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西 勇樹 院長の独自取材記事

にし整形外科ペインクリニック

(川崎市多摩区/京王稲田堤駅)

最終更新日:2021/10/12

西勇樹院長 にし整形外科ペインクリニック main

「従来の病院のイメージを打破し、これから痛みが楽になり元気で幸せになる場所、みなさんに勇気と情熱を与えられる場所にしたかったのです」。そう話すのは、「にし整形外科ペインクリニック」の西勇樹院長。同院を訪れた人は、朱色を多用したデザインに圧倒されることだろう。そこには赤という色が持つ「情熱」と「愛情」のパワーで患者を勇気付けたいという西院長の強い願いが込められている。クチコミによって、遠方や他県からの来院も多い同院。豪華なシャンデリアの輝く診察室を中心とし、処置室・レントゲン室・リハビリ室が配置されているのも特徴であり、患者の動線のみを重視し考えたレイアウトだという。中学時代、阪神・淡路大震災を目の当たりにしたときから、 医師として生きることを自分に誓い、毎朝新聞配達のバイクのエンジン音がするまで睡眠時間を削りながら勉強してきた西院長。患者を想うその熱い情熱が具現化された同院を訪れてみた。

(取材日2016年1月6日)

あと一歩の限界点を超えるのは「患者と医師の情熱」

どういったイメージでクリニックを作られたのですか?

西勇樹院長 にし整形外科ペインクリニック1

あえて言うなら「真心と情熱のテーマパーク」をイメージしました。もちろん整形外科医院ですけどね。真っ赤ではなく、炎に近い朱色をイメージカラーにしたのですが、これには「患者さんの心に炎を灯す」という意味を込めました。 医院というと目をつぶっていてもそれとわかるような、独特の雰囲気がありませんか? ただ居るだけでも具合が悪くなってしまいそうな「陰の気」。それがとても嫌でしたし「痛いから来る暗くイヤなところ」ではなく、「これから症状がよくなって健康的で楽しい生活が待っている幸せの入り口」にしたくて、このような斬新なデザインのクリニックを造りました。

先生のその情熱は、どこからきているのでしょうか?

西勇樹院長 にし整形外科ペインクリニック2

私は幼少期からスポーツが大好きで、ずっと勝負の世界にいたような気がします。 そうした中で学んだものは、勝敗を左右する大事な瞬間で最も大切なこと。 それは限界まで自分を追い込んだ地道な準備と、勝利への執着心と不屈の魂です。魂のこもったボールはそんなに簡単には打ち返されませんし、ときに信じられない勝利をもたらすことがあるのです。ここでいう魂とは、ただ根性論に終始し理論を伴わない「ただのスポ根」とは大きく異なります。 「プロセスの先に結果がある」と勘違いしている人が多いように感じますが、「結果を出す為に必要な要素を心技体ともに限界まで努力し準備していくのがプロセス」なのではないでしょうか。 ですので、プロセスにゴールは存在しないんですよ。これは日々の診察にもいえることで、自らを苦しめている症状や病に勝利する為に、医療のプロである医師がアドバイザーや監督の役目を果たしながら、患者さん自身が治療方針を理解し、「絶対によくなるぞ!」と強い意志を持っている場合と、医師に言われるがまま漠然と治療しているのでは、その治療効果は大きく違ってくる と確信しています。 病気に勝つために必要なプロセスをしっかりと理解し納得して歩んで頂くこと。 なぜ今それをしなければならないのか、その先には何が待っているのかを、患者さんにしっかりと伝えていきたいですね。

「情熱」を引き出すのは、説得ではなく「納得」

医師をめざしてから、影響を受けた人はいますか?

西勇樹院長 にし整形外科ペインクリニック3

脊椎専門病院である品川志匠会病院の理事長を務められている大田快児先生です。 頸椎や腰椎の日本屈指の手術実績とスーパーテクニックを誇る、脊椎外科の第一人者です。私が大学2年生の19歳の時、大田先生と出会いました。 大田先生がいつも口にされているお言葉があります。 「いいか、勇樹、医者−患者関係の前に人間と人間や。 ひとりの人間として失礼のないようにしなきゃあかんぞ、そのことを忘れるな」と。その言葉とともに医者生活10年間を過ごしてきたような気がします。よく「ゴッドハンド」と言うじゃないですか。 私が出会ってきたスーパードクターに共通することは、単に手術スキルが神業的なだけではなく、患者さんを想うその熱い心そのものがゴッドなんですよ。いかなる状況下においても、平常心で落ち着いた優しい笑顔で患者さんにもスタッフにも接してくれる。 人間の器の大きさを感じますし、私もそうありたいと思ってます。

このクリニックで、一番力を入れているのはどの治療でしょうか。

院名にもある「ペインクリニック」です。まだなじみのない言葉かもしれませんが、消炎鎮痛剤や麻酔剤を用いて痛みの原因となっている神経を直接的にブロックすることで、痛みやシビレ、つまりペインを和らげつつ、同時に疾患を治療していく方法です。神経ブロック注射=ただの一時的な痛み止めの注射と思われている方が多いと思います。現に専門外の医師ですらもそう思っている方が多いのですが、それは違います。神経ブロックの「ブロック」には二つの大きな意味がございます。  ひとつは、前述の通り、鎮痛剤の効果により一時的に痛みの原因となっている神経をブロックし症状を楽にします。もう一つの大切なブロックの意味は「痛みの悪循環のブロック(リセット)」です。人間は、痛みを感じると交感神経が興奮します。 それにより血管が収縮し痛い部位の血流が悪くなります。すると、組織が栄養不足になるのと同時に、痛みを感じる物質がなかなか排泄できなくなってしまい、さらに痛みを強く感じてしまうようになるのです。 例えば、初めに2点痛かったとしましょう。 その痛みは脳に伝わりやがて6点痛いと感じるようになります。 さらに放置していると10点痛いと感じてしまうのです。これが痛みの悪循環といわれている負の連鎖反応です。

具体的にどのような効果があるのでしょうか?

西勇樹院長 にし整形外科ペインクリニック4

ここで神経ブロック治療を行いますと、注射の効果によりこの痛みの悪循環をブロック&リセットさせて10点の痛みを2点まで改善させると同時に、消炎剤によって痛みの原因となっている神経の炎症をダイレクトに抑えて長期的にも症状を改善させる効果があります。 故に神経ブロック注射は、単に一時的な痛み止めの治療ではないのです。脊椎を走る神経は絹糸のようにとても繊細なので患者さんひとり一人の状態を見ながら、薬剤の濃度や量や成分を微妙に変えて、直接人間の手で施術していく必要があります。ですから、将来医療技術がどんなに進化したとしても、機械やロボットには絶対に任せられない分野ではないかと思います。適切な治療を行えば、あまりの激痛で車いすで御来院された患者さんが、ブロック治療をして歩いて帰れることもあるんです。とても高度な技術を必要としますが、そこにやりがいと誇りを感じますし、何より自信があります。

病院ではなく「幸院」。 常に10年先を見据えた「新世代クリニック」でいたい

ところで、お休みのときはどう過ごしていますか?

西勇樹院長 にし整形外科ペインクリニック5

それが、複数の医療機関で診療したり、医療訴訟でお困りの患者さんの為に法律事務所の顧問ドクターを務めたりで、年間に10日ほどしかオフがないんですよ。ですので、5時間でも時間があいたら大好きなクルマを飛ばして箱根の温泉に行きます。 もちろん日帰りですけどね。 露天風呂に入り箱根の山を見ながら、この1週間の自分の言動について思い返して反省会をします。 診療中、その瞬間はいつだってプロとして自信のある判断をしていますが、温泉でボーっとしている時間、すなわち医者ではない時間に自分を振り返ることによって患者さん目線に立って医療と向き合える貴重な時間だと思ってます。 プロフェッショナルにとってのオフとは、よりよいオンを実現する為の大切な準備時間だと思いますので、寝ている時間以外はずっと必死に医療のことを模索し考えています。 

腰痛や関節の痛みなどは高齢者に多いと思うのですが、ほかに想定している年代はありますか?

仕事帰りの会社員や主婦の方々にも気軽に御来院してほしいですね。自由診療になりますが、当院では、さまざまな治療メニューを取り扱っています。例えば美容や健康、アンチエイジングにも抜群の効果があるとされるプラセンタ注射(症状によっては保険適応あり)や、疲労回復やストレス解消に劇的に効き、今やプロスポーツ選手には当たり前の治療として普及したニンニク注射もお勧めです。他にも、透明感の ある美白・美肌をもたらし、シミ・ソバカスを改善させる効果の高い高濃度ビタミンC注射や、二日酔い対策の注射などもありますので、仕事帰りなどに美容エステへ行く感覚で、当院を気軽に利用していただきたいと思っています。冒頭でも言いましたが、医療機関の概念を、病気になって行くイヤな場所から、幸せになるために通う場所に変えていくのが私の目標です。「病院」ではなく『幸院』、そんな施設があってもいいと思うんですよ。むしろ、こうした発想がどんどん広まっていくべきでしょう。

今、そしてこれから、どういった思いで診療にあたられていくのですか?

西勇樹院長 にし整形外科ペインクリニック6

先ほども少しお話ししましたが、医療のプロとしての魂と共に、なによりも患者さんを大切にする医師でありたいです。医療は患者さんの人生を預かるものだといわれていますが、その後ろには家族がいて、大切な親友がいて……私たちはその人たちの人生も同時に背負っているのだと思っています。 その重圧をしっかりと抱きしめながら、医療人としてもっともっと社会の為にみなさんのためにできることはないかと、これからも地域医療改革に務めていきたいと思います。今は珍しいと感じる着想も、10年先には当たり前になっているかもしれません。当院はそのときには、さらに10年先を見据えてチャレンジしているでしょう。地域医療のパイオニアとなってこれからもどんどん新しい挑戦を続けていきたいと思います。

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