安齋 聡 院長の独自取材記事
齋藤歯科医院
(練馬区/大泉学園駅)
最終更新日:2022/11/04
大泉学園駅北口から徒歩2分、駅近でありながら落ち着いた雰囲気の住宅街の一角に、この地で70年以上の歴史を持つ「齋籐歯科医院」はある。祖父から母へ受け継がれてきた歯科医院で、3代目院長を務めるのは安齋聡先生。地域のかかりつけ患者とともに歩み続けてきた歯科医院ならではのアットホームな安心感のもと、虫歯や歯周病はもちろん、インプラント治療、義歯、審美歯科、噛み合わせ治療など幅広い歯科診療を提供している。院長就任から6年。近年は多忙な外来診療の合間を縫って、通院が難しくなった高齢患者の訪問診療も行うなど、生涯健康な口腔環境づくりに奔走する安齋院長に、同院の歩みや診療方針、得意とするインプラント治療についてなど、地域の患者に対する思いも交えてたっぷり話を聞いた。
(取材日2022年10月14日)
開業から75年超え。地域に根差し、最善の治療を追求
こちらは、戦後すぐから3代続く歯科医院だそうですね。
祖父が東大泉で開業したのが1945年と聞いていますので、もう75年以上たちますね。待合室には開院当初の大泉学園の風景写真が飾ってあるんですよ。都市開発が進んで駅前周辺のこのエリアも様変わりしましたが、この写真を見ると地域とともに時を重ねてきた当院の歩みを感じ、何とも感慨深いものがありますね。私は祖父の後を継いだ母が院長を務めていた2012年からここで常勤で診療を始めましたから、今年で丸10年。4代にわたって通ってくださっているご家族や、数十年来のかかりつけ患者さんなど、子どもから高齢の方まで地域の皆さんに親しんでいただいている歯科医院です。
どんなお悩みの患者さんが多く来院されていますか?
母が院長を務めていた当時は、地域のご高齢の患者さんが中心でしたが、私の代になってから少し患者さんの年齢層が広がり、私と同年代に近い30~50代、いわゆるビジネスパーソンの来院がかなり増えましたね。そうした世代の方々は仕事に忙しく、これまでは歯科医院への通院を後回しにしがちだったはずですから、虫歯や歯周病など何らかのトラブルがきっかけだったにせよ、将来にわたって歯を守っていくために本格的なケアを始めるにはちょうどいい年齢だと思います。最近はメディアの影響もあり、特に不調がなくても定期検診やメンテナンスで通院する方も多くなりました。インプラント治療を希望され、お知り合いからの紹介で遠方から来院される方もいらっしゃいます。
診療にあたって先生が大切にしていることはありますか?
年齢も健康状態も生活環境もそれぞれに異なる患者さんたちを診療する際、歯科医師の間でその時々で話題に上るような、いわゆる流行りの治療ですべてを解決することは到底不可能ですよね。当院は歯科医院の長い歩みの中で幸い診療データの蓄積も豊富にありますので、そうした実績を大切に生かしながら、患者さんの年齢やお口の中の現状、将来予測を踏まえ、その方にとって最善の歯科診療を提供したいと考えています。そのためには、目下の症状のみを診るのでなく、その原因を特定することが最も重要です。例えば奥歯が虫歯だった場合、なぜ虫歯になってしまったのか、噛み合わせに原因があるケース、日々のセルフケアに問題があるケースなどさまざまありますが、各種検査や患者さんとのコミュニケーションを重ねる中で真の原因を探り当て、そこにアプローチし得る最善の治療計画を練っていくというのが私の診療スタイルです。
一生の付き合いになることを意識し、患者に寄り添う
先生が歯科医師を志したのは、やはりご家族の影響が大きかったのでしょうか?
そのとおりで、やはり家庭環境によるところが大きかったですね。診療所の2階が私の自宅になっていましたから、子どもの頃、「ただいま」と学校から帰ってくると、いつも決まって診療室の様子をのぞいていました。そこにはいつも、祖父や母が診療にあたる姿や、義歯を製作している父の姿、そしてすっきりした表情を浮かべる患者さんの姿があり、その光景は大人になった今でもふと思い出すことがあるほどです。自分も歯科医師になるという選択が、私にとってはごく自然なものでしたし、生まれ育ったこの地域に恩返ししたいという気持ちが、歯科医師になる決意を後押ししてくれたようにも思います。
勤務医時代のご経験も少し聞かせていただけますか?
勤務医だった当時は医療法人社団弘進会宮田歯科という都内に展開する歯科医院に在籍し、インプラント治療や噛み合わせ治療を中心に、幅広い症例経験を積んできました。非常に厳しい職場でしたが技術や知識を深く追求できる勉強の場でもあり、当時学んだことは私にとって大きな財産になっています。特に、患者さんのお口の中をトータルに捉えて、一口腔単位で診療を行うという姿勢はここで徹底的に叩き込まれましたね。現状や治療後のケアについて患者さんとじっくり対話するといったコミュニケーションのスタイルもまた、勤務医時代に形づくられたものです。
先生のもとにはインプラント治療を求めて来院される方も多いそうですね。
勤務医時代から数多くのインプラント手術を経験してきましたから、私の得意とする治療の一つではあります。現代の歯科医療において、インプラント治療は特に天然歯に近い咀嚼機能と審美性を期待できる治療法ですが、外科処置ですから当然リスクも伴いますし、必ずしもインプラント治療が最善でない場合もあります。なるべく患者さんの生まれ持った歯を大切にすること、つまり保存を第一として、インプラント治療に執着した治療は行わないように意識していますね。患者さんのご希望やお口の中の状態をトータルで診た上でインプラント治療を選択した場合には、治療した私がもちろん最後まで責任を持たなくてはいけないという思いでおりますし、インプラント治療に限らず患者さんと一生のお付き合いをしていくつもりで日々の診療にあたっています。
将来予測を踏まえ、患者の年齢に合った歯科治療を
こちらでは訪問診療も手がけているそうですね。
歯科医師が私1人しかいませんので、対応できる患者さんの人数は限られてしまうのですが、ご高齢のかかりつけ患者さんで通院が困難な方のご自宅に出向いて診療を行っています。もともと勤務医時代に老人ホームなどの高齢者施設へ訪問診療を手がけたことがありましたから、当時の診療を通じて高齢期のお口の健康管理の重要性を改めて実感していたんです。最近は私の大学時代からのご縁で鹿児島県の老人保健施設の歯科検診の業務も担当していて、3ヵ月に1回のペースで鹿児島県にも足を運んでいます。超高齢時代と言われる今、歯科医師としてできる限りのお手伝いができればと思っています。
先進の機器を導入するなど、患者さんにとって負担のない診療を推し進めていますね。
歯科医院で経験するさまざまな処置の中で、大きなストレスを感じるものの一つとして型採りを連想される方は多いと思います。従来行っていた印象材を用いた型採りは嘔吐反射などの不快感を伴いましたが、当院では細長い形状のハンドピースで口の中の状態をスキャンする口腔内3Dスキャナーを導入しています。これによって嘔吐反射が軽減されるだけでなく、歯の状態や顎の形状を把握する精度の向上につながりました。また、自費ではありますが最短即日で結果のわかる「唾液検査」も導入し、歯と歯茎の健康状態やお口の清潔度を数値化してお伝えし、予防につなげるといったことも行っています。
最後になりますが、今後の展望と読者に向けて一言メッセージをお願いします。
今後はこれまで以上に、患者さんの年齢軸で考えた診療に力を入れていきたいと考えています。今40代ならば、60代の時どんな状態になっているのか、その方がたどるであろうお口の中の経過をある程度予測し、めざすべき最終的なゴールを見据えた診療を行っていくことが大事だと思っています。また、長年手がけている噛み合わせ治療をより深めたいと、最近は講習会などに出向いて矯正の勉強を重ねているところでもあります。患者さんご自身の歯はどれも、それぞれ1本ずつしか存在しません。生涯にわたってしっかり噛めて、思いっきり笑うことができる口元を保っていくために、健康なうちからお口の衛生管理に積極的に取り組んでいただきたいというのが私たち歯科医師の願いです。患者さん一人ひとりの取り組みを全力でサポートしていきますので、何か心配事がありましたら、ぜひお気軽に当院にお越しいただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは唾液検査/2200円、ジルコニアインレー/3万5200円~、インプラント(手術から補綴まで)/38万円〜、ジルコニアクラウン/6万500円〜、ホームホワイトニング上下/2万2000円、オフィスホワイトニング上下/3万8500円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。