口腔環境重視のインプラント治療
担当歯科衛生士のフォローも
岩野歯科クリニック
(世田谷区/成城学園前駅)
最終更新日:2025/02/10


- 自由診療
虫歯や歯周病が原因で歯を失った場合、治療の選択肢は複数ある。その一つが顎の骨にインプラントを固定し、上にかぶせ物をするインプラント治療だ。「岩野歯科クリニック」の岩野義弘院長は、「インプラント治療は機能的にも審美的にもメリットが多いと考えます」と話す。同院が重視する「天然歯の保存」という観点から見ても、欠損歯の周囲の歯に負担をかけにくいという点で好ましい治療法だという。手術の前には綿密な治療計画の作成と、口腔環境の整備も不可欠。術後は担当歯科衛生士による丁寧なメンテナンスでインプラント周囲炎の予防につなげ、良好な状態の維持をめざす。歯科衛生士が担当患者の状況を院内で共有し、より良いケアを追求しているのも特徴だ。実際のインプラント治療の具体的な流れについて、同院の強みと併せ岩野院長に聞いた。
(取材日2025年1月9日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療にはどのようなメリットがありますか?
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A
インプラント治療の最大のメリットは、天然の歯を守ることができる点にあります。欠損した部位の両隣に歯がある場合、ブリッジが一般的に用いられますが、健康な歯を削る必要があります。その点、インプラント治療ではその必要はありません。また、奥歯を失った場合は、インプラント以外の選択肢として入れ歯しかありません。入れ歯は手前の歯にバネをかけて固定するため、歯に負担がかかったり、プラークが付着しやすいという理由で、歯の寿命が短くなります。インプラントは単体で受け止められるため、入れ歯のデメリットも解消できます。天然の歯のように見せる工夫も可能ですので、手術の適応のある方全員にお勧めしたい治療です。
- Qこちらで受けられるインプラント治療の特徴は何でしょうか?
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A
顎の骨が足りないことを理由に他院でインプラント治療を断られた経験のある方は少なくないと思いますが、当院では技術を駆使し、さまざまな条件下で骨を造成するための処置が可能です。骨は抜歯してしばらくすると吸収されてなくなってしまい、インプラント治療を行うために後から骨を増やそうとすると時間的・身体的な負担が大きくかかりがちです。しかし抜いたばかりの段階ではまだ少し骨が残っており、同日に適した処置をすれば骨の吸収を抑えることがめざせます。歯茎の状態が維持されているうちのほうがより審美性も追求できますし、当院では抜歯とインプラント手術の同時実施もできますので、ぜひ抜歯前からご相談いただきたいですね。
- Qインプラント治療後に大切なことを教えてください。
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A
メンテナンス不足がインプラント周囲炎のリスク因子であることはさまざまな研究から明確に示されています。インプラントの健康を守るために、治療後もきちんと通院しましょう。当院では初診から治療を経てメンテナンスへ移行するまで一貫して担当の歯科衛生士が患者さんをフォローします。治療後は口内環境が変わるため状況に適した清掃用具を使っていただき、改めて歯磨き指導をします。以前と比べてどれだけ磨き残しが減ったかを数値で出し、染め出しをした際の写真もお見せして説明します。長くお付き合いする中でその方の人柄や社会的な背景などを知り、メンテナンス時の小さな変化にも気づきやすく、個々に合わせて対応できるのが強みです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1検査
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インプラント手術のシミュレーションに必要な資料を採取する。口腔内スキャナーで口の中をスキャニングし、歯科用CTでも現在の状態を撮影。必要に応じて血液検査も行う。その後、スキャンしたデータとCTのデータをマッチングさせ、歯科医師がソフト上で最終的なインプラントの埋入位置を決定する。
- 2治療計画の決定
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最終的にかぶせ物が入る位置を最初に決め、それに対して適していると考えられるインプラントのポジションを探る。場所を誤るとインプラント周囲炎の原因になりかねないため、非常に重要な工程だ。適正な位置に十分な量の骨がない場合は、骨を造成するための処置を含め、治療計画をプランニング。インプラント以外に矯正なども行い、口腔全体を治療するケースでは、各治療の担当歯科医師が相談しながら治療の順番を決めていく。
- 3治療計画の説明、準備
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再度受診し、検査結果を見ながら手術の内容やその必要性、リスクなどに関する説明を歯科医師より聞く。同意書を書いたら手術に向けて口腔環境を整える。歯周病がある場合は先にその治療を受け、歯科衛生士から指導されたブラッシング方法も習得しておく。
- 4手術
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前日は十分な休息を取り、手術当日に備える。当日は初めに歯科衛生士がクリーニング。その後トイレに行き、鎮痛剤を服用する。鎮痛剤を飲んでおくのは、万が一麻酔が切れた時のため。準備ができたら滅菌状態が保たれた空間へ移動し、麻酔の作用状態を確認した上で手術がスタート。歯科医師が適切と判断した場合、静脈内鎮静法を実施できるのも同院の特徴だ。
- 5インプラント埋入後の通院、メンテナンス
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術後の管理として、歯科衛生士が口腔内を清掃し、歯科医師が抜糸と消毒を行う。以降はメンテナンスでの通院となり、担当の歯科衛生士から自身に合ったケアや歯磨き指導、セルフケアのアドバイスなどを受ける。通院の頻度は3ヵ月ごとが基本となるが、歯周病やインプラント周囲炎のリスクによって一人ひとり適切な期間が異なるそうだ。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/55万1000円(検査費用・サージカルガイド・一次手術・補綴上部構造 ※オプションによって異なる)、骨造成/11万円~、静脈内鎮静法/7万7000円~、矯正/33万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。