若林 健史 院長の独自取材記事
オーラルケアクリニック青山 表参道若林歯科医院
(港区/表参道駅)
最終更新日:2026/10/27
表参道駅から徒歩4分、青山通りから奥に入った静かな一角にある「オーラルケアクリニック青山 表参道若林歯科医院」。院長の若林健史先生は日本歯周病学会歯周病専門医で、歯周病に関連する全身疾患の総称「ペリオドンタルシンドローム(歯周病関連全身疾患症候群)」を提唱した歯科医師でもある。全国各地から患者が訪れるという同院では、全身の健康を口腔内から守るためのメンテナンスを重視。どの歯科衛生士も患者に極力痛みを感じさせないスケーリングの手技を追求しているのも同院の特徴だ。院外でもセミナーの講師や大学の客員教授を務めるなど後進の育成にも注力する若林院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2026年8月19日)
歯周病治療を専門とし、口腔内から全身の健康を守る
クリニックのこれまでの歴史を教えてください。

1989年に代官山駅前で「若林歯科医院」を開業し、2014年に恵比寿駅西口に移転。2016年に当院を分院としてオープンしました。ところが、当院に予約を入れた患者さまが間違えて本院に行ってしまうなどの混乱も多く、南青山に統合することにしたのです。2024年4月からクリニック名を「オーラルケアクリニック青山 表参道若林歯科医院」と改め、新たなスタートを切りました。勤務医時代から40年以上お口の管理を任せてくださる患者さまや、全国各地から訪れる方も多く、ありがたいですね。歯科医師・歯科衛生士・歯科助手・受付スタッフ・歯科技工士など多職種が連携して、虫歯をセラミック素材の詰め物・かぶせ物で補う審美歯科、矯正治療、義歯、インプラント治療、ホワイトニング、メンテナンスなど幅広い治療を行っています。中でも重視しているのが、すべての基盤となる歯周病治療です。
歯周病に関連する全身疾患の総称として「ペリオドンタルシンドローム」を提唱されてきたそうですね。
2000年頃から歯周病が糖尿病、心臓血管疾患、早産・低体重児出産などさまざまな病気の発症と関連していることはわかっていたのです。しかし、なかなか広く認知されないのを歯がゆく思っていました。そこで「メタボリックシンドローム」のようなキャッチーな名称があれば周知できるのではと考え、歯周病に関連する全身疾患の総称を「ペリオドンタルシンドローム」と名づけたのです。2017年のことでしたが、以来、当院にも歯周病を心配して受診する方が増えました。また、2022年の政府の方針に盛り込まれた国民皆歯科健診の取り組みも進みつつあるなど、口腔内から全身の健康を守ることへの理解が広まり、うれしく思っています。
歯周病は全身疾患だけでなく、女性のライフステージにも関わっているそうですね。

女性には歯周病になりやすいタイミングが3つあります。まずは初潮を迎える頃、次に妊娠・出産期。どちらも女性ホルモンが増加する時期ですが、実は一部の歯周病菌は女性ホルモンを利用して増殖する性質があります。歯と歯肉の隙間にしみ出す液体にも女性ホルモンが増えるため、歯周病菌が繁殖しやすくなります。また、歯周病による炎症が妊娠に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。この点に関しては渋谷区の「桜十字ウィメンズクリニック渋谷」の先生と医科歯科連携で、妊娠を望む女性のサポートに取り組んでいます。そして3つめのタイミングは更年期。女性ホルモンの減少に伴い、唾液の分泌量が低下すると自浄作用が衰えたり、歯肉が下がって汚れがたまりやすくなったりします。これは男女ともに起こりますが、特に女性はホルモンの変動で歯周病リスクが高まります。必要なケアも変わるため、当院ではライフステージに応じたアドバイスを行っています。
癒やしのメンテナンスで緻密な治療の効果を持続
こちらの歯周病治療の特徴をお聞かせください。

歯周病はプラークという細菌の塊が歯肉に炎症を引き起こし、炎症が広がって歯を支えている歯槽骨が溶ける病気です。歯槽骨は建築物で例えるなら基礎に相当します。まず土台を整えなければ、その上にどれだけ良い詰め物やかぶせ物、義歯、インプラントを作っても、いずれ崩壊してしまうでしょう。歯周病が引き金となる全身疾患を予防するためにも、痛みを伴う出血・腫れなどへの応急処置を除き、当院では最初に詳細な口腔内検査を実施します。多くの場合は自由診療の口腔精密検査となり、歯周ポケット検査、歯の揺れを確かめる動揺度検査、エックス線写真や口腔内写真撮影などを実施します。
口腔精密検査とはどのような検査なのでしょうか。
口腔内をより詳しく把握するための検査です。口腔精密検査で歯周ポケットを測定し、多くのエックス線写真と口腔内写真を撮影します。さらに、口腔内スキャナーによる噛み合わせのチェックなども含め、検査時間はトータルで1時間ほど。検査結果は、後日しっかりと時間を設けて、たくさんの画像をお見せしながら、口腔内の現状と将来的なリスクも含めてカウンセリングルームでお話しします。その上でどのような治療計画が可能なのか、費用面を含めて誠実にお伝えし、患者さまの同意が得られたら治療を開始します。大切にしているのは患者さまが治療やメンテナンスに前向きになれるように、自分のこととして意識改革することです。
メンテナンスにもたいへんこだわっていると伺いました。

当院では治療だけではなく、定期的なクリーニングも痛みを減らすことにこだわっています。歯石を取るのに超音波スケーラーではしみる方もいるので、あえて使用しません。歯科衛生士の手作業のみというのは当院のこだわりといえるでしょう。手用スケーラーを当院基準で使いこなせるようになるまで、顎模型や先輩の口を借りてのトレーニングを重ねます。しかるべき技術が身につくまで、患者さまを担当させることはありません。これからも教育を徹底して、患者さまがうとうとしてしまうような気持ちの良いメンテナンスを維持していきたいですね。静かなBGMとかすかなスケーリングとブラッシングの音を耳にしながら、癒やされるひとときを過ごしていただければと思っています。
スタッフと力を合わせ「人と人」として向き合う医療を
内装は高級感がありながらも親しみやすく、とても素敵ですね。

ありがとうございます。歯科というだけで緊張してしまう人も多いでしょうから、できるだけリラックスして治療に臨める空間をめざしました。サーフボードの形をした鏡、ヘリンボーン張りの床、イタリア製の椅子などは私の趣味ですが、患者さまをおもてなしするために一つ一つにこだわっています。プライバシーにも配慮して診察室はすべて個室とし、苦手な方も多い歯科独特の臭いを消すアロマディフューザーも複数設置しました。治療やメンテナンスを受けている間も心地良さを感じていただけるかと思います。
スタッフの皆さんの生き生きと働く姿も印象的です。
開業前からともに働いているメンバーを筆頭に、長く活躍してくれているスタッフが多いことに感謝しています。若手にとっても、目標にできるモデルケースが身近にいることは励みにもなり、クリニック全体の成長につながっていますね。開業当初から労働環境整備は力を入れてきましたが、医療法人化した際に規約も整備しています。産休・育休制度を完備し、復帰しやすい環境を整えてきました。実は私の娘も歯科医師で、子育てをしながら当院に勤務中です。歯科医師の約4割が女性といわれていますし、女性が働きやすい職場づくりは今後も大切にしていきたいです。いずれは娘に代替わりする時がくるのかもしれませんが、患者さまはもちろんスタッフを大事にすることも継承してもらえればと思っています。
読者へのメッセージをお願いします。

歯科医院を「痛くなってから行く場所」ではなく「何かがおかしいと感じたらすぐに相談できる場所」「メンテナンスで3ヵ月に1回行く場所」などと認識してもらえたらと思っています。セカンドオピニオンを含め、気軽にご利用ください。歯科医師のミッションは患者さまの健康を口腔内から守り、より豊かな人生を送れるようにお手伝いをすることです。虫歯も歯周病も生活習慣病なので、どれだけ頑張ってブラッシングをしても、生活習慣が乱れれば発症リスクも高まります。当院は一人ひとりのライフスタイルを踏まえた上で、日常生活の注意点をきめ細かにアドバイス。「歯科医師と患者」を超えて「人と人」として真摯に向き合っています。お口の健康で気になることがあれば、どのような小さなお悩みでも気兼ねなくご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックを用いた修復・補綴治療/10万円~、矯正/80万円~、インプラント治療/50万円~、ホワイトニング/2万8000円~、口腔精密検査/2万5000円~

