井上 佐智子 院長の独自取材記事
羽根木の森アイクリニック
(世田谷区/梅ヶ丘駅)
最終更新日:2026/04/15
緑豊かな羽根木公園に沿って歩くと、「羽根木の森アイクリニック」のシックな外観が見えてきた。中に入った待合室からは坪庭が見えて、心がほっと和む。院長の井上佐智子先生は、日本眼科学会眼科専門医の資格を持ち、ドライアイが専門領域。同院は、眼科と美容皮膚科の両輪で、多角的な健康をサポートする。主軸となる眼科診療では、各患者の目線に合わせた説明を重ね、治療の理解や生活習慣のアドバイスまで行うのが同院のスタイル。「人は情報の80%を目から取り入れているといわれています。見ることはQOL(生活の質)に関わるので、トータルライフ改善のお手伝いができれば」と井上先生。こちらの質問にテンポよく答える姿勢に、患者から頼りにされるであろう様子が伝わってきた。そんな井上先生に、診療のモットーなどを聞いた。
(取材日2026年2月20日)
羽根木公園前で眼科と美容皮膚科を診療
とても居心地の良い院内です。設計やデザインのこだわりを教えてください。

当院は、眼科と美容皮膚科を2本柱として診療しています。そのため、1階を眼科、2階を美容皮膚科に分けているのですよ。1階のデザインは、清潔感あふれる白をベースに、温もりあるウッドを添えたナチュラルモダンな雰囲気で、リラックスしていただけるのではないでしょうか。2階はヨーロッパ調のインテリアですが、オリエンタルな要素も加えて患者さんが落ち着けるよう配慮しています。2階へ上る階段は気分を変えて、まったく異なる空間へ行くことを意識していただくため、クリニックではあまり使わない黒地に小花柄をあしらった壁紙を採用しました。そんなこだわりも楽しんでください。
眼科では、どのような患者さんが多いですか?
0歳から90代まで、幅広くいらっしゃいます。眼科では、視力低下、白内障、緑内障、眼精疲労、充血、目のかゆみ、涙目、かすみ目、ドライアイ、ものもらいなどを扱っています。中でも、ドライアイや眼精疲労の訴えが目立ち、スマートフォンやパソコン、タブレットといったデジタルデバイスの普及も一因といわれています。また、私は近隣の学校医や園医として子どもたちの検診も担当していますが、子どもの近視が多いのも見過ごせない問題です。放置すると将来的に病的近視へ進行し、視力低下などにつながる可能性があるため、慎重な対応が必要です。そのため当院では日頃から近視予防にも力を入れております。幼児期や学童期は、子ども自身が症状を訴えることが少ない時期です。当院には看護師や視能訓練士が常駐しており、私を含め、お子さんへ多角的に対応し症状の早期発見に努めています。
先生は、ドライアイの治療が専門と伺いました。

はい、私の得意とする領域です。ドライアイは、涙の量が不足する、涙の成分が変化するなどで、涙が目の表面に行き渡らなくなる病気です。目が乾く不快感だけでなく、乾燥によって目の表面を傷つける場合もあります。ドライアイが進行すると、視力の低下や目の痛みといった症状が現れます。私はドライアイの中でも、マイボーム腺機能不全について、研究を進めてきました。まつ毛のきわには、マイボーム腺といわれる脂の分泌腺があります。マイボーム腺は年齢とともに衰えるので、その機能が低下すると涙の脂が不足して、ドライアイを発症することがあるのです。私は慶應義塾大学病院でマイボーム腺の研究に携わり、専門の外来を担当していたこともあります。ドライアイの原因は、マイボーム腺機能不全の他、デジタルデバイスの使いすぎ、まつげダニなど多岐にわたります。さまざまな視点から原因を突き止めることが肝心です。
ドライアイ治療の他、付随する全身の不調にも配慮
ドライアイは、どのような治療があるのですか?

一般的なのは、点眼薬です。涙は油層、液層、ムチン層に大きく分かれ、3つのどの層に異常があってもドライアイの症状が現れる可能性があります。異常がある層を突き止め、それに合った点眼薬を処方します。点眼薬で十分な効果が見込めない場合は、目に涙をためるために涙点に栓を差し込む「涙点プラグ」「コラーゲン製涙点プラグ」など、専門的な治療を視野に入れます。基本的には痛みはほぼなく、短時間の施術で済みますよ。ドライアイの原因はさまざまなので、治療に加えて全身をコントロールしていくことも大切です。ご希望があればサプリメントに関する相談にも対応しています。
美容皮膚科は、どのような患者さんがいらっしゃいますか?
女性は10~70代くらいまでで、40代以上が中心ですね。特にしわやたるみが気になる方を中心に、しみやニキビ、肝斑などの相談にも対応しています。10代は脱毛で、夏のプールの授業の前にご相談が増えます。20代は、脱毛やニキビ治療など。40代以上は、しみ、しわなどに関するご相談が多いです。加齢によって皮膚の状態が衰えるのは仕方のない部分もありますが、アドバイスを受けることで、気持ちが前向きになることにつながります。それが、豊かな人生を歩むきっかけになるとうれしいと思っています。当院の美容皮膚科には、男性の患者さんも少なくありません。10代もいらっしゃいますが、ご相談は30代以上が多く、ほとんどがひげの脱毛です。
診療のモットーを教えてください。

患者さんと深くコミュニケーションを取ることを重視し、お悩みだけに集中するのではなく生活面にも配慮しています。例えばドライアイの患者さんには、日常生活や仕事で何に困っているのか、QOLが下がっていないかということまで丁寧に聞き取ります。治療だけでなく生活のアドバイスも必要で、特にマイボーム腺が原因のドライアイなら、適度な運動などを勧めます。一方、眼精疲労の場合は、通常の治療に加えて眼鏡やコンタクトレンズの度数まで確認するなど、細かい部分に気をつけています。
親身に寄り添い、気持ち良く過ごせるクリニックに
目を大切にするために、アドバイスはありますか?

デジタルデバイスが普及してから、より目を酷使する人が多くなりました。日頃からのケアとして、目の周りの洗浄を行ったり、温め機能のあるアイマスクなどで時々目を温めることが大切です。また、コンタクトレンズユーザーは、使用時間を必ず守りましょう。一般的には最長8時間ですが、きちんと把握していない人もいます。適切な時間以上に装着してしまうと、目の酸素や水分が不足し、角膜を傷つける、視力が低下する、目が疲れるといった症状を引き起こします。加えて、定期検診を年に1回は受けられるといいですね。緑内障は日本人に多く、加齢黄斑変性症も少なくありません。検診を行っている自治体もあるので、上手に活用して早期発見を心がけることが大事です。
医師として長く経験を積まれています。中でも、特に印象深かった時期は?
1999年に藤田医科大学医学部を卒業後、慶應義塾大学医学部の眼科学教室で研修医として働きました。この時期に多くの知識や技術を吸収し、大きく影響を受けたと思います。周囲の医師たちが、大学病院の忙しい外来の傍ら、寸暇を惜しんで毎日コツコツと勉強している姿に感銘を受けました。病気と向き合う真摯な姿勢に、これこそ医師のあるべき姿だと痛感し、「自分の勉強なんてまだまだ」と思い知らされたのです。医師は、知識を深めるのが仕事の原点です。おかげで今でも初心を忘れず、勉強を重ねて新しい知識や技術を現在の診療に取り入れる姿勢が身についています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

羽根木公園の前という緑が多い環境の中、雰囲気や治療に満足して、気持ち良く帰っていただけたらうれしいです。接遇を心得たスタッフばかりなので、患者さんへの気配りは欠かさず、ご相談も親身に伺い寄り添います。人は情報の80%を目から取り入れているといわれています。食習慣の欧米化、超高齢社会、デジタル情報社会の今、目を大切にすることが一層重要になってきています。眼疾患を適切に見極め適切な治療を行うことはもちろん、疾患の予防にも力を入れており、患者さんに合わせた日常生活のアドバイスもご提案しています。目のかかりつけ医として、ぜひ当院をご活用ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはしわのケア/3万円~

