原因追究のための検査からじっくり行う
専門家による歯周病治療
岩野歯科クリニック
(世田谷区/成城学園前駅)
最終更新日:2025/02/12


- 保険診療
- 自由診療
歯を失う一番の原因といわれる歯周病。万人にとって身近な歯科疾患だが、「岩野歯科クリニック」の岩野義弘院長によると、歯周病のリスクは早い人では中学生くらいから抱えることになるそうだ。患者自身の歯をなるべく残すための治療に注力する同院では、日本歯周病学会歯周病専門医である院長がさまざまな技術を駆使して幅広い症例に対応。歯周病における豊富な知識を持つ歯科衛生士たちも活躍し、担当患者との関係性を深めながら一人ひとりに合ったケアや指導に努めている。歯周病には完治という概念がない。さらにセルフケアのみで再発を防止することは難しいため治療後はメンテナンスが不可欠だという。良好な口腔環境をいつまでも維持できるよう、同院では何を重視して歯周病治療にあたっているのか。全身疾患との関連性なども含めて話を聞いた。
(取材日2025年1月9日)
目次
全身の健康に関わるからこそ、本気で治療に臨む姿勢が大切。良好な状態を保つためにメンテナンスも忘れずに
- Qどのような症状があると歯周病が疑われるのでしょうか。
-
A
▲歯周病は慢性的な疾患
気づきやすい症状として、歯磨き時の出血が挙げられます。歯周病は急激に進行し、ある日突然歯が抜ける病気ではありません。細菌感染によって少しずつ悪化する慢性炎症性疾患です。症状が進行する時期や、体調や生活環境の影響によって、一時的に出血するのが特徴です。そのため停滞期に入ると症状はなくなりますが、決して治ったわけではありませんので放置せず検査を受けましょう。また、歯周病のリスクは永久歯が生えそろった時点から生じ、10~20年かけて発症します。長年の変化を短期間の治療で一気に改善するのは難しく、患者さんに根気強く治療に取り組んでいただく必要もあります。兆候が見られたら早期の受診をお勧めします。
- Q歯周病は糖尿病などの全身疾患とも関わりがあるそうですね。
-
A
▲自身の口腔内の状態を把握しながら治療に臨むことができる
毛細血管に入り込んだ歯周病菌や菌が出した毒素は、血流に乗って全身を巡ります。この状態が続くことにより、多岐にわたる疾患に影響する可能性があると判明しています。特に関連があるのは糖尿病。細菌や毒素に対する免疫反応によってTNF-アルファなどのサイトカインが分泌され、それがインスリンの働きを邪魔することで血糖値が上昇します。糖尿病の悪化は脳卒中や心疾患、心血管疾患といった循環器疾患の引き金となります。さらに細菌の刺激になり動脈硬化の恐れもあります。他にも腎疾患や慢性関節リウマチ、がん、誤嚥性肺炎、アルツハイマー型認知症などの病気や早産や低出生体重児出産のリスクにもなり得る点が恐ろしいところです。
- Qこちらで受けられる歯周病治療について教えてください。
-
A
▲入念な検査で綿密な治療計画を立てる
私たちは口腔全体を診査・治療する診療スタイルで、腫れている箇所のみを治療するといった局所的な対応はしていません。症状はあくまでサインでしかありませんので、歯周ポケットの深さの測定から顕微鏡を使った歯周病菌の状態のチェック、エックス線画像や口腔内写真の撮影、噛み合わせや顎関節の検査までしっかりと行い、検査結果をもとに問題点を追究します。そして原因を明らかにした上で、包括的・根本的な治療を提供するのが当院の歯周病治療の特徴です。その分、治療は少々大がかりなものとなりますが、それが患者さんの歯をより長持ちさせるための方法であると考え、メンテナンスでのケアと併せてお口の健康をサポートしています。
- Q治療にあたり、検査と管理が重要なのですね。
-
A
▲画像などをもとにわかりやすく説明
そのとおりです。そして当院では担当歯科衛生士制を導入し、同じ歯科衛生士が検査から治療、メンテナンスまで一貫して関わっています。歯科衛生士はお口の中だけでなく、性格やライフスタイルなども含めて担当患者さんのことを深く知ることができますので、メンテナンス中にちょっとした変化にも気づけるのが強みです。また当院の歯科衛生士たちは、歯周病の改善を図り、口腔内をより良い状態に維持するためにすべきことを常に考えています。モチベーションを高く持ち、歯も上手に磨けるようになってもらうにはどうアプローチしたら良いか。実際の様子を院内で共有し、仲間からアドバイスももらいながらケアの内容をブラッシュアップしています。
- Q口腔環境を維持するには、治療後も通院が必要でしょうか?
-
A
▲治療後のメンテナンスが重要
歯周病の改善につながっても、お口の中はずっと歯周病のリスクを抱え続けます。というのは、歯周病の原因はバイオフィルムという細菌の塊であり、2~3日という早さで成熟してしまいます。そのため一度クリーニングをしても、セルフケアが不十分であればすぐに元どおりになってしまうのです。100%のケアができる方は基本的にいませんので、治療後また少しずつリスクが蓄積するのは仕方のないことでしょう。ただ、だからこそ適切なブラッシングをする意識は大切で、歯茎の中などどうしても自身で補えないところは歯科医院でのメンテナンスに頼っていただきたいと思います。メンテナンスのペースは3ヵ月を目安に、個別にご案内いたします。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周組織再生療法/19万8000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。