて対応するという役割分担をしています。例えば、薬などをお持ち帰りいただく際にも不妊治療のクリニックを受診されたことが周囲にわからないよう、無地の袋に入れて目隠しを兼ねた簡単なラッピングを施すなど、スタッフはこまやかな心遣いで患者さんに接してくれています。

医師を志され、生殖医療を専門にされたきっかけは?

病弱な子どもで、医師が身近な存在でした。昔の文集などを見ると早期から「医者になりたい」と書いていました。もとは精神科に興味があったのですが、産婦人科の実習時に人間の誕生に関わることができる、素晴らしい診療分野だと感じました。産婦人科は医療において唯一ともいえる、ハッピーで前向きな分野だと思います。当時の日本ではまだ一般的ではありませんでしたが、海外留学で体外受精に接して魅了され、ライフワークとなりました。卵子と精子が受精して一人の人間になっていくことの神秘とでもいうのでしょうか、どういう設計図で人ができるのか、人の生命や心はどこから始まるのかといったことを間近に目撃でき、さまざまな側面から包括的に人を診ることのできる診療にやりがいを感じています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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当院では、人と人との関わりを大切に、医療面でも精神面でもサポートする診療をめざしています。私自身、精神科志望だったこともあり、人の心の動きに寄り添うことが苦ではなく、患者さんとのラポール(相互の信頼関係)形成を楽しんでいます。他院での治療で望む結果が得られない方や、夫婦間の不妊治療に挫折した方などのセカンドオピニオンにも対応していますのでご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

<体外受精>
・卵巣刺激法による採卵/8万8000円
・媒精/7万7000円
・受精卵(胚)培養/19万8000円
・顕微授精/11万円(※体外受精当日の精液所見に応じて実施する場合があります。採卵数によっての金額変動はございません。)
合計/36万3000円~47万3000円

<胚移植>
・新鮮胚移植/7万7000円
・凍結胚移植/11万円
・受精卵(胚)冷凍保存/1容器あたり 7万7000円(※3年間の保存代含む)

※診察内容や、子宮や卵巣の状態に応じて個人差がございます。
※詳細はHPよりご確認ください。

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