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大堀靖夫 院長の独自取材記事

参宮橋脊椎外科病院

(渋谷区/参宮橋駅)

最終更新日:2019/08/28

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「参宮橋脊椎外科病院」は、都会の真ん中とは思えないほど緑多く、美しいエリアの中にたたずむ脊椎疾患専門病院だ。病院らしからぬ落ち着いたインテリアとサービスで、まるで高級ホテルで過ごすかのようにリラックスした入院生活を送ることができる。こだわりの院内設計には院長の大堀靖夫先生も自ら参画。患者の不快感や不安を取り除いて最善の治療に結びつけるため、医療はもとより環境にまで細かく気を配っている。3D-CTやMRIなど検査設備も充実した新しい病院を訪れ、診療スタンスについて詳しく話を聞いた。
(取材日2014年6月24日)

高級感あふれる美しい院内でリラックスしてほしい

スペースにゆとりがあり、とてもきれいな院内ですね。

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私自身も、設計の段階で参加させていただきました。温かみのある色合いをベースに、威圧感をなくし、痛みのある患者さんに心理的に落ち着いていただけるようインテリアを配慮しました。患者さんの気分転換になるよう屋上には庭園を造り、緑多い環境の中にあります。室内は柔らかい外光を採り入れるよう、設計をお願いしました。食事にしても、病院でよくあるトレーの上にプラスチックの食器という形ではなく、ランチョンマットに陶磁器の食器を用意し、入院中もホテルで過ごしているかのようにリラックスしていただきたいと思っています。医療現場としても、衛生面や作業性を念頭に、医療従事者の動線をひとつひとつ検証しながら、機材の設置や設計をお願いしました。

参宮橋を選んだ理由や、地域的な特性があれば教えてください。

実は当院は鹿児島の病院が母体で、この地域になじみがあったわけではないのです。脊椎外科という狭い範囲の分野ですから、逆に広い範囲のエリアから来院しやすいように、交通アクセスと環境を考慮して検討したところ、参宮橋になりました。地域の方はもちろん、埼玉など遠方からの患者さんもいます。年齢的には60才以上で脊椎の変形が進んでいる方が多いですが、椎間板ヘルニアなどでは30〜40代の患者さんも多いです。比較的珍しい脊椎の専門病院ということで、他院からの紹介も多く、全体の半数近くになるでしょうか。 

脊椎と聞くと、手術が怖いという印象があります。

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脊椎あるいは脊髄は、一度壊れると二度と戻らないイメージがあるのでしょうね。手術の結果、下半身不随になったりしないかというご質問をしばしば受けます。一般的にまったくないことではないでしょうが、当院にも私にもそういう経験はありません。順序として、まず診断を正しくつけて安心していただくこと、手術以前に信頼関係を作ることが大切と思います。診断や治療の前に大切なファクターが検査ですが、最新の機器を揃えていますので、疑問が生じればその日のうちに検査や撮影ができます。大きな病院ではなかなかこうはいきませんが、当院では必要な検査を患者さんの都合に合わせて可能です。最近は脊髄も再生医療研究の対象となっていますが、私達スタッフも研究会に出たり学術講演を聞いたりして、最新の情報を患者さんに伝えるよう努力をしています。病気の基本的なところは、HPでもていねいに解説しました。患者さん個人の状態についても、より具体的に理解していただけるよう、3Dプリンターで患者さん自身の脊椎の模型を作製して説明するような試みをすすめています。画像技術も進歩しているので、今後もその進歩を取り入れていきたいと考えています。

どこが悪いのかを確認し、納得してから治療を選択する

脊椎疾患の方に、日頃から気をつけるべきことはありますか。

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運動はいけないのかとよく聞かれるんですが、私はそうは思っていなくて、例えば好きなスポーツをやりたいということが、手術を受ける動機になっても良いと思います。生活の中では、スポーツよりも作業的な動きが良くないことが多く、悪化の引き金になることがあります。重いものを持って歩くとか、草むしりでかがむとかですね。体に負担になる作業をするときは、ストレッチを入れながら休み休み行うことです。また、日頃から大股で歩くようにしてください、ゆっくりと散歩をなさって下さいとお伝えしています。時々、たくさん歩けばいいと思って、1時間とか1万歩を歩こうとする方がいます。限界まで頑張ってしまう方もいますが、そこまでは必要ないです。それと、デパートなどでショッピングをされる場合、手に重たいものを持って歩くとショッピングは意外と体に負担が大きく、首や腰背中全体に負担がかかりますし、頚椎や腰椎に症状が出る方もいます。特に脊柱管狭窄症の方は無理をしがちですので、カートのない店でお買い物をされるときは、手で重いものを持たなくて済むようにシルバーカーを使っていただきたいと思います。

体調を崩しやすい時期などありますか。

実はこれにはエビデンスがないのですが、特に神経痛では、気圧の違いが体調に響くという訴えがあります。科学的根拠はともかく、天気が悪くなると症状も悪くなり、整形外科が混雑するとよく言われています。季節的には夏場の方が調子の良い方が多いようですね。

診療の際に心がけていることを教えてください。

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まず患者さんの目を見て話すということです。最近は電子カルテなんかがあるから、どうしてもそっちに目が行ってしまいがちですが、患者さんの一番困っていることは何か、コミュニケーションの中で汲み取ることを大切にしています。患者さんご本人が自分のことをしっかり伝えられない場合もあるので、こちらが質問を変えてみたりします。例えば、「台所で何分くらい立っていられますか」など、患者さんの状況から答えやすいような質問をします。中には痛みや状態に慣れてしまっている方もいて、どこが悪いのかはっきりしないこともあります。脊椎以外の神経や筋肉が原因ということもあるので、検査の結果をしっかり説明します。そこまで納得した上で、手術が必要かどうか、手術はしたくないのなら、保存療法としてご自宅でできるリハビリも指導します。患者さんご自身が選んでいただいて良いのです。どんなに丈夫な機械だって80年以上も長持ちするものがないように、人間の体も手入れなしで寿命まで持たせるのは難しいですから、指導と言うとおこがましいですが、ストレッチの方法をお教えしたり、関節に注射をするなどして、状態を改善したり、長持ちさせられればと考えています。

繊細な脊椎の手術に魅力を感じ、専門性を高める

先生が脊椎を専門に選んだのは、どうしてでしょうか。

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例えば脊髄疾患の場合は、筋力低下が進行したり排尿困難になったり、がんの転移などで厳しい症状になることがあります。しかし術後は予想以上に改善することが多いので、脊椎手術が魅力的に映ったのでしょうね。2003年には米国シンシナチ小児病院の研究室に留学し、脊髄損傷や再生について学びました。若い頃から外傷や人工関節の手術も執刀しましたが、ずっと脊椎疾患に取り組んできて、脊椎の手術は非常に繊細な手術と考えていました。ですから、他の手術と同様にとらえると、脊椎の患者さんに失礼かもしれないと思うようになりました。また、手術はチームで行うものなので、関節など様々な分野もやるより脊椎に特化した方がチーム医療もやりやすいのではと考えました。大きな総合病院では、手術室担当の看護師はたくさんの分野と何人もの医師について覚えることが必要なため、負担が多くなってしまいます。専門性を高めれば、その中で自分たちが患者さんに良いと思う小さなことを気にしたり、こだわりを持てることも増えるのではと考えたのです。

医師をめざした理由と子どもの頃を教えてください。

入院する程ではなかったものの、子供の頃は体が弱く、たまたま鼻血がいっぱい出て救急車に乗ったこともありました。10代の頃、漫画の『ブラックジャック』を読んで影響を受けたりもしましたね。子どもの頃は少年野球、中高は陸上部、大学は武道をやりたくて合気道をやっていました。合気道は楽そうに見えたのですが、体が硬いので結構痛かったです(笑) 合気道は相手の直進運動や円運動を採り入れるので、自分の力で無理に押さないで、相手の力を取り込んで投げるというのが好きでしたね。

休日の過ごし方を教えてください。

家族と食事に行ったりジムに行ったり、飼っているパピヨン(犬)の散歩に行ったりして過ごしています。あとは家でゆっくり寝ていることも多いです。運動らしいことはジムくらいですが、日頃は通勤に電車を利用して、わざと遠回りになる駅を利用して、片道45分くらいは歩いています。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

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若い患者さんはすぐに手術をして早く良くなりたい方もいますが、現在の治療でヘルニアがなくなるかもしれないから待つようにお話しすることもあります。手術が第一選択になるとは限りませんし、治療方法はいくつもありますので、トータルで考えていきましょう。まわりの方にアドバイスを求めて、いろいろなことを言われ混乱する方もいます。悩んでいるのならまずは来ていただいて、相談でもやもやを解消して、手術をしないで済むならそれで頑張りましょうとお伝えしています。痛みを取ることを前提に、良い方法を探していきましょう。お話しすることで不安を解消し、すっきりして帰られる患者さんもいます。また、私の診察で世間話するのを楽しみに来院してくださる方もいました。そんな付き合いで通われている患者さんもいますから、お気軽にご相談ください。

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