若林 健史 院長の独自取材記事
オーラルケアクリニック青山 表参道若林歯科医院
(港区/表参道駅)
最終更新日:2024/10/09

日本歯周病学会歯周病専門医で、歯周病に影響のある全身疾患の総称「ペリオドンタルシンドローム(歯周病関連全身疾患症候群)」を提唱した若林健史先生が院長を務める「オーラルケアクリニック青山 表参道若林歯科医院」。1989年に代官山で開業し、2014年に恵比寿に移転。より良質な歯科診療を提供するため、2024年4月に分院のあった南青山に移転。本院と分院を統合して診療体制を一本化し、新たなスタートを切った。表参道駅から徒歩4分、青山通りやみゆき通りから奥に入った立地にある同院には、若林院長の診療を求めて全国から患者が訪れている。クリニックでの診療のほか、セミナーの講師や大学の客員教授を務めるなど後進の指導にも注力する若林院長に、同院の特徴や専門である歯周病治療について話を聞いた。
(取材日2024年9月4日)
歯周病治療に注力し、口腔と全身の健康を守る
恵比寿から南青山へ移転されたそうですね。

はい。1989年に代官山で「若林歯科医院」を開業し、2014年に恵比寿に移転。2016年には南青山に分院をオープンしました。私も恵比寿の本院と南青山の分院を行き来して診療していましたが、分院に予約を入れた患者さまが間違えて本院に行ってしまうなど混乱もあり、分院長をお願いしていた先生が独立されたタイミングで本院を南青山に移転。分院と統合して機能を集約させることにしたのです。2024年4月からはクリニック名を「オーラルケアクリニック青山 表参道若林歯科医院」と改め、新たなスタートを切りました。歯科医師は私も含め4人在籍し、歯科衛生士・歯科助手・受付スタッフ・歯科技工士ら多職種が連携して診療にあたっています。
内装がとてもおしゃれですね。
ありがとうございます。歯科というだけで緊張してしまう方も多いでしょうから、できるだけストレスなく、自宅のリビングにいるような感覚でリラックスして治療が受けられる、「歯科クリニックらしくない歯科クリニック」をめざしました。患者さまのプライバシーを守るため診察室はすべて個室、歯科クリニックの独特な臭いが苦手な方のために、アロマディフューザーを複数設置しています。実はアロマについて、医療従事者向けのアロマセラピー講座を受講して勉強したんですよ。待合スペースにはリラックスできるとされるラベンダーを、スタッフミーティングの時は集中力に結びつくとされている柑橘系をと、目的に合わせて香りをチョイスしています。患者さまあってのクリニックですから、患者さまファーストの視点で快適な医療空間をつくっていきたいですね。
先生は歯周病に関連した全身疾患を意味する「ペリオドンタルシンドローム」の名づけ親だそうですね。

歯周病が糖尿病や心臓血管疾患、早産・低体重児出産などさまざまな病気の発症や増悪に関わっていることは2000年頃にはわかっていたのですが、当時はあまり認知されていませんでした。「メタボリックシンドローム」のような名称があれば周知できるのではないかと考え、歯周病に関連した全身疾患の総称を「ペリオドンタルシンドローム」と名づけ、2017年に提唱したのです。以来、歯周病と全身疾患の関連についてメディアに取り上げられるようになり、当院にも歯周病を心配して受診される患者さまが増えました。近年では、政府が閣議決定した2022年の「骨太の方針」に国民皆歯科健診制度の検討が明記されるなど、口腔の健康と全身の健康との関係についての理解が広まり、うれしく思っています。
精密検査で口腔内の状況を把握し、治療計画を立案
こちらの歯周病治療の特徴をお聞かせください。

歯周病は、プラークという細菌の塊が歯肉に炎症を引き起こし、炎症が広がって歯を支えている歯槽骨が溶けていく病気です。歯槽骨は建物でいえば土台にあたる部分であり、土台が健康でなければその上にどんなに良い詰め物や義歯、インプラントを作ったとしても砂上の楼閣に過ぎません。それに先ほどお話ししたとおり、歯周病は全身の病気を引き起こす原因にもなりますから、歯周病をきちんと治療・予防することは口腔と全身の健康を守る上でとても大切です。ですから当院では、痛みを伴う出血・腫れなどに対する応急処置を除き、治療の前に詳細な口腔内検査を実施しています。軽症であれば歯周ポケット検査や歯の動揺検査、エックス線写真や口腔内写真の撮影など、健康保険の適用となる歯周基本検査で対応できますが、進行状況によっては自由診療での歯周精密検査をお勧めしています。
歯周精密検査とはどのような検査なのですか?
歯肉の状態をより詳しく把握するため、基本検査よりも測定部位を増やして歯周ポケット検査を行い、エックス線写真や口腔内写真も枚数を増やして撮影します。さらに噛み合わせの状態を確認するため、歯型を採り模型を作製します。1時間ほどかけて詳細に検査した結果をもとに、後日90分間のカウンセリングを行います。撮影した写真などをお見せしながら口腔内の状況や将来的なリスクについて説明した上で、どんな治療が必要なのか、費用面も含めて治療計画を提案します。治療計画はエビデンスに基づいたガイドラインに沿って立案しています。十分に時間をかけて丁寧に説明していますので、患者さまのご理解に導くことができ、健康意識が高まって治療やメンテナンスの継続につながっているように思います。
その他、力を入れている治療について教えてください。

虫歯や義歯・インプラント・矯正・予防など歯科全般に幅広く対応しています。虫歯治療で歯を削った部分をセラミック素材の詰め物・かぶせ物で補うなど、審美性に配慮した治療にも対応していますし、義歯は部分入れ歯・総入れ歯の両方を作製しています。専門の歯周病治療は100点を、その他のすべての領域でも80点以上の治療をめざして、患者さまのお口の問題を総合的に解決していきたいと思っています。お口のことならどんなお悩みでも、気軽にご相談ください。
職種の垣根を超え、スタッフ全員で患者を支える
チーム医療を大切にされているそうですね。

はい。患者さまに安心して治療を受けていただくには、スタッフ間の連携がとても大切だと思っています。当院では朝のミーティングでその日に行う治療やケアの内容を担当の歯科医師・歯科衛生士が報告し、どの患者さまがどんな治療をしているのかを全員が把握しています。また、歯科衛生士には歯周病治療に関する専門性を持ち、15年、30年と長く勤務しているメンバーがそろっています。歯科技工士も患者さまのご希望を直接お聞きして、審美面だけでなく歯磨きのしやすさなど機能面も考慮しながら技工物を作製していますし、受付や歯科助手は緊張している患者さまを笑顔で出迎え、温かい声かけをしてくれています。職種の垣根を超えたフラットな関係性の中で、それぞれに自分の役割を果たしてくれていて、とても頼りにしています。
お忙しいとは思いますが、どのようにリフレッシュされていますか?
趣味はゴルフとサーフィンです。サーフィンは学生時代に始めたのですが、忙しくて一度中断。40歳で再開してまた中断、60歳になってもう一度チャレンジし始めました。休日もセミナーの講師や日本大学の客員教授として学生に講義をしているのでなかなか休みが取れないのですが、時間がある時は地元の千葉の海などに出かけて楽しんでいます。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

虫歯も歯周病も生活習慣病ですから、治療をして毎日のブラッシングを頑張っていても生活習慣が乱れていれば再発のリスクは高まります。当院では患者さまに生活習慣に関する問診票を記入していただいて、ライフスタイルを踏まえた上で日常生活で注意が必要な点をアドバイスしています。そのためにも、患者さまが何でも話せる雰囲気づくりが大切です。多くの方にとって歯科クリニックは行きたくない場所だと思います。それでも勇気をふりしぼって来院してくださった患者さまに敬意を払い、「歯科医師と患者」ではなく「人と人」として真摯に向き合い、患者さま一人ひとりに寄り添った対応を心がけています。お口の健康について心配なことがありましたら、どうぞご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周病の検査/2万5000円~、咬合誘導/5万円~、インプラント/50万円~、矯正/80万円~、セラミックを用いた補綴治療/6万6000円~