整形外科でのエコー検査に注目
レントゲンが見逃す損傷を特定
にし整形外科ペインクリニック
(川崎市多摩区/京王稲田堤駅)
最終更新日:2021/10/12


いまだ整形外科領域においては導入数の少ない超音波検査治療も時代に先駆けて行っており、レントゲンでは見つけられない微細な損傷も見つけられる点も強みの一つである、にし整形外科ペインクリニック。超音波検査(エコー検査)というと、内臓系の検査を連想することが多いが、近年、整形外科での使用が注目されている。レントゲンでは見つからない損傷を、患者に負担のない方法で特定できるのだ。この検査を診断メソッドにとどめずに、患者の意欲向上につなげて治療効果を高めようと積極的に活用している、西勇樹院長に、メリットやプラスαの効果について聞いた。
(取材日2016年1月6日)
エコー検査で一緒に目で見て患者も「納得」できる治療を
- Q超音波検査のメリットは何ですか?
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A
▲ラグジュアリーな院内でリラックスして診察を受けられる
超音波検査はエコー検査とも呼ばれます。検査には痛みがなく、放射線を使わないので被曝の心配もありません。内臓の腫瘍を見つけたり、血管の状態を診たり、また妊娠中の胎児の様子を観察したりと様々に使われてきましたが、整形外科の領域で使い始めたのは、ここ数年のことで、まだ広まっていません。メリットはレントゲン検査でわからない筋肉や靱帯・腱などの軟部組織の損傷部位や程度をしっかりと見極められること、さらにレントゲンでは見つけられない微細な骨折やひびがわかることです。従来なら漠然と「捻挫」と診断されていた痛みが、実は靱帯断裂や骨折という重傷だったということもしばしばわかります。的確な診断をして、適切な初期治療を行うことで、回復を早めるとともに後遺症を防ぐことにつながります。
- Qどのような疾患に有効ですか?
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A
▲画面を一緒に見ながら納得いくまで説明してくれる
適応は多岐にわたります。肉離れ、捻挫などといった外傷性の症状が多いですね。この近くには幼稚園や小学校が多いので、遊具から落ちた、スポーツで痛めた、というケースもよくあります。また、五十肩といわれる肩関節周囲炎の診断にも使っています。肩の炎症だけではなく、年齢とともに腱板損傷を併発しているリスクが高まるからです。そのような場合は、炎症を抑える治療だけではなく、固定や三角巾で腕を吊るといった治療を行うほうが治療効果の高いことがあります。また、骨折でも骨がとがっていると血管損傷につながってしまうのですが、エコーなら確認できます。結果によっては、大きな病院の専門科をご紹介します。
- Q治療の流れを教えてください。
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A
▲広々とした受付と待合室。笑顔輝くスタッフの優しい対応が光る
まず、いつ、どこで痛めたか、あるいは既往歴、現在の体全体の状況など丁寧に伺います。続いて検査に入りますが、レントゲンは整形外科として必須です。この段階で骨折など明らかな原因がわかれば、すぐに治療に入ります。しかし、レントゲンで原因が見つからなかったり、微細な損傷や損傷程度の見極めが必要な場合に、エコー検査に移ります。レントゲンからもう一歩踏み込んで患部を丁寧に調べるのが、エコー検査なのです。患者さんと一緒に画面を見ながら、損傷部位を説明していきます。健側といって、右足が痛い時には左足と比較することも大切です。細かな状態までわかると、適切な治療選択や生活指導につなげられます。
- Q医院ではどのような使い方をしていますか?
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A
▲「納得感」を大切に日々丁寧に診療に臨む西院長
正確な診断はもちろんですが、患者さんに治療へのモチベーションを持ってもらうことにつなげています。生活には不便な固定具をつけたり、何度も通院したりと治療には我慢が必要ですが、一緒に患部の様子を見ることで、「なぜこのような治療をしなければならないのか」「何のためか」を理解できれば、患者さんの気持ちも前向きになり治療に好影響を与えます。また、整形外科分野だけではなく、頸動脈エコーといって首の血管の動脈硬化の診断もしています。脳梗塞、心筋梗塞など血管がつまりやすい状態にあるかどうかをエコーで診ます。50代くらいからのハイリスクな患者さんに勧めていますが、3分ほどで終わります。症状が見つかれば、血管を広げたり、血管を詰まりにくくするといった治療を行います。